日本人外交官が語ったミャンマーでの怪奇現象!恐怖の音は「ナッ」の仕業なのか

2024年12月22日(日)16時0分 tocana


 近年、日本企業の新たな投資先としても注目を集めるミャンマー。国民の多くが仏教を信仰するこの国だが、現地に赴任したことのある外交官は、「実はオカルト現象が多い国でもあるんです」と語る。「特に、仏教伝来以前から『ナッ』と呼ばれる精霊の信仰があって、実際に私も……」という彼が明かした、世にも不思議な体験の一部始終を紹介しよう。


■ミャンマーへの赴任

 今回話を聞いた外交官Aが赴任した当時、ミャンマーはまだ世界の最貧国の一つで、新首都ネピドーにも電気や水道の行き渡っていない場所がほとんどだったという。


「在留日本人たちは、地元に何軒もない高級ホテルが経営する『サービス・ハウス』という施設に入居することが多かったんです。これは一種の集合住宅で、日本のマンションにも似ていますが、経営主体がホテルなので、掃除などのサービスはもちろん、水や電気もホテル側が責任をもって提供してくれる。治安上も問題が少なく、当時のミャンマーにしては比較的快適な生活が送れる施設だったはずなのですが……」


外交官Aは、前任者が住んでいた4階の部屋を引き継いで入居したらしい。


■次々と不思議な現象が!

 ところが、それから奇妙な経験が始まった。外交官Aは、昔から寝つきの良い方だったが、入居したその夜から熟睡できなくなってしまったのだ。


「特に騒々しいとか、室内が暑いとかいう問題があるわけでもないのに、眠りが浅く、すぐに眼が覚めてしまうんです。最初は、新しい環境で緊張しているのかと考えましたが、何カ月経っても状況は変わらない。とはいえ、他に支障があるわけでもなかったので、そのまま我慢して住み続けていました」


 そしてある夜のこと、やはり眠れずにいる彼は、ある体験をする。


「どこからともなく、石のテーブルの上にコインが落ちるような金属質の高い音が聞こえたんです。その音は一度きりで収まったのですが、しばらく経ったころ、今度は別の音が聞こえました。それは、何やら粘土のようなやわらかいものが落ちて、ひしゃげるような歪んだ音でした」


 彼は不思議に思ったが、この音の原因を特定することはできなかったという。


■前任者が明かした事実

 同じく外交官で、かつてミャンマーに赴任していた前任者Bから電話がかかってきたのは、その数日後だったという。部屋を引き継いだ関係上、少しは責任を感じて後任の様子を確かめようとしたらしい。


B「どうだい、住みごごちは。何か支障はないかい」


 前任者から聞かれた外交官は、ついこう口走ってしまった。


A「特に支障ありませんよ。一つのことを除けば」


 すると、電話口の前任者の口調が変わった。


B「一つのこと? なんだいそれは」


 行きがかり上、外交官は夜寝付けないこと、そして2回にわたり奇妙な音を聞いたことなどを告げた。すると驚いたことに、前任者はこう返したという。


B「心配いらないよ。そいつは悪い奴じゃない」


 これには外交官も面食らったようだ。


A「どうして悪い奴じゃないとわかるんですか」


B「ああ、以前専門の人間に見てもらったことがあるんだ」


 電話の内容について外交官Aは、次のように振り返る。


「どうやら前任者もなんらかの怪現象に見舞われ、精霊と交信できるという人物に調査を頼んだことがあるらしかったのです。ただそんなことを言われた後も、他に適当な住居もなかったので、結局不眠を我慢して、離任までこの建物に住み続けましたよ」


■やってきた部下は……

 しかし、彼のような外交官ばかりではなかったようだ。あるとき、新しい部下Dが着任し、彼と同じフロアの別の部屋に入居した。部下Dの赴任から数日後、気遣って尋ねてみたという。


A「日本から新しい国へ来て、いろいろ戸惑うことも多いだろうけど、住まいの方はどうだい。何か問題はないかい」


D「特に問題はないです。一つのことを除けば」


 まさかと思い、彼は聞き返した。


A「一つのこと、なんだいそれは」


 すると返ってきたのは予想通りの答えだった。


D「私は昔から寝つきの良い方なんですが、今の家に移ってからずっと熟睡できないんです」


 外交官Aはこの時の会話を次のように振り返る。


「あの時、前任者との会話を部下に話すことができなかったんです。告げようか迷ったんですが、怖がらせると感じて躊躇してしまった。でも結局、部下は数ヵ月後に別の建物に引越してしまいましたよ」


 いかがだっただろう。「不眠症状」や「謎の音」は、果たしてミャンマーの精霊「ナッ」の仕業だったのだろうか。今回の外交官の体験談以外にも、他にも東南アジア各国に伝わる怪奇現象は枚挙にいとまがない。


 フィリピンの心霊治療、カンボジアのアンコール遺跡にまつわる不思議など、日本で広く知られているものも多いが、インドネシアのバリ島には、独特の魔術が伝わっているし、マレーシアやラオスなどでは、地元民が「ナーガ」(龍のような怪獣を意味する)と呼ぶUMAの存在が囁かれている。第二次世界大戦中、日本人による目撃談もあるほどだ。さらにタイのメコン川では、「ナーガ・ファイヤー・ボール」と呼ばれる、正体不明の火の玉が目撃されるなどしている。


 日本人の旅行先として、常に高い人気を誇る東南アジア。地元住民の間で囁かれる、このような不思議な現象の数々に着目しながら現地を巡ってみるのも、また興味深い旅となるのではないだろうか。


 


※当記事は2014年の記事を再編集して掲載しています。

tocana

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