創業105年の町工場生まれの照明4種原型に忠実に、かつ現代の住空間に合わせ改良を復刻、名品を後世へ
2024年12月19日(木)9時0分 OVO[オーヴォ]
内装建材やリノベーションサービスなどを提供するウェブショップ「toolbox」(TOOLBOX・東京)は、同ショップが約11年間にわたり販売し、惜しまれつつも2022年に販売終了した笠松電機製作所(大阪府東大阪市)製造の照明4種類を復刻する。
復刻するのは、小ぶりなシェードが特徴の「レトロブラケットライト」、「レトロペンダントライト」、ガラスボールが印象的な「ボールアームライト」、「ガラスボール照明」。TOOLBOXが2011年に取り扱いを開始以降、年間約3000個を販売していた直付け照明器具とペンダント照明は、笠松電機製作所の電気照明器具事業撤退により販売終了していた。今回、同製作所の許諾を得て、可能な限り原型に忠実に、一から開発した。
今回復刻するのは、玄関灯としても、店舗の軒先灯としても人気の高かった外部用の照明2点と、ペンダントライト2点。製造元の笠松電機製作所は、主に工場用照明を手がけていた創業105年の東大阪の町工場。シンプルな形状で、どこかレトロな雰囲気も持ち合わせるデザインは、住宅のリノベーションでも新築でも、また店舗空間でも愛用されてきた。同製作所の電気照明器具製造業からの撤退後、復活を望む声を受けて、2024年2月29日に第1弾「工業系レセップ」を復刻発売。多くの反響を得た。今回は第2弾として、他社メーカーでは代替品が見つからないと判断した4種類の照明を復刻。一部、製造方法の変更によるサイズの微修正を行い、従来の1万円台前半という手頃な価格を維持するため、台座部分などのパーツ製造方法を変更している。
ペンダント照明については、標準コード長を従来の1.5メートルから1メートルに変更し、最大4メートルまで1センチ単位でオーダーできるようにした。これにより、階段ホールなど吹き抜け空間での長めの設置や、キッチンカウンター上での連灯演出がしやすくなっている。外部用「レトロブラケットライト」のシェードは、従来のスチール製からサビに強いアルミ製に変更。耐久性が向上したことで、より長く使用できる。
今回の復刻プロジェクトの背景には、後継者不足や職人の高齢化による事業撤退・廃業の増加がある。TOOLBOXは、今後少しでも多くの優れた名品を世に残すすべの一つとして、この復刻プロジェクトを進めていくという。