日本の小中学生の理科成績低下…理数の国際教育動向調査TIMSS2023結果
2024年12月4日(水)20時22分 リセマム
TIMSS(Trends in International Mathematics and Science Study)は、1995年から4年ごとに実施されている国際的な学力調査。児童生徒の算数・数学および理科の教育到達度を測定し、学習環境条件等の諸要因との関係を研究することを目的としている。今回の調査では、58か国・地域から約36万人の小学生、44か国・地域から約30万人の中学生が参加。なお、前回調査からコンピュータ使用型調査(CBT)が導入されており、日本はGIGAスクール構想で整備された1人1台端末等を活用し、今回初めてCBTにより参加した。
日本の理科成績は小4で「知識」領域の得点が他の領域に比べて低かった一方、中2では「知識」「応用」「推論」の全領域で高い水準にあることがわかった。前回2019年調査と同一問題の正答率は全教科で同程度であり、CBTへの移行の影響は小さいと考えられるという。
最上位層の国際比較では、小4算数で日本は平均得点(以下、同)591点で5位(前回593点・5位)、中2数学は595点で4位(前回594点・4位)。小4理科は555点で6位(前回562点・4位)、中2理科は557点で3位(前回570点・3位)となった。特に理科の成績低下が目立ち、国際的な順位が下がっている。
調査結果からは、算数・数学、理科への興味・関心が男子の方が女子より高いことがうかがえる。また、児童生徒がICTを活用する自信があるほど平均得点が高い傾向が見られ、日本の児童生徒の自信は国際平均と同程度であることがわかった。なお、文部科学省は、GIGAスクール構想の推進を通じ、1人1台端末の整備を進めているが、ICTを活用した学習の改善に取り組む教師の指導を受けている児童生徒の割合は国際平均より低い点も浮き彫りとなった。