高脂血症治療薬を長期間服用した人、筋肉が溶けた例も

12月4日(水)7時0分 NEWSポストセブン

飲み続けたことで…

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 血液中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が多くなりすぎてしまう高脂血症(脂質異常症)は、放置していると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす。


 治療にはLDLコレステロールを下げる薬が用いられることが多く、厚労省が所管するPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)に服用後の死亡例が報告された高脂血症治療薬は、肝臓・小腸でコレステロールが生成されるのを防ぐ作用を持つものが多い。このタイプは、有効成分名に「〜〜スタチン」とつくことから「スタチン系」とも呼ばれる。銀座薬局の薬剤師・長澤育弘氏が解説する。


「スタチン系の高脂血症治療薬は、副作用として横紋筋融解症を引き起すケースがあります。これはその名の通り筋肉が溶ける病気で、溶けた筋肉の成分が腎臓に詰まると死に至ることがある」


 高脂血症治療薬のなかで処方量が最も多い「クレストール(有効成分ロスバスタチン)」や「リピトール(同アトルバスタチン)」がスタチン系にあたる。


「『クレストール』は初期段階にも使われる薬です。これを服用し死亡した70代男性のケースは、身長が150cm台、体重が50kgと、小柄で比較的痩せていた。薬が効きすぎてしまったことが原因かもしれません。


 一方、『リピトール』は強い薬なので、服用後の横紋筋融解症が複数例報告されているのではないでしょうか」


 PMDAに報告された症例を見ていくと、長期間にわたって高脂血症治療薬を服用した後、横紋筋融解症を発症しているケースが存在することがわかる。「リピトール」を服用していた60代男性のケースでは、服用開始から約1年3か月が過ぎたところで横紋筋融解症などを発症し、死亡している。


「横紋筋融解症は、服用直後に急激に症状が現われるものではなく、比較的長期間かけてゆっくりと筋肉を溶かしていく病気です。1年以上にわたって高脂血症治療薬を服用している場合には、この病気の初期症状である『手足のしびれ』や『倦怠感』、『オレンジ色の尿』などが出ていないかチェックし、当てはまる場合には医師に相談してください」(長澤氏)


 服用開始から数日〜1か月で死亡したケースでは、劇症肝炎を発症して亡くなった例がある。


「50代の女性が『リピトール』を服用していたケースでは、向精神薬『クアゼパム』『トリアゾラム』『ゾピクロン』を併用していたほか、『エストロゲン』も服用していた。これだけ多くの薬を飲んでいたので肝臓に大きな負荷がかかった可能性があります」(長澤氏)


※週刊ポスト2019年12月13日号

NEWSポストセブン

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