電車立ち往生で「簡易トイレ」緊急設置 高崎の消防局に話を聞いてみた

2017年12月14日(木)11時21分 Jタウンネット

群馬県高崎市内で上信電鉄の電車が人身事故のため鉄橋上で立ち往生し、災害用簡易トイレが設置される事態になった。


高崎市等広域消防局が緊急対応したものだが、「そんなトイレがあるのか」とネット上で話題になっている。


「鉄橋上に止まり、事故処理に時間かかる恐れがあった」


ドアと反対側ドアの間の床に、シルバーと青緑色のツートンカラーの細長いテントのようなものが置かれている。これが簡易トイレだ。


上信電鉄48レ(人身事故当該)は電車がしばらく動くことが出来ず、車内で簡易トイレが組み立てられました。 pic.twitter.com/PXEsKJ7X46
- 群馬総合車両センター (@yuuyae233) 2017年12月11日

この写真は、上信電鉄を通学に使っているという「群馬総合車両センター」さんが2017年12月11日、ツイッター上に投稿した。


この日17時55分ごろ、上信電鉄・佐野のわたし—根小屋両駅間で上り普通電車(2両編成)に人身事故が起き、電車は、鳥川にかかる鉄橋上で緊急停止した。


高崎市等広域消防局の警防課にJタウンネットが13日に話を聞いたところでは、消防が現場に駆けつけ、隊員が約50人いた乗客に「ケガをした方はおられますか」と聞いて回った。


幸いケガ人はいなかったが、トイレへ行きたいと訴える人がいた。そこで、現場の指揮隊長の判断で、指揮車に備え付けてあった災害用簡易トイレを車内で組み立てた。


「電車にはトイレがなく、橋の上に止まっていて、事故処理に時間がかかる恐れがありました。車の中には、緊急時に隊員や困っている人が使う簡易トイレがあるので、今回初めて電車の中で使うことにしました」

こうした簡易トイレは、ほかの都道府県でも指揮車に備え付けてあるそうだが、電車の中で使われたケースはなかなか聞かないという。


電車は、現場に1時間20分ほど立ち往生した後、佐野のわたし駅まで走行して乗客を降ろした。簡易トイレは、最終的に使う人はいなかった。この人身事故では、電車が女性と衝突して、女性は死亡した。上下線6本が運休し、タクシーによる代替輸送が行われた。


便座にビニール袋を被せ、処理剤で固めて捨てる方式


簡易トイレの写真が投稿されると、ツイッター上では、「なんだこれ!初めて見たわ」などと驚く声が次々に上がった。


消防の機転を讃え、「車掌さん用にむしろ常備した方がいいのでは」との意見も出る一方、テントのようなトイレに入るのは抵抗があるとの声もあった。


高崎市等広域消防局によると、簡易トイレでは、テントの中に組み立て式の便座スタンドを置く。便座には、ナイロンのネットが張られており、その上にビニール袋を被せて、用を足した後は処理剤を入れて固める。ビニール袋ごと捨てるようになっており、次の人も同じ手順でトイレを使う。このトイレは、メーカーのニッソーファインが「スケットイレ」の商品名で出している。


上信電鉄の鉄道部は13日、Jタウンネットの取材に対し、こう話した。


「駅の間隔が短く、駅にトイレがありますので、車内にはトイレは設置していません。電車に非常階段を用意しており、事故のときなどはお客さまに降りていただいて駅まで送るようにしています。今回のように、お客さまが閉じ込められることはめったになく、簡易トイレを備え付けることは考えていません」

Jタウンネット

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