退職後にどれだけお金があればいいかわかりません。退職後のお金の考え方を教えてください

2024年12月11日(水)8時10分 All About

皆さんからのちょっとしたお金の疑問に専門家が回答します。今回は、退職後に必要なお金についてです。

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お金のこと、難しいですよね。老後の不安からますますお金を貯めたい、家計を守りたい、と思っている人もいるのではないでしょうか。皆さんからのちょっとしたお金の疑問に専門家が回答します。
今回は、退職後に必要なお金についてです。

Q:退職後にどれだけお金があればいいかわかりません。退職後のお金の考え方とは?

「退職後にどれだけお金があればいいかわかりません。退職後のお金の考え方を教えてください。」(40歳・会社員)

A:まずは、老後の「3W1H」を考えてみましょう

退職後のお金については正解はありません。いくら必要なのかについてもです。たくさん必要な人もいるし、多額のお金がなくても大丈夫な人もいます。
ご相談者は40歳と、まだまだ時間はあります。老後どういう生活をしたいかによって、必要額は変わってきます。老後資金について重要なのは3W1Hです。
この3W1Hというのは、3WはWhen(いつ)、Where(どこで)、Who(誰と)、1HというのはHow(どのように)のことです。
When(いつ)とは、完全にリタイアする年のことです。完全リタイアする年が60歳だったら、男性は原則として65歳からしか年金をもらえないので、その分お金を準備しなくてはなりません。70歳にリタイアする人は、65歳から年金をもらえる、あるいは年金を繰り下げればその分受給額が増えるので、老後の無収入の期間が短くなり、準備するお金が少なくてすみます。
Where(どこで)は、「終の棲家(ついのすみか)」です。老後どこに住むかによって、支出が変わります。例えば東京都内。山手線の内側エリアだったら多くのお金が必要ですが、地方に行くと物価水準などが安いので、比較すると数万円違うこともあります。
例えば1カ月あたり2万円違うだけでも年間24万円。老後が30年だとしたら720万円。そうすると、どこに住むかだけでも700万円とか1000万円も違いますので、老後に向けて準備する金額というのは違ってきます。
続いてWho(誰と)というのは、私は「何人で過ごすのか」ということを聞いています。つまり老後を夫婦2人で過ごすのか。あるいは子ども世帯と2世帯で過ごすのか。あるいは子どもじゃなくて、長寿な時代ですから高齢の親世代と2世帯というケースもあります。
場合によっては、親子三代っていうケースもありますよね。当然ながら一緒に住む人が増えれば1人当たりのコストというのは少なくなります。収入も、夫婦2人だけが年金を受け取れるよりも、親がいれば、年金を受け取れる人は3人、4人となり、受け取れる額が増えます。
あるいは働いている子ども世代がいれば、その分収入も増えます。そういう観点で、何人で生活するかによって1人当たりのコストが変わりますので、準備するお金が少なくてすむ場合があるのです。
How(どのように)は、どんな老後の生活をしたいのかということ。老後にゴルフとか旅行とか、あれもしたいこれもしたい、と考えるとたくさんお金がかかります。一方では、老後は晴耕雨読でいいという人もいます。この場合、お金はあまりかからないですよね。
このように「老後どういう生活をしたいか」によって、必要なお金も違ってきます。まずは老後の青写真を描いてみましょう。その上で安心料という意味で「iDeCo」や「NISA」等の金融商品を使って老後のお金を少しずつ準備してみてはどうでしょうか。
文:深野 康彦(ファイナンシャルプランナー)
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。
(文:深野 康彦(ファイナンシャルプランナー))

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