「浮気を疑うのをやめられない……」疑い癖を直す方法はある?【 精神科医が解説】

2024年12月22日(日)20時45分 All About

【精神科医が回答】パートナーの浮気が心配で、相手を疑ってしまうことはありませんか? あまりに不安が強く、相手を問い詰めるような状態が続くと、本人も相手も疲弊してしまいます。思考の癖の原因と、見直し方のポイントを解説します。

Q. 浮気を疑ってしまう癖をやめたいです。何か方法は?

Q. 「彼氏が浮気しているんじゃないかと、いつも不安でたまりません。昔の彼に浮気されたことがあるせいか、浮気されている気配や証拠もないのに、どうしても疑う気持ちが消せないのです。精神的にも疲弊してしまうので、疑うのをすっぱりとやめたいのですが、いったいどうすればいいのでしょうか?」

A. まずは、一人で抱え込まないこと。「身近な第三者」の意見を聞いて

恋人でも夫婦関係でも、プライベートで親密な付き合いは、本来、心に深い安心感をもたらしてくれるものです。しかしその反面、何かのきっかけで不安や不満などの否定的な感情が生まれてしまうと、相手に対して気持ちのコントロールができなくなってしまうことがあります。
浮気を疑う気持ちから生じる精神医学的な問題と、気持ちのコントロール法について、アドバイスできればと思います。
いま、不安な気持ちがあるなら、まずは「本当に浮気されているのか」を、できる限りはっきりさせることが第一です。もし本当に浮気されているのなら、不安やつらさは当然の感情です。相手との関係を考え直すなど、根本的な解決法を考えなくてはなりません。
しかし、質問者の方がご自身でも書かれているように、実際には浮気の事実がないかもしれません。その場合は、疑ってしまう気持ちに対しての精神的なケアと、適切な対処が必要です。
過去のパートナーの浮気が一種の「トラウマ体験」になった場合、「男性(女性)は浮気をするものだ」といった強い思い込みが根付いてしまうこともあります。また、そういった体験がなくても、猜疑心(さいぎしん)が強めな性格や、自分にあまり自信が持てないといった心理傾向によって、思考が偏ることもあります。
こうした思考や心理の問題は、自分一人では問題に気付きにくく、解決が難しいものです。不安を解消するために、たばこやアルコール、買い物などで発散させてしまう人もいますが、別の問題を増やすことにもつながります。間違った解消法は避けるべきです。
不安な思考の悪循環から抜け出せないと感じたら、大切なのは「一人で抱え込まないこと」です。身近な信頼できる人に相談してみましょう。「そもそも本当に浮気していないだろうか?」ということも、第三者の客観的な意見を聞くことで安心でき、解決の糸口が見つかるかもしれません。
不安な気持ちからくる深刻なストレスは、うつ病など心の病気のきっかけになることもあります。心の健康を守るためにも、必要と感じたら周りの人に助けを求め、違った視点で考える癖をつけていくことが、解決の一歩になるはずです。

中嶋 泰憲プロフィール

千葉県内の精神病院に勤務する医師。慶応大学医学部卒業後、カリフォルニア大学バークレー校などに留学。留学中に自身も精神的な辛さを感じたことを機に、現代人の心の健康管理の重要性を感じ、精神病院の現場から、毎日の心の健康管理に役立つ情報発信を行っている。
(文:中嶋 泰憲(医師))

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