2018年になされた考古学と歴史に関する10の大発見

12月26日(水)20時30分 カラパイア

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 2018年は世界中で重要な考古学上の発見がなされた年だった。

 専門家やアマチュア考古学がなしとげた画期的な発見のおかげで、我々人類の歴史への理解はいっそう進んだ。以下では、今年成し遂げらた考古学と歴史に関する10の大発見を振り返ってみよう。

・10. ナチスの新型Uボート(デンマーク)

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image credit:Nature

 4月、北海とスカゲラク海峡に沈んでいる難破船の位置をマップ化するというプロジェクトの作業中、デンマーク最北端の町スカーゲンから北に17キロのところでナチスのUボートが発見された。

 大戦中1165隻が建造されたUボートは、数あるナチスの兵器の中でも特に恐れられており、連合国側海軍の損失の7割がこれによるものとされている。

 そのUボートでもナチスの科学技術のすべてが注ぎ込まれたとされるのがXXI型。118隻が作られたが、実際には2隻しか就航しなかった。

 発見されたものはXXI型のU-3523で、ドイツが降伏した翌日の1945年5月5日に英国の爆撃機によって撃沈されたものだと考えられている。


・9. 世界最古の絵画

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image credit:Proceedings of the National Academy of Sciences

 南アフリカ南部にある海岸洞窟で人類が描いたものとして世界最古の絵画が発見された。どことなくハッシュタグを思わせるデザインで、7万3000年前のものと推定されている。

 発見地のブロンボス洞窟は、ケープタウンから東に290キロの地点にある。今から10万年前には狩猟採取民が暮らしていた場所で、彼らは絵画以外にも貝殻のビーズや石器などにも色を塗っていたようだ。


・8. 農業が行われる前の世界最古のパン(ヨルダン)

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image credit:.thevintagenews

 これまでパンは農業の副産物であり、紀元前8000年以前に存在するはずがないと考えられていた。しかし、1万4400年前に焼かれたパンが発見されたことで、農業に関する常識は覆された。

 7月、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンやケンブリッジ大学などの研究チームの解析によって、ヨルダン北東部に広がるブラックデザートのShubayqa I遺跡からパンのかけらが確認された。

 それは4000年後にトルコやヨーロッパ各地で作られるようになったパンにもよく似ていている、非常に品質の高いものだ。ここで暮らしていたとされるナトゥーフ人は狩猟採取民であったため、本当に彼らにそれほど高品質なパンを作れる技術があったのかどうか議論がある。


・7. 十字軍時代の金貨(イスラエル)

image credit:Breaking News

 2018年12月、イスラエル、カイサリアで900年前の非常に珍しい金貨が発見された。もともとは1101年の十字軍がやって来る直前に逃げた裕福な家族のものだったのではないかと推測されている。

 貴重な金貨24枚は、1.5メートルの井戸の下にあった。石の間に置かれており、状況から考えると、所有者は慌てて隠したらしいことが窺える。

 1101年5月、カイサリアは、十字軍の指導者の1人で、後に初代エルサレム王となったボードゥアン1世の軍勢によって陥落。住人のほぼ全員が殺されるか、奴隷にされるかした。


・6. 首のないポンペイの男(イタリア)

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image credit:Parco Archeologico di Pompei

 79年夏、ヴェスヴィオ火山が噴火。当時1万人が暮らしていたローマのポンペイは、一夜にして火山灰に埋もれてしまった。ポンペイが再び日の目を見るのは18世紀になってのことで、以降芸術家や歴史家の双方にインスピレーションを与え続けている。

 5月に行われた発掘調査では、首のない男性の白骨死体が発見された。

 当初、この男性は、頭上から落ちてきた大きな石に潰されて命を落としたと推測されていた。しかし、その後にすぐそばから口を開けた頭蓋骨が発見され、潰されたのではなく、噴火によって生じた熱いガスによる窒息が死因であると考えられるようになった。

