小学生の4人に1人が「習い事なし」学研小学生白書
2022年12月28日(水)15時15分 リセマム
学研ホールディングスの学研教育総合研究所は、全国の小学1〜6年生の各学年・男女100人ずつとその保護者(計1,200組)を対象にアンケート調査を行い、その結果を小学生白書Web版「小学生の日常生活・学習に関する調査」として公開した。調査時期は2022年9月2日〜9月6日。2022年は、新しい働き方・学び方が当たり前になったことで見えてきた環境や社会、人との関わり方等の変化に着目した調査を行った。
どの習い事よりも回答が多かったのが「学校以外で行っている習い事はない」(27.5%)だった。ここ数年、「習い事なし」と答える人の割合は上昇傾向にある。一方、小学生でもっとも習っている人が多いのは「水泳」(24.3%)。特に低学年から中学年までの人気が高く、小学3年生までは全体の約3割が水泳を習っていることがわかった。水泳は、2013年調査から全体ランキングの首位を守っている人気の高い習い事である。しかし、2001年の38.9%と比べると習っている人の割合は10ポイント以上減少している。2位は「音楽教室」(16.5%)で、男女別にみると、小学生男子は9.2%、小学生女子は23.8%と、男子に比べて女子の割合が高かった。3位は「受験のための塾・学校の補習のための塾」(16.3%)で、学年が上がるほど人気が高まり、小学校5・6年生のランキングでは首位だった。さらに男女別にみると,小学校5・6年生では女子に比べて男子のほうが塾に通う割合が高かった。
学校以外で何らかの習い事を行っていると回答した人に、習い事を始めた「きっかけ」や「理由」を尋ねたところ、もっとも多かった回答は「子供が行きたい・やってみたいと言ったから」で、その割合は過半数の62.0%だった。男女別にみると、小学生男子は59.1%、小学生女子は64.7%と、男子に比べて女子の割合が高かった。2番目に多かったのは「体力づくりや運動能力の向上につながるから」で32.2%だった。男女別にみると、小学生男子は38.1%、小学生女子は26.5%と、女子に比べて男子の割合が高かった。さらに学年別にみると、小学3〜5年生の男子は「体力づくり」を理由に習い事を始める割合が特に高かった。3番目に多かったのは「将来に役立つから」で22.1%だった。特に、小学6年生男子からの回答が32.3%と多かった。
また、子供の塾選びで重視することは尋ねたところ、1位は「家からの通いやすさ」60.2%となった。男女に大差はなく、家から近い、あるいは通いやすい立地を重視している傾向にある。学年別でみると小学4年生がもっとも高く(67.0%)、もっとも低いのが小学1年生(53.0%)だった。特に送迎せずに通塾する小学4、5年生くらいになると一人で通塾する機会が増えるためか、より立地が塾選びのポイントになっているようだ。2位は「料金」(58.0%)で3位以降は授業内容、評判、サポート体制等の塾が提供するサービス内容に関する項目が続く。合格実績を重視することが低い(9.0%)のは、中学受験希望であるかどうかによるものかもしれない。中学受験を考え始める4年生、5年生では若干ポイントが11.5%に上がっている。また、早期から通塾する2年生においても11.5%と高い。これは中学受験対象の塾の募集期にあたる学年であるのが影響しているのかもしれない。各家庭の方針により、重視する点が異なることがわかる。調査の詳細はWebで閲覧できる。