不登校の子供を持つ親、頼りたい相手は配偶者…実態調査
2024年12月12日(木)9時45分 リセマム
不登校の子供がいる親がもっとも頼りたい人は「配偶者(パートナー)」
サイボウズ ソーシャルデザインラボは、2024年11月15日から20日にかけて、不登校や行き渋りの子供を持つ親1,000人を対象にしたアンケート調査を実施した。この調査は、不登校の実態を把握し、保護者に求められる支援やフリースクールなどの第3の居場所の検討傾向を探ることを目的としている。
文部科学省の最新調査によると、不登校の小中学生は昨年度34万6,482人で、11年連続で増加している。この背景には、学校と家庭だけにとどまらない不登校問題に対し、企業や自治体、教育機関、社会全体が取り組む必要があると考えられている。
調査結果によれば、親への支援でもっとも求められるのは「家庭や子供とのコミュニケーション」であることがわかった。子供が不登校になった理由を明言せず、親が把握できない傾向が背景にある。また、配偶者(パートナー)とのコミュニケーションも重要視されており、親としてもっとも頼りたい相手として半数以上が「配偶者(パートナー)」をあげた。
不登校や行き渋りの子供に対し、新たな居場所を検討したことがあるかを尋ねたところ、「検討していない」が40.6%で最多だった。検討した中では「フリースクール」が最多の20.7%で、ついで「習い事」や「教育支援センター」が続いた。「学びの多様化学校」は3.6%にとどまり、まだ新たな学び場の候補としてはあげられにくい状態であることがうかがえる。
新たな居場所に通ったことで、子供の不登校・行き渋りの傾向が「改善された」「改善傾向にある」と答えた人は68.5%に上った。一方で「悪化傾向にある」「悪化した」と答えた人は3.8%にとどまった。親は子供の意思を尊重し、子供自身が進んで通える環境であるかを重視したい傾向が強いことがわかる。
フリースクールの選択基準では「先生とスタッフの質」が最重視されており、価格や場所よりも、教育者への信頼や子供のサポート体制が重要視されることが明らかになった。
サイボウズ ソーシャルデザインラボは、フリースクール「サイボウズの楽校」を運営し、不登校の子供たちとその家庭を支援している。不登校が社会問題として注目される中、親への適切な支援を提供することが不可欠であるとし、今後も不登校に関する調査を続け、子供たちとその家族に寄り添いながら、支援の形や情報を発信していく方針だ。