・古代都市ポンペイが迎えた運命の日。ヴェスヴィオ火山が噴火したその瞬間の様子を再現した迫力の3Dアニメーション : カラパイア


・5. 青歯王の財宝(ドイツ)

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image credit:Rocks Cousteau

 バイキング時代のスカンジナビアの指導者といえば、「青歯王」の異名で知られるデンマーク王ハーレル1世の名がまず挙がるだろう。デンマークの部族を統一し、ノルウェーやドイツと戦い、キリスト教を普及させた功績で知られる王で、通信規格のブルートゥースは彼の名にちなんでいる。

 1月、アマチュア考古学者がドイツ、リューゲン島を金属探知機で調査していたところ、銀の破片が発見された。

 専門家の協力を得てさらに発掘を続けると、ネックレス、真珠、指輪、銀貨600枚以上など、ハーレル王ゆかりの品々が発見された。なんと北欧神話の主神の1柱、トールの槌まで発見されている。


・4. 曹操の遺体(中国)

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image credit:Henan Provincial Institute of Cultural Heritage and Archaeology

 三国志に登場する曹操は、中国史でもひときわ有名な人物だろう。後漢滅亡後の戦乱を戦い、魏呉蜀の三国のうちで最大の勢力を誇った魏の礎を築いたが、天下を統一する志半ばにして病没した英雄だ。

 覇王曹操の墓が発見されたのは2009年12月のこと。しかし遺体はなかなか発見されず、ようやう今年の4月になって見つけることができた。大きな霊廟で発見された遺体は60代の成人男性のものであると確認されており、おそらくは曹操のものだろうと考えられている。

 伝説によると、曹操は盗掘者によって死後の眠りが妨げられることを嫌い、本物の墓のほかにおとりとして71の墓を作ったという。


・3. 新しいナスカの地上絵(ペルー)

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image credit:JOHNY ISLA

 ナスカの地上絵は謎めいている。クモ、ハチドリ、サルなどの動物や不可思議な幾何学模様などが描かれているが、それらはあまりの巨大さに空からでしか全貌を確認することができない。

 古代ペルー人がこのようなものを描いた理由は、現在も分からないままだ。

 4月、50点もの地上絵が新たに発見された。

 その一部はBC500年からAD200年まで遡れるらしく、ナスカ人によって地上絵が描かれる数世紀前に、一帯で暮らしていた人間たちが巨大な地上絵の作成を試みていたことが示唆されている。


・2. 世界最古の無傷の船(黒海)

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image credit:Black Sea Maritime Archaeology Project (MAP)

 10月、黒海の底から完全な古代の船が発見された。それは2400年前に沈んだものであるが、1.9キロの水中という酸素が乏しい環境にあったために、ほぼその当時のままの姿で残されていた。

 船は古代ギリシャの商船だと考えられており、古代ギリシャの花瓶「セイレーンの壺(Siren Vase)」に描かれている船にそっくりである。

 なおこの壺は船と同時代のもので、セイレーンの歌声に抵抗するために、自分の体を船のマストに縛り付けたオデュッセウスが描かれている。


・1. 4400年前の古墳(エジプト)

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image credit:thevintagenews

 12月15日、エジプト考古学省がサッカラの地下5メートルのところで墓を発見したと発表。サッカラはカイロから南に30キロの地点にあり、古代の埋葬地としていくつものピラミッドが建てられた場所だ。

 墓は4400年前のもので、盗掘や破壊の形跡はない。内部も非常によく保存されており、大きな壁は壁画や彫刻、碑文などに覆われていた。

 象形文字から埋葬された人物が、古代エジプト第5王朝を治めたネフェリルカラー王に仕えたワフティ(Wahtye)という高僧であることが分かっている。またワフティの妻Weret Ptahや母Merit Meenも埋葬されていた。

References:10 Extraordinary Archaeology Finds of 2018 From Around the World/ written by hiroching / edited by parumo

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