【医師監修】妊娠検査薬で陽性が出たら? 妊娠の確率と対応のポイント

12月28日(土)18時4分 マイナビウーマン子育て

赤ちゃんが欲しいと思っているとき、もし生理が遅れたら、まず試してみたくなるのが妊娠検査薬。それでは、「陽性」反応が出たら、その次はどうしたらいいのでしょうか? そもそも妊娠検査薬はどうやって妊娠の可能性を判定しているのか、その仕組みから解説します。

この記事の監修ドクター 産婦人科医 太田寛先生 アルテミスウィメンズホスピタル産婦人科(東京都東久留米市)勤務。京都大学電気工学科卒業、日本航空羽田整備工場勤務。東京医科歯科大学卒業後、茅ヶ崎徳洲会総合病院、日本赤十字社医療センター、北里大学医学部公衆衛生学助教、瀬戸病院を経て現在に至る。日本産科婦人科学会専門医、日本医師会認定産業医、医学博士、インフェクションコントロールドクターICD)、女性のヘルスケアアドバイザー、航空級無線通信士

妊娠検査薬ではどうやって妊娠の可能性を判定するの?

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妊娠検査薬は、薬局などで手軽に買うことができます。しかも尿をかけるだけで、数分後には結果がわかり、使い方も非常に簡単です。どうしてこんなに簡単に、妊娠の可能性を判定できるのでしょうか。

妊娠検査薬は尿中のホルモンで可能性を判定する

尿には、体のたくさんの情報が含まれています。そのひとつに、妊娠すると分泌されるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)があります。hCGは、妊娠した体内で作られるホルモン。妊娠していない女性や男性では通常は分泌されません。

妊娠検査薬は、尿にhCGが一定以上の濃度で存在するとリトマス試験紙のように色が変わることで妊娠の可能性があるかどうかを判定します。メーカーによって形や色は様々ですが、陽性の場合はマークや線が浮かび出てわかるようになっています。

妊娠検査薬で正しい結果を得るためには?

妊娠検査薬は、正しく使わなければ正しい結果が得られません。メーカーによって、多少異なる部分もありますが、その使い方にはほぼ共通している約束事があります。それはどんなことでしょうか。

検査する時期が適切かどうか

妊娠が成立するのは、受精卵が子宮内膜に着床するときなので、妊娠3週ごろのこと。受精卵はここからまたおよそ1週間かけて子宮内膜に入り込み、妊娠4週ごろ、着床が完了します[*1]。ちなみに、妊娠4週は妊娠していなかったら次の生理が始まるころです。

なお、hCGは受精卵が着床を始めたころから分泌され始めますが[*2]、尿に出るくらい分泌量が増えてくるのは妊娠4週ごろ(妊娠していなかったら、ちょうど次の生理が始まる予定のころ)です。妊娠初期ではhCGの分泌量は急激に増加しますが、妊娠8〜10週ごろをピークにその後は次第に減少、分娩で胎盤が出ると激減します[*1]。

ただ、妊娠検査薬に反応するほど尿にhCGが出始める時期には個人差があります。十分な量のhCGが尿に出ていないと正確な結果が判定できないので、通常の妊娠検査薬は生理予定日の1週間後以降、つまり妊娠5週からの使用が推奨されています。早すぎるタイミングで検査薬を試した場合は、妊娠していたとしても、検査結果が陰性となる場合があります。

尿の量が適切な量であること

尿の中にあるたくさんの情報から、hCGの情報だけを拾い出すため、尿の量が十分でないと、正しい結果が得られません。また、多すぎても正しい結果は得られません。検査薬の説明書に記載のある時間を守って尿をかける、または浸すという使い方を守りましょう。

検査結果が出るまで規定の時間を待つこと

尿をかけたあと、すぐには結果が出ません。スティック状の検査薬に、検査結果が見える窓がついていて、そこにサインが現れるのを一定時間待つという方法が一般的です。試験部分まで尿の成分がしみていくまでに時間がかかります。

尿をかけてからだいたい1〜3分程度の時間がたったころに、じわっとサインがあらわれるようになっています。10分以上結果が表示されない場合は、尿量不足などの操作ミスで判定できないとしている製品が多いようです。この場合は、新しいもので再度やり直すことになります。

ほか、判定ラインの色や出方など、メーカーによって少しずつ異なることもあるので、各製品に添付されている使用方法をよく読んで使いましょう。

妊娠検査薬で陽性反応が出たら、次の行動は?

