日本最古のビヤホール『銀座ライオン』で頼むべき絶品おつまみとは?

2022年12月16日(金)10時49分 食楽web


『銀座ライオン』で楽しめるおつまみメニューたち | 食楽web

●調査内容:日本最古のビヤホール『銀座ライオン』でおつまみを調査。ビールと相性抜群のおつまみを調べてみる

「今日は絶対に美味しいビールが飲みたい!」……そんなときに行きたくなるビヤホールですが、現存する日本最古のお店が『ビヤホールライオン 銀座七丁目店(以下、『銀座ライオン』)』です。

 1934年、大日本麦酒の本社として竣工されたビルの1階に開店したビヤホールで、以来、戦時中の空襲も免れ、終戦後、進駐軍専用のお店として接収されました。1952年に接収が解除され、再び一般の客も利用できるようになった歴史あるビヤホールです。言うに及ばず、現存する日本最古のビヤホールであり、そのビルは今年、登録有形文化財(建造物)にも指定されました。ビール好き、お酒好きなら必ず一度は行きたいビヤホールです。

 日本におけるビール文化の一端を担い続ける、そのビールの味わいは、他とは比べられないものですが、実はここ『銀座ライオン』はそれだけなく、おつまみも歴史深い絶品揃いとのこと。今回は、最高のビールとペアリングするに相応しい、この『銀座ライオン』のおつまみにフォーカス。実際にその味を確認しつつ、『銀座ライオン』広報担当・横田友佳さんにその秘密についても聞いてみました。

日本のビヤホールの歴史と、日本最古の店『銀座ライオン』とは!?


歴史を感じさせる店内にいると、まるでタイムスリップしたような錯覚に!

 冒頭でも少し触れた日本におけるビヤホール文化ですが、もう少し詳しく『銀座ライオン』横田さんに聞いてみました。

「1899年8月4日に日本初のビヤホール『恵比壽ビヤホール』ができました。わずか35坪ほどの広さの店舗でしたが、工場直送の出来立て生ビールの味わいが評判を呼び、1日1000リットルが売れる日もあったそうです。こういった歴史から、今日では当社の創業日である8月4日を『ビヤホールの日』と制定し、例年生ビール半額イベントなどを行っています」。


開店当時の様子。店内正面の圧巻の大型ガラスモザイク壁画は、80年以上に渡りお店を見守ってきたとのこと(食楽web)

「『銀座ライオン(『ビヤホールライオン 銀座七丁目店』)』は、1934年に建てられたものですが、戦時中多くのビヤホールが空襲を受けるなどし、閉店を余儀なくされていったなか、こういった影響を免れ、現在まで残るビヤホールとしては日本最古の店となります。こういった背景などから2022年2月には登録有形文化財(建造物)に登録されました。『後世まで残る日本を代表するビヤホールに』と想いを込めて作られた空間ですので、今もたくさんの方にご愛顧いただけて大変嬉しく思っております」(『銀座ライオン』横田さん)

伝統の一杯!「一度注ぎ」に込められたこだわり


『銀座ライオン』といえば、絶対外せない生ビール。黄金比が美しい

 そんな歴史ある『銀座ライオン』で欠かすことができない生ビールについても触れておかなければいけません。『銀座ライオン』では「一度注ぎ」がこだわりとのことです。

「一般的には、ビールの液体を注いでから泡を乗せることが多いのですが、当店では注ぎながら泡をつくる『一度注ぎ』にこだわっています。注ぎながらグラス内でビールを回転させることで、余分な炭酸ガスを抜き泡に雑味を閉じ込めることができ、すっきりとしたのど越しと苦みの少ないビールに仕上がります」(『銀座ライオン』横田さん)

 伝統の「一度注ぎ」ビールをいただくと、麦本来の軽やかな風味が一気に口の中に広がります。キリッとしたビールの味わいはしっかりありながらも、雑味が無く非常に飲みやすいクリアな味わい。ふわっと軽い泡の口当たりも最高で、ゴクゴクいけちゃう至極の一杯。横田さんによれば、「生ビールは苦手だけど、『銀座ライオン』のビールなら飲める」と言われることもあるそうですが、こんな逸話も妙に納得の味わいです。

ビヤホールの歴史とともに育まれたおつまみたち


試行錯誤を重ねて完成した自慢の逸品「ビヤホールの煮込み」1188円(税込)

 ここまでが日本におけるビヤホールの変遷、『銀座ライオン』のビールの味のこだわりですが、ここからは本題となる『銀座ライオン』のおつまみにフォーカスしていきます。

『銀座ライオン』では、おつまみを複数展開していますが、いずれも「ビールに合う」ことを前提としているとのこと。いくつかのメニューをいただいてみることにしました。

 まずは『銀座ライオン』の常連の多くが注文するという、定番の「ビヤホールの煮込み」。居酒屋の「煮込み」とは違う、どこか洋風な雰囲気を感じさせる味付け。プリプリとした食感の牛すじは、臭みはなく、濃厚な旨みを感じさせてくれます。煮込まれたスープにも旨みが染み出していて、ビールとの相性ピッタリの逸品でした。

