「夕張まで45km」示す標識が完全水没 何故こうなった?国交省に聞く
2023年12月27日(水)18時0分 Jタウンネット
突然だが、皆さんに見ていただきたい写真がある。
こちらはXユーザーのエスハイ(@esuhai1991p)さんが2023年12月10日にポストした1枚。灰色の水面が広がる湖を捉えたものだ。
その中央あたりに、エスハイさんは赤い丸をつけている。そこに何があるのかというと......。
標識だ!
どうして......水の中に......?
標識が水没してしまった理由
18日、Jタウンネット記者が投稿者・エスハイさんに聞いたところ、話題の写真は10日に北海道三笠市にある桂沢大橋(旧橋)を撮影したもの。標識の真下まで水が来ているため見えないが、これは欄干に付けられたものなのだ。
桂沢大橋(旧橋)は桂沢ダムの完成によりできた人造湖を横断しており、19日に取材に応じた国土交通省北海道開発局・幾春別川ダム建設事業所の稲垣達弘副長によると、現在一時的に水位が上昇中。その影響で、橋も標識も水没している。
というのも、桂沢ダムでは、貯水容量の増大のために堤体を嵩上げし「新桂沢ダム」とするための再開発工事を実施中。24年春に予定されている本格運用を前に、23年11月11日からはダムの安全性を検証するための「試験湛水」を行い、貯水位を上昇・降下させているのだ。
「洪水などで満水にならない限りは、旧・桂沢大橋が水没するほど水が貯まることはありません。現在は一時的に試験的に水が高くなっているので、水没しています」(稲垣さん)
桂沢大橋(旧橋)は標識も含めて今後撤去される予定。撤去より試験湛水を優先させたために出来た「一時的に見られる光景」だという。
なお、新桂沢ダムは話題の写真が撮影された5日後の15日、最高水位に到達。現在は水位を降下させる期間に入っている。