秘伝の粉で味わう中国式焼肉とは? 池袋のガチ中華『チチハル焼肉』が激ウマすぎた

2023年12月3日(日)10時50分 食楽web


池袋に初の中国焼肉店が登場! | 食楽web

●近年、池袋には「ガチ中華」=本場そのままの中国料理店が増加中。池袋には四川、東北、新疆などの料理を出す専門店が多数ありますが、今回は、池袋初となるチチハル式の焼肉店に潜入してきました。

『チチハル焼肉(斉斉哈爾烤肉)池袋本店』は、その名の通り、中国・黒龍江省西部にある都市・チチハル(斉斉哈爾)式の焼肉店です。

 チチハル式焼肉の特徴は、野菜がたっぷりでさっぱりとした味付けで「粉の“タレ”」をつけて食べる、韓国とも日本とも違う焼肉です。


1階が日高屋でチェーン店が複数入っているビルの6階

『チチハル焼肉』があるのは、池袋西口を地上に出て、北口方面に歩いてすぐ、池袋のディープゾーンに入る手前の、チェーン店が多数入っているビルの6階。ビルの外の看板は以前あった『三宝粥店』のままですが、怖がらずにビルに入ってみましょう。


とても入りにくい、ビルの奥にあるエレベーター

 ビルの暗い入り口を中に入っていくと突き当たりにエレベーターがあります。ここには店名表示があります。日本語がなく不安かもしれませんが、気にせずエレベーターに乗って6階に行きましょう。エレベーターを降り、店内に一歩足を踏み入れると印象は一変します。

いざチチハル焼肉を実食しよう!


広くて明るくきれいな店内

 店は意外なほど広くて清潔感がある明るい雰囲気です。この店は2023年10月現在、平日はディナータイムのみ、土日祝日はランチも営業しています。今回は土曜日の12時頃に行ったのですが、この時点で他のお客さんはゼロ。


日本式の焼肉や食べ放題コースも。隣のカテゴリーには「和牛日式焼肉類」(日本式の焼肉)もあります。チチハル焼肉はまだ知名度が低いので、普通の焼肉で幅広い客層を取り込もうという狙いなのかもしれません

 でも笑顔の可愛い明るい店員さんが元気に案内してくれました。「中国人は来るの遅いの! 夜は混んでるよ〜」だそうで、その言葉どおり、13時過ぎくらいから続々とお客さんが入ってきたのでした。


明るく広い窓際席で優雅に1人焼肉ランチ

 窓際の明るい半個室のような席に案内してくれました。早速オーダーしてみましょう! ランチメニューはなく、昼間でもレギュラーメニューから選ぶ形式です。今回は1人ランチなので食べ放題ではなく単品でオーダーします。


オーダーは最近のガチ中華の主力、タブレットで。その他、つまみ的なガチ中華メニューも多数あります

 メニューは日本式の焼肉などもあるのですが、店員さんに教えてもらいながら、なるべくチチハル焼肉らしいものをオーダーすることに。

 カテゴリーの中にある「家庭伴肉」というのがチチハル焼肉。肉は日本の焼肉の定番である牛肉だけでなく、羊、豚、鶏とひと通り揃っていて、好みのものを選べます。今回は、羊肉(ラム肉)にしてみました。一皿1408円です。


普通の焼肉店にはない粉の調味料セット

 そしてチチハル焼肉の特徴の一つがこの調味料セットです。これは「タレ」と呼ばれていますが、液体はなく全て粉なのです。これを好みで混ぜ合わせて肉につけて食べるわけですね。


羊肉1408円、酸菜660円

 さて、注文した料理がやってきました。チチハル焼肉は肉と野菜をセットで焼きます。


肉が野菜と和えられて出てくるのもチチハル焼肉の特徴

 羊肉は若い羊のラム肉。見るからに新鮮でおいしそうな色です。それが玉ねぎ、パクチーと共に薄い塩味のタレで和えられて出てきます(パクチーが苦手な人は抜いてもらえます)。


