まるで回転寿司!新大久保の「回転火鍋」 ブーム目前?ナゾの新店、さっそく行ってみた

2018年12月7日(金)17時0分 Jタウンネット

東京が誇るコリアンタウンの新大久保。韓国だけでなく様々な国の文化が入り込み、その多国籍化が進んでいる。そんな新大久保に、「日本初上陸」だというある店が誕生した。


日本ではすっかり定着した回転寿司。その鍋バージョンが楽しめる「辣辛子(らーしんず) 回転火鍋」。レーンを回っている具を、テーブルにある自分の鍋に入れるシステムだが、良くも悪くも斬新であった。


レーンを流れる具材は全品100円


辣辛子(らーしんず) 回転火鍋があるのは総武線が通るJR大久保駅の北口を出てすぐの雑居ビルの2階にある。筆者が訪れたのは2018年12月6日の14時ごろ。ソフトバンクキャリアのスマートフォンを使っているため地図アプリが使えないトラブルに見舞われたが、駅から出てすぐの場所とあって難なくたどり着けた。


ランチタイムを過ぎていたこともあって空いている店内を案内された。店の中心に置かれたレーンの存在感に目を奪われる。回ると言えば寿司のイメージが刷り込まれているためか、その光景は新鮮そのものだ。


椅子の前にはIHコンロが付けられており、お冷や用のコップ、取り皿、たれ用の器が置かれている。スープと肉類、飲み物については店員にオーダーするシステム。スープは1人用の小さな鍋に入れて提供され、火が通るまでは少々時間がかかる。その間にタレを選ぶことにした。


10種類あるタレはラー油やニンニク、ゴマみそといったお馴染みのものからサーチャみそ、豆腐の塩漬けなど聞きなれないものまで揃えている。


火鍋というと辛みの強い料理だが、スープもトマト風から日本風のみそ味も用意されている。辛いものが苦手な人でも楽しめる品ぞろえは嬉しいところだ。


また、しゃぶしゃぶ用の肉類は基本的にはレーンを流れておらず、別に注文するスタイル。今回頼んだのはラム肉で、スープが沸騰する少し前に到着した。火鍋自体が日本のしゃぶしゃぶと似ているため薄切りだ。


スープは店員がタイミングを見計らって鍋のフタを外しに来てくれるため、火加減を気にする必要はない。


筆者は煮込みに時間がかかるジャガイモを一旦入れてからラム肉を先にいただいた。


そのままでも旨味があふれ出して美味である。しかし、ゴマみそタレとの相性も良い。さっぱりとして、ゴマの粉っぽい質感がある中で肉の脂と弾力が躍動してくれる。


レーンを流れる品はすべて100円だという。その中から日本のしゃぶしゃぶではまず入れない串に刺さった練り物をチョイスした。


練り物の団子のようだが、中にも具が入っており小籠包にも似ている。串の刺さりが甘いため箸で一旦具を外したが、これが功を奏した。


数分ほどしたところで鍋から具を取り出して箸を入れると串が刺さっていた穴からスープがあふれ出た。中の餡とスープが絡んだことで味噌ベースのしっかりとした味付けだ。今回は日本風みそ味をチョイスしたが、選んだスープによって味が大きく変化しそうだ。


衛生管理は、ちょっと難あり?


先に肉類や練り物を楽しんだが、ジャガイモ以外の野菜類も気になってレーンの皿に手を伸ばした。


しっかりと味を染みこませるにはカボチャが適任。そう思い皿に触れかけたその瞬間。折り重なったカボチャの隙間からコバエが2匹登場した。筆者が潔癖なのかもしれないが、わいてくるようにコバエが現れる瞬間を見てしまったため、これ以上具材をとることができなくなってしまった。


すでに皿を取っていたラーメンとジャガイモは美味しくいただいたが、若干の恐怖感もあって、しばらくはレーンを直視するのもままならなかった。


日本の大手回転寿司チェーンでは、一定の距離を回った寿司は自動廃棄するシステムを導入するなど、鮮度や衛生面について配慮がなされている。しかし、この店ではいつから出されているのか分からない鍋の具材が店員によって回収される気配がない。もしずっと出しっぱなしとなれば、当然コバエが飛んできてもおかしくはないであろう。


自分の好きなものを選んでオリジナル鍋にできる利点はあるものの、寿司よりも具が大きくて管理が難しい。今回はたまたまコバエと出会ってしまっただけかもしれないが、衛生面に不安を感じたことは確かだ。


なお筆者が注文したのは、298円(税別)のスープと100円のタレに、680円のラム肉。これにレーンを流れるジャガイモや練り物串、ほうれん草にラーメン、ドリンクの烏龍茶を1杯頼んで、これで2000円とちょっと。


札幌にも同様の店舗があると言うが、日本国内ではまだまだ発展途上のジャンル。これからの進化を期待したい。

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