「カラス清掃員部隊」が公園の吸い殻やゴミ拾い! 類まれなる思考力で“巨大テーマパーク”をピカピカに=仏

2022年12月19日(月)17時0分 tocana

 今週末はいよいよクリスマス! 今夜20時から放送される「世界まる見え!テレビ特捜部」(日本テレビ系列)は、”クリスマスSP”と題してフランスのディズニーランドに密着取材を敢行。クリスマスシーズン限定のメニューやパレードのリハーサルなど、貴重な舞台裏が明らかになる。


 そして、フランス国内でディズニーランドに次ぐ人気を誇るテーマパークとして親しまれているのが、ヴァンデ県にある「ピュイ・ド・フー」だ。東京ドーム約11個分に相当する園内には、中世をテーマにした村が点在しており、それぞれの村ごとに行われるショーが名物になっている。過去にトカナでは、この広大な敷地内をきれいに保つために、特別に訓練されたカラスが清掃部隊として活躍しているという記事を掲載している。いつの日か、ゴミの拾い方をカラスに教わるといったことにならないように、自戒の念を込めて2018年9月の記事を再掲する。


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※こちらの記事は2018年9月7日の記事を再掲しています。


 人が集まる場所には必ずゴミもたまる。イベント会場などでゴミを拾う人たちを称賛するニュースが記憶に新しいが、今回はそんなゴミの処理に関する話題をお届けしたい。8月11日付の「Mirror」と8月17日付の「New York Times」で報じられたニュースを元にご紹介しよう。


■広大な敷地内を飛んで掃除致します!?


 外出先で飲食した後の容器、タバコの吸い殻や一般ゴミを拾うよう特別に訓練されたある生物がフランスのテーマパークで業務を開始しているようだ。その生物とは、私たち人間を驚かせるほどの賢さを備えたカラスだ。


 今回カラスたちに掃除をさせてみようと試みたのはフランス中西部のヴァンデ県にある、大型テーマパーク、ピュイ・ド・フー(ピュイ・デュ・フーとも呼ばれる)だ。


 この施設は、例年4月から9月(2018年は11月)までの期間限定で開園する年間200万人以上が訪れる場所であり、パリのディズニーランドに次いでフランス国内2位の人気を誇るテーマパークである。


 東京ドーム約11個分の敷地内に中世をテーマにした村が点在し、その村ごとにショーが行われるのだが、その広大な敷地内でカラスたちがゴミを拾うのだ。彼らがタバコの吸い殻やゴミを拾うごとに、エサの入った小さな箱からエサを取り出して食べられるのだという。


 テーマパークの責任者である、ニコラ・ド・ヴィリエ氏は「私たちの目的は園内をきれいにするだけではなく、彼らの姿を見てここを訪れる人々にも園内を綺麗に保つことを改めて学んでほしいのです」と話す。


■お掃除精鋭部隊はどのようにしてできたのか!?


 ではなぜ、カラスたちがこのような活躍をすることになったのか。カラスが賢いことはすでに広く知られているが、科学者たちによって、彼らが想像のはるか上を行く知性を持ち合わせ、道具まで使え、複雑な問題をも解決する柔軟な思考力があることが実証されている。また、人間の顔を覚えたり、自らの群れの中でコミュニケーションを取ることが可能である点について、科学者たちは興味をかき立てられているようだ。



 2014年に放送され人気を博した動物の頭脳や能力などを観察する番組「Inside the Animal Mind」(BBC)で出演者のクリス・パッカム氏が、カラスの能力を測定する8つの複雑なテストを考案したアレックス・テイラー博士と共に、ブランと名付けられたカラスに対してテストを行った。ブランが全てのテストをこなす姿を見てパッカム氏は驚きながらもその能力を高く評価した。


 パッカム氏が現在も出演を続ける野生動物の生態を観察、検証する番組「Springwatch」(同)ではカラスがゴミを拾うなどの労働作業ができるようになるための訓練が可能かの実験を行った。その結果、カラスはそれらの業務に適しているという判断が下されたのだ。現在はカラスがゴミを拾う日の朝に、園内で彼らを育て訓練した専門家のクリストフ・ガボリ氏が、訪れる人々に見えるようカラスとエサ箱をテーマパーク入り口にセットする。


 カラスたちを園内で見ることができるのは週4日だが、その理由についてヴィリエ氏は「カラスを清掃マシーンにしたいわけではないのです。彼らは働きすぎると遊ぶのをやめてしまいますからね」と話す。


 さらにカラスを働かせるという行為については、労働者を敬い政府への抗議デモが頻繁に行われるフランスの労働組合を引き合いに出し「カラスも我々と同じフランス国籍だから労働組合には気をつけないとね」と笑いながら語る。


 ヴィリエ氏の言葉は単なる冗談かもしれないが、この清掃部隊を本格的に拡大するかどうかという段階にあることについて、米・ワシントン大学で野生生物学を教えカラスの生態の多くを知るジョン・マーツラフ教授は、「鳥たちに人間のゴミ清掃を押し付けるのは間違っています。私たちは自分でゴミを拾えるのですよ」と話す。


 いつの日か、ゴミの拾い方をカラスに教わるなどということがないように、自らのゴミは責任を持って処理しようとこれらの記事を読んで改めて思う。


参考:「Mirror」、「New York Times」、ほか

tocana

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