【大学受験2025】新課程入試へ突入「注目ポイント」は…河合塾
2024年12月12日(木)19時45分 リセマム
共通テスト教科「情報I」の扱い
まず、大学入学共通テストに教科「情報」が初導入されることが大きな話題となっている。97%の国立大学と44%の公立大学が「情報」受験を必須とし、志望者は準備が求められる。一方、私立大学で必須とする大学はごくわずかにとどまる。
さらに新課程入試のスタートにも注目。2022年度から高校に導入された新しい教育課程を反映する初の入試となり、共通テストでは「情報」導入のほか、数学2と地歴公民に変更がある。さらに、国語の現代文に大問が追加され、説明書や契約書のような「実用的な文章」が出題されるかどうかにも関心が集まっている。河合塾の主席研究員である近藤治氏は、「教科『情報』の導入を除き、2025年入試の変更は限定的で、過度な心配は不要」とコメントしている。
大学・学部の注目ポイントとしては、情報系・理工系を中心に新たな学部が誕生することがあげられる。国の高度情報人材・理工系人材育成の方針を反映し、2025年度は情報系・理工系の学部が数多く誕生した。
一方、女子大の変革も見逃せない。女子の進路多様化にともない、人文系や家政系の学部が多い女子大の志望者が減少。この逆境を打開するために、理系や情報系学部の新設、共学化など、新たな取組みにチャレンジする女子大が増えているという。
志望動向に関しては、第3回全統共通テスト模試(10月実施)から、難関大学志向が強まっていることがわかる。東京大学、京都大学、北海道大学、東北大学、東京科学大学、一橋大学、名古屋大学、大阪大学、神戸大学、九州大学の10大学が特に注目されている。これには競争緩和が背景にあるとされる。
また、女子の理工系志向が鮮明になっている。国公立大学、私立大学ともに、女子枠の設置などを背景に、理工系を志望する女子受験生が増加している。特に「機械・航空系」や「土木・環境系」といった、これまで女子比率が少なかった分野への進出が目立っているという。
このように、2025年度の大学入試は新たな動きが多い。情報科目の導入や女子大の変革など、今後の動向が注目される。