一体どんな味? オーストラリアで食べた「カンガルーの尻尾」が衝撃的すぎた【豪州珍食紀行】

2023年12月20日(水)10時48分 食楽web


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●世界の珍食材に詳しい吉田誠氏が、オーストラリアで出会った絶品&珍グルメをレポートします。

 前回、幻の天然スイーツ「ミツツボアリ」を食べるために向かったオーストラリア大陸。今回は、現地で出会ったその他の珍グルメをご紹介したいと思います。

 シドニー空港からタクシーで30分ほど走ると、南半球最大の魚市場である「シドニー・フィッシュ・マーケット」に到着します。


シドニー・フィッシュ・マーケット

 魚の競りも行われていますが、一般客が入れるエリアもあり、観光客向けに様々な魚介類が売られているのです。日本では見かけない魚種も多く、ブラリと見て回るだけでも十分楽しめるスポットです。


さまざまな魚が売られている

 この市場では、並んでいる魚介類を注文してその場で食べることができるというので、筆者も体験してみました。

 今回は「Mud Crab」こと、「ノコギリガザミ(マングローブクラブ)」を選択。ワクワクしながら20分程待つと、湯気が立ち上る出来立ての皿を渡されます。


甲羅の側面にある、ギザギザの突起が特徴的なノコギリガザミ(調理前)

 大型種のカニなので、身がたっぷり。味が濃くて旨い! 特にハサミの部分の身がうま味が強く、凡庸な表現ですが「絶品!」と叫んでしまいました。殻のすみずみまで吸いつくしたいほどの旨さです。


ノコギリガザミ 調理後。殻はすごく硬いが、身は絶品

 さてこのフィッシュマーケット、新鮮な魚介類は言うに及ばず、市場の外に出ると見かける日本で見ない鳥たちがまた面白い。例えば、トキの仲間やペリカンなどが普通にうろついているのです。日本ではまず考えられない光景に、オーストラリア大陸に来た実感を味わえます。


ギンカモメに混じって魚のおこぼれを狙うペリカン

西オーストラリア州でカンガルーの尻尾を食べる


アルミホイルに包まれたカンガルーの尻尾

 さて、その後、西オーストラリア州に移動した筆者。ランチ時、アボリジニのガイドさんが焚き火を起こし、何かを焼きはじめました。アルミホイルで蒸し焼き? 一体何を……?

 その正体は「カンガルーの尻尾」(!)。アルミホイルを外すと、まるで象の鼻のような質感の尻尾が、見事にこんがり焼き上がっていました。

 こわごわ食べてみると、脂っぽいゼラチン質であまり味がなく、率直に言って美味しくない。さらに少し焦げていたこともあり、焦げと味のなさに閉口……。とはいえ、出された食事は残さず食べる主義の筆者(体重110kg)。ありがたく、自分の分はすべて食べきりました。


蒸し焼きにされたカンガルーの尻尾

 オーストラリアにはもうひとつ、超有名な食用昆虫があります。それはウィチティ・グラブ(Witchetty Grubs)です。ウィチティ・グラブは蛾の幼虫。木の根っこを食べるので、木の根っこの膨らんだポイントを探すと見つかります。


ウィチティ・グラブが好む樹木。地面を掘る必要がある

 さて、ウィチティ・グラブの味はどうか。シンプルに炙ったグラブは、甘みが感じられ、スイートコーンの味に近いものがありました。コクがあるというよりストレートな甘みと旨さで、少量でもなかなかの食べがい。

 一匹しか採れなかったので、私は頭側を食べましたが、尻尾側を食べた同行者によれば、「スクランブルエッグのような感じ」とのこと。なんとも不思議な食べ物です。

 旅先でしか味わえない食材はたくさんありますが、ミツツボアリやウィチティ・グラブ、カンガルーの尻尾など、普通の旅行では食べられないものも、下調べをして少し足を伸ばせば堪能できることがわかりました。未知なる食べ物に出会うためのグルメ旅、ちょっとクセになりそうです。

●著者プロフィール

吉田誠
NPO法人食用昆虫科学研究会理事。 キノコ狩り、釣り、ダイビング、水族館巡り、ガジェット収集とかいろいろやってます。東京都ふぐ取扱責任者免許を取り、さらなる趣味の世界を広げ中。

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