【お年玉マナー】ポチ袋に「四つ折り」でお札を入れるのは縁起が悪いって本当ですか?
2024年12月29日(日)21時15分 All About
お年玉にお札を入れるときは、三つ折り?それとも四つ折り? じつは縁起のよい折り方があります。その理由と、紙幣の正しい折り方や入れ方、硬貨の裏表や入れ方を、和文化研究家の三浦康子が解説。おめでたいお正月だからこそ、お年玉もきちんと準備して渡しましょう。
ポチ袋にお金を入れるときは、四つ折り?三つ折り? その理由
お年玉をポチ袋で渡す場合、紙幣の折り方は「三つ折り」がよいといわれています。
その理由は、四つ折りの「四」は「死」と音韻が同じで縁起が悪いと考えられているからです。そもそも、お年玉は年神様という新年の神様から新年の魂をいただく「御年魂」に由来します。いわば、生命力を得る象徴のお年玉で死を連想させるのはよろしくないとされました。
一方、三つ折りの「三」は、日本の文化に大きく関わる陰陽説の「陽数」で縁起がよいと考えられているので、お年玉の紙幣は三つ折りにしたほうがよいわけです。
ポチ袋にお金を入れるときのマナー
ポチ袋にお金(紙幣・硬貨)を入れる際は、袋からお金を出したときに紙幣が開きやすくすること、紙幣も硬貨も表面を向いていることが基本です。紙幣の正しい「三つ折り」の方法、ポチ袋への入れ方
①紙幣は肖像画があるほうが表面です。
②開いた時に紙幣の表面が見えるよう、表面を内側にして左→右の順に折り、三つ折りにします。
③一般的には、“福がたくさん詰まりますように”と願いを込めて、ゆるやかに福々しく折りますが、“折り目正しく”という意味で、きちんと折り目をつける方もいます。
④ポチ袋を表に向け、三つ折りにした紙幣(右側がかぶさった状態)を、天地が逆さまにならないようにして入れます。
硬貨の「表面」とは? ポチ袋への入れ方
硬貨は絵柄があるほうが表面です。ポチ袋を表に向け、硬貨も表面にして入れます。
ポチ袋のサイズ・タイプと金額の関係
お年玉を入れる袋には、折って入れるポチ袋、折らずに入れる封筒や祝儀袋タイプなどがあります。
ポチ袋は、三つ折りで入れられるタイプが主流ですが、袋自体が細身で四つ折りにして入れるタイプ、さらに小さく畳んで入れるタイプなどもあります。三つ折りが基本ですが、デザイン性を重視しても構いません。
折らずに入れられる封筒タイプ、包んで入れる祝儀袋タイプのお年玉袋もありますが、こちらは1万円以上のお年玉に向いています。
ポチ袋には「“これっぽち”ではありますが……」という意味もあるので、1万円を目安に、少額ならポチ袋、高額なら封筒や祝儀袋タイプのお年玉袋を選ぶとよいでしょう。
(文:三浦 康子(暮らしの歳時記ガイド))