【医師監修】赤ちゃんは耳掃除していいの? 注意点とケアのコツ

12月27日(金)11時1分 マイナビウーマン子育て

赤ちゃんの耳掃除、家でやってもいいのか、耳鼻科に行くべきか、多くのママが迷うところですね。ここでは赤ちゃんの耳掃除について、やり方と注意点、毎日のケアと合わせて気をつけたい耳の病気について紹介します。

この記事の監修ドクター 梁 尚弘先生 りょうキッズクリニック(埼玉県所沢市)院長。平成10年順天堂大学卒業後、日本大学小児科研修医、沼津市立病院小児科、横須賀市立市民病院小児科、日本大学小児科助教、瀬戸病院小児科医長を経て現在に至る。小児科専門医。

そもそも赤ちゃんは耳掃除していいの?

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赤ちゃんは家で耳掃除をしていいのでしょうか? また耳掃除のために耳鼻科に行くべきなのか、気になる耳のケアについてまとめました。

耳の入り口や周りをやさしくぬぐうのはOK

赤ちゃんの耳掃除は、綿棒や耳かきを入れて行う必要はありません。子どもの耳の中の皮膚は薄く、綿棒を入れることで傷つけてしまうことがあります。それにかえって耳垢を押し込んでしまうこともあるので、綿棒を耳の中にまで入れて掃除をするのはやめましょう。

そもそも耳垢は単なる汚れではなく、耳を守る役割があります。また、耳の中の皮膚は鼓膜から入り口側に向かって毎日少しづつ移動していくようになっており、耳垢は何もしなくても自然に耳の奥から外へ押し出されていくようになっています。そのため、お家での耳掃除は「耳の入口まで出てきた耳垢をきれいにすること」と捉えて、耳の入口や周りをきれいにしてあげるだけに留めましょう。

このように、基本的には自然に排出される耳垢ですが、それでも小さな子はたまりやすい傾向にあります。もし奥の方に耳垢が詰まっているのを見つけたら、耳鼻科で処置してもらいましょう。耳鼻科で耳垢を取ることは健康保険が適用される診療です。たまる期間やたまりやすいかどうかは個人差があるので、気になった時に受診して、頻度を相談してみると良いでしょう。

赤ちゃんの耳掃除のやり方

それでは、家庭で行う耳掃除のやり方を見ていきましょう。

(1)まず、綿棒はベビー用を用意します。赤ちゃんの小さな耳に入りやすく、皮膚を傷つけにくくなっているからです。(2)綿棒は鉛筆を持つように軸の中央あたりを持ちましょう。(3)赤ちゃんの頭をしっかり抑えて、耳の入口の汚れが見える部分だけを、1〜2回、綿棒を回してやさしくぬぐって完了です。

※耳垢がカサカサで粉っぽい場合や、汚れがとりづらい場合は綿棒にベビーオイルやワセリンをつけるととれやすくなります。耳介の内側はガーゼを使ってやさしくぬぐいます。耳の裏側も入浴時などにぬぐってあげましょう。「きれいになって気持ちいいね」などと声掛けしながら行ってみてください。

赤ちゃんの耳掃除の注意点

赤ちゃんの耳掃除にあたって、気をつけたいことは以下の点です。

綿棒は耳の奥まで入れない

すでに紹介したとおり、耳垢は自然に排出されるものです。綿棒を奥まで入れると、耳垢を奥に追いやることになり、かえって耳垢が溜まってしまうこともあります。

綿棒は軸の真ん中あたりを持つ

綿棒は軸の真ん中を持つことで、耳の中を見るときに指が邪魔にならず、かつ赤ちゃんが急に動いてしまった場合に綿棒が奥まで入るのを防ぐことができます。実際に耳の入口に入れるのは、丸くなっている綿棒の先の部分(先端から1cm程度)だけにしましょう。

耳に水が入っても綿棒でとろうとしない

沐浴で耳に水が入ってしまったとき、綿棒で水をふきとる必要はありません。耳に水が入ったとしても、体温で蒸発するといわれています。耳に入った水が気になるときは、ガーゼや脱脂綿をあてたり、入った方の耳を下にして寝かせましょう。

赤ちゃんの耳トラブルと対処法

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赤ちゃんの耳を掃除しているときなどに異常に気付くこともあります。赤ちゃんの耳の異常で代表的なものを紹介します。

耳だれ

耳だれは耳からの排液。水のようだったり、血が混ざっていたり、白く濁っていることもあります。見つけたらガーゼなどでやさしく拭き取ってください。原因には中耳炎や外耳炎などが考えられます。気づいたら早めに耳鼻科の診察を受けましょう。

急性中耳炎

肺炎球菌やインフルエンザ菌などの細菌やウイルスが鼓膜内側の中耳に感染して急性の炎症を起こす病気です。耳痛、発熱、耳だれ、難聴などの症状があります。子どもがよくかかる耳の病気で、耳鼻科での診断と治療が必要です。

赤ちゃんは耳の痛みを直接訴えることはできませんが、機嫌が悪くなる、ぐずる、耳を触る/おさえる/ひっぱる/こすりつけるなどの行動が見られたら、急性中耳炎が疑われます。耳鼻科では症状の程度に合わせた治療が行われますが、軽症の場合は自然に軽快するため、3日間は抗菌薬を使わずに経過を観察することもあります[*1]。症状からみて中等度または重症と判断された場合は、最初から抗菌薬で治療します[*2]

滲出性中耳炎

耳痛や発熱などの症状を伴わず、中耳に液体が貯まっている状態です。症状は難聴や耳がふさがったような感じ(耳閉感)などが起こります。滲出性中耳炎は、就学前に90%の子どもが1度はかかるといわれている病気で、ほとんどが3ヶ月以内に自然治癒します[*3]。

ただし、目立つ症状がないので気づかれずに見過ごされることも多く、治療されないまま長引いた場合、難聴から言語発達の遅れや学習の妨げとなることもあるため注意が必要です。癒着性中耳炎に移行することもあります。子供の滲出性中耳炎の多くは急性中耳炎がきっかけとなっていると言われます。急性中耳炎になったら症状が治まった後も完全に治るまで治療を受けてください[*2]

外耳道炎

細菌か真菌が原因で起こる外耳道の皮膚の急性感染症。症状として痛み、赤み、耳だれがあり、白や黄色のにおいのある分泌液が出ることもあります。耳(耳介)を動かしたり、口を閉じたりすると痛みが増します。

耳掃除によってできた傷やアレルギー、湿疹、脂漏性皮膚炎などによって起こります。赤ちゃんは耳の痛みを訴えることはできませんが、急性中耳炎と同じように耳を気にするような行動が見られたら外耳道炎の可能性もあります。疑われるような症状が見られたら耳鼻科を受診してください。

まとめ

赤ちゃんの耳は汚れやすいので、耳の穴の入り口近くは家でできるケアできれいにしてあげ、耳垢のつまりを見つけたら耳鼻科へ行きましょう。また、多くの子どもが一度は耳の病気を経験するものです。赤ちゃんの大切な耳、耳掃除だけでなく、病気にも注意して、おかしいなと感じたら、一度、耳鼻科で診てもらいましょう。

(文:佐藤華奈子/監修:梁尚弘先生)

※画像はイメージです

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