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妊娠検査薬を使って調べ、「陽性」の反応が出たら、妊娠の可能性が高いのは間違いありません。では、次のステップはどうすれば良いのでしょうか。

妊娠検査薬で陽性反応が出たら妊娠確定?

検査薬を正しく使用した結果、陽性となったのであれば、妊娠はほぼ確定です。ただ、必ずしもそれが「正常な妊娠」とは限りません。

受精というのは、卵巣から排卵された卵子が精子と出会うこと。この時点ではまだ、子宮の中に受精卵はありません。子宮から伸びている卵管の中にあります。

受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら、卵管の中を転がっていき、「胚」と呼ばれる状態まで分割したころに子宮にたどり着きます。そして、厚くなった子宮内膜に、受精卵が「着床」します。

その後、受精卵は、子宮内膜から血液を通じて母体の栄養を吸い上げながら、だんだんに根を張るようにして成長していき、やがては胎芽、そして胎児になります。

ところが、実は受精卵が着床する場所は子宮内膜だけとは限りません。妊娠検査薬では着床の有無はわかっても、正常な場所に着床しているかまではわからないのです。

正常でない場所に着床する「異所性妊娠」であることも

受精卵が正常ではない場所に着床した場合には、「異所性妊娠(子宮外妊娠)」となります。これは、受精卵が卵管や卵巣などの、その後に順調に赤ちゃんとして成長することができない場所に着床してしまう状態です。

異所性妊娠では、卵管に着床してしまうことがほとんどですが、まれに腹膜や卵巣、子宮頸管に着床することもあります。「子宮の外」とは言えない場所でも起こるので、異所性妊娠と呼ばれるようになりました。

例えば、卵管内に着床した場合には、とても狭くて、かつ、必要な栄養を運ぶ太い血管がないために、赤ちゃんにまで育つことができません。このような状況を放置しておくと、細い卵管の中で赤ちゃんが大きくなっていって、妊娠6〜9週ごろに卵管が破裂してしまいます。そうなると卵管の血管からお腹の中に大量の出血が起こって、ママに命の危険がある場合もあります。そのため、早めに診断して、手術などを行う必要があります。

妊娠ではないのに妊娠検査薬が陽性となる可能性があるのは、不妊治療などで、hCGを含む排卵誘発剤などを使用している場合や、hCGを産生する腫瘍(絨毛上皮腫など)がある場合などです。また、糖やタンパク、血液が尿に多量に出ていると、妊娠検査薬の結果は影響を受けるとされています。

妊娠反応が陽性になったら、産婦人科で超音波検査を受けましょう

こうした異所性妊娠ではなく、受精卵が子宮内に着床したことを確認するには、産婦人科での検査が必要です。超音波検査で、赤ちゃんが入っている袋である胎嚢(たいのう)が子宮内にあるかどうかを確認してもらいましょう。妊娠5週以降であればほぼ確実に超音波検査で胎嚢を確認できるとされています[*3]。

妊娠5週後半〜妊娠6週前半ごろになると、赤ちゃんの心拍も確認されるようになります[*4]。

ここまでは妊娠検査薬が陽性であった場合について解説してきましたが、もし、陰性と判定されたにもかかわらず生理が遅れたままの場合は、検査するタイミングが早すぎたので正確に結果が出なかった可能性も考えられます。特に、生理不順の人の場合は、排卵と受精のタイミングの把握や予測が難しいものです。

この場合は1週間後に妊娠検査薬で再検査しましょう。また、妊娠反応が陰性なのに3ヶ月以上も生理がない場合には、産婦人科を受診しましょう。

まとめ

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尿をかけるだけで、体に負担をかけることなく妊娠の判定ができる妊娠検査薬。でも、子宮の中の正しい場所で妊娠成立しているかは、産婦人科で診てもらわないとわかりません。おなかの赤ちゃんを元気に育て続けるためにも、妊娠検査薬で陽性がわかったらなるべく早めに産婦人科を受診しましょう。

(文:関川香織/監修:太田寛先生)

※画像はイメージです

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