元Netflix社員3人を直撃! 社風、年収、ド派手合コン…ネトフリで働くエグさを激白「もって1年」

2020年12月9日(水)12時0分 tocana


 映像コンテンツのストリーミングサービス最大手「Netflix(ネットフリックス)」の裏側を描くドキュメンタリー映画『NETFLIX 世界征服の野望』が12月11日より公開となる。


 同作は『NETFLIX コンテンツ帝国の野望 −GAFAを超える最強IT企業−』の著者ジーナ・キーティング自らが脚本を執筆し、元CEOのマーク・ランドルフら創業メンバーをはじめ、競合企業の証言などを基に、時代に翻弄されながらも躍進を続け、今日の巨大企業へと成長した「Netflix(ネットフリックス)」のこれまでの歩みを追う。


 映画公開を前に、TOCANA編集部ではNETFLIXジャパンの元社員3人の取材を敢行。劇中描かれるような、ライバル社との熾烈な競争の経験や、日本のNETFLIXの社内の様子や雇用環境、収入事情はどうなっているのかなどを覆面座談会という形でヒアリング。巨大企業の裏側を独自の視点から探ってみた。


ーー まずはそれぞれ、NETFLIXジャパンの中でどんな立場で働いていたのか教えてください。


Aさん(男性・年齢不詳):僕は大手の映像会社から2016年にNETFLIXへ入社しました。


Bさん(20代男性):僕は国内の大手映像音楽会社に勤めていて、そこからNETFLIXへ転職しました。


Cさん(30代男性):僕はNETFLIXに入社前は外資系の異業種企業に勤めていました。


 


ーー早速ですが、NETFLIXはよく収入が超高額との噂を聞きます。真相はどうなのでしょう。


Aさん:NETFLIXの基本的な人事の方針として、各ポジションに最も優秀な人を雇うという考えがあります。サラリーも当然、採用されたからには同じ業界の中でもトップのサラリーを払うという方針が持たれているんです。だから高額であることは間違いないです。社内に同じスキルを持った人がいない場合は、より会社に貢献できるスキルを持った人であると評価されてさらに高額のサラリーを受け取ることもあります。人によっては上司よりも収入が多いなんて人もいました。収入に関してはその人のスキルや仕事ぶりによって評価されるという感じです。


 


ーー外資系ならではですね。まさに能力主義。


Bさん:僕は2017年に入社したんですけど、その時はまだ25歳。ある部門の立ち上げメンバーとして、そこで必要とされていたスキルをたまたま持っていたので採用されました。まず3ヶ月間の仮採用期間があって、その後、本採用となるんですが、本採用の際の給与面談で前職より200万円も高い年収を提示されました。必要と思われるとサラリーは約束されるし、逆にいらない人材だと思われたら簡単に切られてしまう。そんな感じでした。


 


ーーテスト期間として採用された後、会社に残れる人と残れない人がいるのですか。


Aさん:平均勤続年数は僕の時(2016年頃)で1年くらいでした。入社後、いらない人材だと判断されると、結構簡単に切られてしまったり、辞めていったり。そういう意味では一度採用されたら安泰という職場ではないです。


Bさん:僕の時もほとんどの人がもって1年という感じ。離職率の高い職場ではありました。


 


ーーまだ日本に上陸してまもない会社ですから、転職組が多いのはもちろんだと思いますが、皆さんはどんな経緯でNETFLIXに転職されたんですか。


Aさん:僕の場合は人事課から直接ヘッドハンティングされて入社しました。伸びている会社であることは知っていたので、僕自身もずっとNETFLIXのことを調べたり、ウォッチしたりしてきたんです。将来性のある会社だし、魅力的だと思っていたので、転職することに迷いはなかったです。


Bさん:僕は前の職場の先輩に誘われて入ったんです。当時やりがいのある職種に就いていたので、会社をやめるつもりはあんまりなかったのですが、NETFLIXの綺麗なオフィスや生き生きと働く社員の方の姿を見て、「アメリカのトップ企業ってこんな感じなんだ」って。それに触れたい一心から転職を決意しました。前職ではCDやDVDの企画、制作に携わっていましたが、仕事の将来性に少し不安を持っていたことも大きかったです。すごくタイミングのいいところで声をかけてもらったんです。お金の面も前職より1.5倍高い年収で声をかけてもらえました。収入に関しては最終的に、2倍にまで跳ね上がっていました。そこも転職を決意した大きなポイントでした。


Cさん:僕もヘッドハンターから連絡をもらってという感じでした。エンタメ業界でのキャリアはなかったんですけど、アメリカのテック会社の立ち上げに参加したいという気持ちで転職したんです。新しい会社だし、華やかな業界であるということで、魅力を感じましたし、ここで働けば有名な女優さんにも会えるんじゃないかってそんなことも考えたりして。




ーー確かに有名人との出会いも多そうです。Cさんは入社後、女優さんと会う機会は結局あったのですか。


Cさん:合コンで女優さんが来た、ということはありました。でも、たまたまそういう人もきていたという感じ。NETFLIX経由で知り合ったというのはあまりなかったと思います。


Bさん:女優さんが来るような合コンもあることはあるんじゃないですか。自分もタレントさん、アイドルさんとの合コンはありましたけど、人によると思います。


 


ーーそういう合コンの場で、NETFLIXの社員さんはやっぱりモテるんですか?