「『生ビールに合うおつまみ』として考案され、歴代の調理長が代々研究して受け継がれてきたメニューです。牛すじを使用し、セミドライトマトと長ネギを合わせています。『ライオン』の一部店舗でご提供させていただいていますが、実は店舗によってレシピが異なります」(『銀座ライオン』横田さん)


「炒めスパゲティ ナポリタン」1518円(税込)。ナポリタンのお手本とも言えるような、ザ・王道な一皿

 続いて、往年の雰囲気を感じさせながら、ビールにも合いそうな「炒めスパゲティ ナポリタン」をいただきます。

 具材は玉ねぎ、ピーマン、マッシュルーム、ベーコン、そして赤ウインナー。モチモチの太めのスパゲッティと、こだわりのソースを合わせて炒められており、濃すぎずさっぱしりすぎない絶妙な味付け。上に乗せられた綺麗な目玉焼きと合わせていただくことで、さらに懐かしい味を楽しむことができました。

「『ライオン』の長い歴史の中で、お食事のニーズが増え、レストラン化が求められた時代もありました。そんな背景の中で、ナポリタンは、販売当時から研究を重ねてきたメニューで、今では『銀座ライオン』各店の定番メニューとなっています」(『銀座ライオン』横田さん)


妙にヤミツキになる「こんにゃくのピリ辛炒め」803円(税込)

 さらに、筆者が一番驚いたのがこちら「こんにゃくのピリ辛炒め」。ビヤホールでこんにゃく? と、正直意外だったのですが、通な方の間では人気のおつまみとのこと。

 いただいてみると、しょうゆベースの辛みタレで煮込まれたこんにゃくに、バター、七味が三位一体となり、絶妙の味わいです。「こんにゃくにこんな美味しい食べ方があったのか!」と目から鱗が落ちるほどで、ビールのおつまみにピッタリ。また、「ダイエット中だけど、おつまみ軽めに飲みたい〜」という際のチョイスにも良さそうです。

「知る人ぞ知る人気のおつまみで、リピートされる方が多いです。気軽にいただけながらも、他にはない味わいを楽しんでいただけると思います。私自身も大好きで、本当にビールによく合うメニューだと思います」(『銀座ライオン』横田さん)


開店当初から販売されているビヤホールの定番「ビヤホールソーセージ(2本)」990円(税込)

 最後は、「ビヤホールソーセージ」をいただきました。ビヤホールに行き、ソーセージをチョイスする人は筆者も含め多いと思いますが、実は日本でその草分けとなったのもまた『銀座ライオン』とのこと。

 開店当初より提供しているこの「ビヤホールソーセージ」は、パリッとした皮にナイフを入れると、ジューシーな肉汁が溢れてきます。かじってみると、スパイスが効いていて本格的な味わい。さっぱりとしたザワークラウトも相性ばっちり、ボリューミーでこちらもまたビールがグングン進んでしまいます。

「『ビヤホールソーセージ』は北海道産ポークを100%使用し、香ばしい肉本来の旨みでビールをより美味しく味わっていただける一品です。付け合わせをザワークラウトにし、ビールと合わせていただけるようご提供させていただいています」(『銀座ライオン』横田さん)

『銀座ライオン』のおつまみのこだわりの秘密とは!?

『銀座ライオン』では、今回食べたこれら絶品のおつまみのほかに、30種類以上のおつまみがあり、迷ってしまうほどの充実ぶりです。最後にメニューへの味のこだわりを横田さんに聞いてみました。

「『銀座ライオン』では、ほぼ全てのおつまみを『ビールに合う』ことを前提にしています。『ビヤホールソーセージ』を始め『ジャーマンポテト』、『カリーブルスト』など全てビヤホール風にアレンジを加えて販売しております。また、複数のお客さまがワイワイと賑やかにビールを楽しみながら、取り分けて食べることを想定し、ボリュームたっぷりになっています。

 一方、少人数のお客さまや、おつまみに量を求められないお客さまにもご対応すべく、ソーセージは1本単位でもオーダーできるようにしているほか、お1人さま用の少し小さなサイズでお出しできるメニューも多数ご用意しておりますので、ぜひビールとの相性をお楽しみいただけたらと思っております。『銀座ライオン』でビール、おつまみの味、雰囲気全てのビヤホール文化を楽しんでいただければ嬉しいですね」(『銀座ライオン』横田さん)

調査結果

 日本最古のビヤホールのおつまみを調査したら、日本のビール文化の一端に触れられただけでなく、今や定番のビールとソーセージの源流にもたどり着きました。長年の歳月をかけて、ビールに合うつまみを研究し産まれた『銀座ライオン』のおつまみ。一度は足を運んで、日本ビールの歴史に触れながら最高のペアリングを楽しんでみてはいかがでしょうか。

(撮影・文◎長岡ユミ・松田義人)

●SHOP INFO

店名:ビヤホールライオン 銀座七丁目店

住:東京都中央区銀座7丁目9-20 銀座ライオンビル1F
営:月・火・日祝11:30〜22:00(L.O.21:30)、水〜土・祝前11:30〜22:30(L.O.22:00)
休:なし

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