“ウォーキングのプロ”が断言「日本人の9割は歩き方が間違っている」

12月5日(木)11時0分 文春オンライン

「この10年ほどの健康雑誌のトレンドを追ってみると、面白いことがわかります。股関節痛のブームが落ち着いたら次は膝、そしてふくらはぎ、肩甲骨……。これらの症状は、元をたどれば一つの問題に行き着きます。『歩き方』。いずれも正しい歩き方ができていれば症状は出ません」


 そう語るのは、JCHO東京新宿メディカルセンター(旧・東京厚生年金病院)リハビリテーション室リハビリテーション士長で、理学療法士の田中尚喜氏。歩き方やトレーニングに関する著書も多く、2007年発売の『百歳まで歩く 正しく歩けば寿命は延びる!』(幻冬舎文庫)は20万部超のロングセラーになっている。いわば“ウォーキングのプロ”だ。


 その田中氏は「日本人の9割は間違った歩き方をしています」と断言する。



小股で、腕を振らず、ゆっくり歩く


 一体、どういうことか。


「間違った歩き方の最たるものは、『大股で、腕を振って、速く歩く』こと。特に高齢者の場合、『膝を曲げたまま』『上体を左右に大きく振る』『必要以上に足を持ち上げる』歩き方も目立ちます。こうした歩き方に対し、私は『小股で、腕を振らず、ゆっくり歩く』のが正しい歩行であり、健康寿命を延ばして、死ぬまで自分の足で歩くことに繋がると考えています」(同前)



©iStock.com


「大股で、腕を振って、速く歩く」という間違った歩き方を続けていると、足に過剰な負担がかかり、少し歩いただけであちこち痛くなり、疲れてしまう。お尻が垂れ、太ももやふくらはぎが太くなったり、肉離れやアキレス腱断裂を起こしやすくなる。


 一方、「小股で、腕を振らず、ゆっくり歩く」という正しい歩き方をしていれば、ちょっと歩いたくらいでは疲れない。なぜか。



速筋よりも遅筋を使おう!


「その差は、使う筋肉の違いから生じています。正しい歩き方で主に使うのは、『遅筋』を中心とした筋肉。遅筋は体の奥に多く、ゆっくり収縮し、持久力に優れていて疲れにくく、ケガをしにくいのが特徴です。一方、大股やガニ股といった間違った歩き方にダメージが出やすいのは、『速筋』を使っているから。体の表面近くに多く、すばやく収縮して瞬発力に優れており、鍛えることで隆々とした筋肉になるのはこちらです。しかし、疲れやすくケガをしやすいという特徴があります。遅筋は大きな力は発揮しませんが、立つ、歩く、座るといった日常動作の中心となる筋肉です」(同前)



 つまり、普通の高齢者にとっては、速筋よりも遅筋を鍛えた方が良いということだ。だが、実際に歩いてみれば分かるが、意外と「小股で、腕を振らず、ゆっくり歩く」のは難しい。



「文藝春秋」12月号および「文藝春秋digital」に掲載の「 高齢者の『大股』『腕ふり』は間違い 」では、田中氏が、正しく歩くためのコツや簡単なトレーニング方法、陥りやすい“靴選びの罠”などについても詳しく語っている。



(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2019年12月号)

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