Bさん:難しい質問ですね。僕が入社した頃はNETFLIX自体が、日本ではあまり知られていなかったので、合コンで会社について話しても「そんな会社あるんだ」って反応が多かったです。モテ始めるようになったのは2018年後半から。会社の業績と合コンでモテるかどうかは結構比例する気がします。モテるようになったら、会社はうまくいっているんだなって思ってもいいくらい。


Cさん:知らない人には「Huluみたいな会社」って説明したりしていましたね(笑)。


 


ーー皆さんは今はNETFLIXを退社されています。辞めた理由はなんだったのですか?


Bさん:僕は自分の会社を作りたくて辞めました。離職者が多かったので、僕のチームは最後社員が2人くらいになっていたんです。作品を作るというやりがいのある仕事をしていましたけど、2人で何十作品もこなすということになると、キャパオーバーという感じ。仕事も右から左へとこなしていくような形になってしまって、自分にとっても消費者にとってもこれじゃハッピーじゃないだろうって。そう思うようになってしまったことが一番の理由になったと思います。


 


ーー辞める際、NETFLIXは退職金制度などはきちんとあるのですか?


Cさん:自分から辞める時はないです。会社都合の時はあるのかもしれないですけど。


Bさん:会社から辞めてという時は、5ヶ月分くらいの保証があります。僕はこっそりその資金で自分の会社をやろうって。上司にもそろそろ卒業したいと相談するようになっていて、(辞めてと)肩を叩かれた段階で決意しました。


Aさん:僕も3年間勤めましたけど退職金をもらって辞めました。


 


ーーTOCANAとしてはNETFLIXに関してよくネットなどで出てくる陰謀論のような世界にもちょっと興味を持ちます。例えば、NETFLIXはオバマ政権時代から民主党寄りで、民主党が中国資本と深いつながりがあるので、中国マネーがたくさん入っていて、故に反日ドラマが多いなんて話がありました。


Cさん:それは完全デマです。都市伝説です。というか、NETFLIXはまだ中国で展開していないですし(笑)。


 


ーーそこもカラクリがあって、制作を韓国が請け負うことで中国資本の関与を隠しているとか(笑)。NETFLIXオリジナルアニメシリーズの『日本沈没2020』の時に密かにそんなことが囁かれていたんですけど……。


Bさん:デマですよ。監督さんが好き勝手作ったというだけで(笑)。今、その作品に限らずアニメ作品は制作を韓国や中国に外注することは多いんです。そういう陰謀論とかは所詮陰謀論です。真実ではないです。


Aさん:トランプ政権になって、確かに貿易戦争など、中国との対立が深刻化していますけど、コンテンツの制作にまで政府が関わってくることはないです。


Cさん:NETFLIXは確かにそういう陰謀論のようなデマを発端にネットで叩かれることがあるんですけど、そういうネガティブな意見を言っている人たちについて調べると、Twitterなどでも実際はごくわずかで、ポジティブな発言をしている人の数の方が圧倒的に多い。ごく一部の人の声だけが拡散されて目立ってしまっているだけで、そんなに深刻なことではないんです。




ーーNETFLIXには今後どんな展開が待っているのでしょう。内部にいた人間だからこそ言える展望などはありますか。


Aさん:色々ありますけど、僕自身は働いてよかった。NETFLIXは基本的には世界一のエンターテインメントの会社。これからも映像の配信は続いていくので、日本の会社もNETFLIXという会社とどう付き合っていくのか、ますます対応が求められる時代になると思います。


Bさん:NETFLIX出身者が今後社会でたくさん活躍する時代が来ると思います。僕自身も勤めていた期間は毎日最前線にいて、当時はすごいプレッシャーとストレスを抱えていて、楽しいながらもしんどかったのですが、そこで社会のトレーニングを積んだ経験は大きかったんです。NETFLIXを辞めていった人はみんなそんなトレーニングを経て、いろんな業界へ入っていくわけです。NETFLIXでの経験を生かしてかなりの活躍ができるのではと思っています。


Cさん:加入者は今すでに500万人を突破してWOWOWの2倍。これから1000万を目指そうとする中で、自社のコンテンツをいかにしっかり作っていけるかがポイントになります。そこがうまくいけば、NETFLIXは将来的にテレビと同じ規模の媒体になれると思います。



ドキュメンタリー映画『NETFLIX 世界征服の野望』は12月11日よりヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場ほか全国にて公開!


★https://netflix-seifuku.com/

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