JR呉線の復旧に、1000人が笑顔で手を振った― 「おかえり呉線プロジェクト」主催者の思いは

2018年12月21日(金)12時0分 Jタウンネット

広島県内を走るJR呉線が、2018年12月15日、約5か月ぶりに全線復旧した。7月に起きた西日本豪雨災害の影響で、不通が続いていた。


全線復旧の当日、沿線には「ありがとう」「おかえり」と手を振るたくさんの人々の姿があった。実は、地元の有志が企画した「おかえり呉線プロジェクト」で、1000人超の地元民が参加していた。


プロジェクトのスタッフが車内からその様子を撮影、19日に4分45秒の動画にしてYoutube上で公開した。「おかえり呉線プロジェクト」のツイッターには「個人の企画でJR西日本、沿線自治体とは関係ありません」とあるが、1000人以上もが参加した一大イベントはどうやって生まれたのだろう。


Jタウンネットは19日、この企画を立ち上げたメンバーに取材した。


呉線沿線は人があたたかい


取材に応じてくれたのは、呉市在住の高本理絵さん。プロジェクトメンバーは3人で、全員、大学が九州ということから、JR九州が11年の九州新幹線全線開通時に行なった「祝!九州」のCM動画に思い入れがあった。そこで今回、呉線の全線再開に合わせて同じようにできたらいいなと話していたという。


「復旧に携わってくださった方に感謝を伝えたい。そして土砂災害じゃない本来の呉線の風景を全国にお伝えしたいという目的で始めました。実際に動き始めたのは11月ごろです」

今回の企画は、ブログやツイッター、フェイスブックを基本に広めるほか、友人に声をかけたり、三原から海田市まで直接行ってチラシを配ったりもした。


「沿線で『このへん撮りたいなぁ』と思ったお店や知人宅にいきなり行ってお願いしたこともありました。自分では完全に不審者だなと思っていましたが、みなさん優しく受け入れてくださいました。呉線沿線はあたたかい所だなぁと改めて思っています」

また、準備期間中にプロジェクトの活動を知った地元のテレビや新聞の取材を受けたこともあり、それを見て参加した人も多かったようだと高木さんは言う。


「正直、1000人を超える方にご協力いただけるとは思っておらず、終わった時点でびっくりしました。ひとまず無事に終わり、動画をアップできてほっとしています。沿線の皆さんが笑顔になってくれて、それがとても嬉しかった。 みなさん、いろんな思いで参加され、いろんな思いで動画を見てくださっていますので、やって良かったです」

企画にあたっては、事故やトラブルが起こらないよう各所へ相談に行ったり、参加者を募る際にたびたび注意事項を周知してきたりしたそうだ。


動画にのせられた楽曲は、呉市出身のシンガーソングライターが提供した。スタッフが「一目惚れならぬ、一聴き惚れ」した曲だという。


ネット上では、動画を見た人たちから「応援する地元の方々を見て、胸が熱くなりました」「感動しました。ありがとう!」などの声が挙がっている。ぜひ、音楽とともに地元民の想いがギュッと詰まった動画を見ていただきたい。

Jタウンネット

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