酸菜は白菜の漬物

 チチハル焼肉に欠かせないのがこの酸菜。中国東北部で冬に作られる白菜を自然発酵させた漬物です。酸味も塩味も淡く優しい味です。

 中国では、この酸菜を焼肉のほか、鍋物に入れたり、豚ひき肉と合わせて水餃子の具にしたりもします。野菜は他の種類も選べるのですが、今回は一人だったので、もっとも特徴的な酸菜だけにしました。


最初に真ん中で肉を焼く

 チチハル焼肉には独特の焼き方があるので、店員さんにその流儀を教えてもらいながら実践しました。まず、鉄板が温まったら、鉄板の中央に肉を置きます。


チチハル焼肉は肉を囲むように野菜を置いて焼く

 肉はとりあえず半量を置きました。そして、肉を中央に置いた後に鉄板の周辺部に野菜を並べます。ジンギスカンみたいですね。


肉は焼き過ぎないように

 肉は途中で2、3回ひっくり返しながらじゅうじゅう焼きます。


干豆腐サラダ880円

 焼肉を育てているうちに、つまみの干豆腐サラダも到着。ガチ中華の店ならどこにでもあるこのサラダ、干豆腐のしっかりした感触も口に楽しく、低糖質で酒の進むつまみなので、ほぼ毎回必ず頼みます。写真を撮り忘れましたが、この日のお供はビールです。


秘伝の「たれ」の粉

 調味料セットの中で一番山盛りになっているのが、この黄色い「タレ」です。ごま、クミン、ピーナッツ、塩などが混ぜられた、お店のオリジナル。詳しい配合は秘密だそうです。


辛めのブレンドにした「たれ」

 これをベースに、周りにある唐辛子、花椒などを好みで混ぜて、自分だけのオリジナルタレを作ります。


肉は何度か混ぜながら焼く

 干豆腐サラダを肴にビールを飲みながら、鉄板の肉を育てます。ジュージューと良い音を立てながら焼ける肉の香ばしい香りが漂ってきます。のんびり楽しいぼっち焼肉です。
 
 さあ、良い感じに焼けてきたので食べてみましょう!


羊肉と酸菜はセットで取る

 良い塩梅に焼けた羊肉と酸菜をタレ(粉)につけます。粉しかないのは不思議な感じもしますが、これがチチハル焼肉です。ちなみにテーブル上には液体の焼肉のタレもあったので、店員さんに「これは使わないの?」と訊いてみたら、そんな! とんでもない! という表情で首をブンブン横に振って「それは違う! 使わないです!」だそうなので、間違っても使わないように。(日式焼肉用のタレだそうです)


チチハル焼肉の完成系

「タレ」をしっかりつけた羊肉と酸菜を一緒に箸でつかんで口に放り込みます。そしてゆっくり噛みしめます。

 旨い! とっても旨い。

 まず、羊肉の下味がちょうど良い。肉自体の味を邪魔せず新鮮な羊肉の旨みを引き出しています。そこに絡む粉の「タレ」が香ばしさと辛味、複雑な香りをプラス。そして発酵した白菜がそこにさらに旨みを足しています。旨みが何重にも積み重ねられています。塩味は控えめなのでご飯を呼びません。ビールやその他の酒にはこれが最適です。いくら食べても疲れません。

 今回は一人なので肉はこれだけにしましたが、何人かで色々な肉を頼んでみたいです。そして、チチハル焼肉を焼肉の定番にしたい、そのくらい気に入りました! チチハル焼肉が日本でも人気になって、店も増えると良いなと思います。みなさんも、怪しいビルのエレベーターの前で諦めず(笑)、ぜひ行ってみてくださいね。

●SHOP INFO

店名:チチハル焼肉(斉斉哈爾烤肉)池袋本店

住:東京都豊島区西池袋1-28-1 第二西池ビル 6F
TEL:03-5956-8881
営:月〜金16:00〜24:00、土日祝11:00〜24:00
休:年中無休

●著者プロフィール

工藤真衣子
Photographer:人物を中心に様々な媒体で撮影。グラビア、インタビュー、プロフィール、ドラマ映画スチールなど。ライター:食レポ、レシピ記事は現地系異国メシ、珍しい食材、味のある店など個人的に好きな店や料理を紹介。新宿御苑前で写真館「スタジオ アトリーチェ」経営。

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