人生を消耗するNG思考、不満を溜めやすい人が無意識に頭の中でやってしまうこと
2025年1月13日(月)6時0分 ダイヤモンドオンライン
アメリカで大きな話題を呼び、多くの読者に新しい視点を与えた一冊『Master of Change 変わりつづける人』が提案するのは、人生を消耗させる「思考の癖」への気づきだ。幸福度ランキングで常に上位に位置するデンマークの人々は、なぜ高い満足感を得ているのか。心理学や神経科学の研究をもとに、「期待」と「現実」の関係を見直すことで、不満を減らし人生を充実させる方法を解き明かす。視界が広がるような発見を得たという人も多い本書から、特別に一部を公開する。
Photo: Adobe Stock
人生の満足度が高いデンマーク人、その意外な理由
数多くの心理学的調査から、ある瞬間に人がどれだけ幸福だと感じるかは、期待から現実を差し引いた結果で決まることがわかった。
現実が期待と一致する、または期待以上だと、気分が良くなる。現実が期待を下回ると不満を覚える。
幸福度ランキングでいつも上位の国は、必ずしもその近隣諸国よりも恵まれているわけではない。幸福度が高い国の国民は、そもそも多くを期待しない。
南デンマーク大学の疫学者たちが、ある画期的な研究をおこなった。幸福度調査や人生の満足度調査などで、デンマーク国民がいつも他の欧米諸国よりも高いスコアを出す理由を突き止めようとしたのだ。
研究結果が発表された『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』誌の論文で、彼らは期待の重要性を強調した。
「非現実的なまでに高い期待を抱くと、失望して人生の満足度が下がりやすい。デンマーク人は満足度がきわめて高いが、彼らはそもそも多くを期待していない」
と書かれている。この点は他の欧米諸国と著しく対照的だ。
不満を溜めやすい人が知らずにやっていること、それは「期待の罠」だった
神経科学者たちはほんの数十年前まで、脳が世の中をありのままに経験していることが意識として知覚されると考えていた。
ところがエディンバラ大学の神経科学者たちがおこなった最新の研究で、人間の脳は予測マシンのような働きをすることがわかった。
人間の前頭前野は、これから何が起きそうか常に予測している。その予測が脳幹に送られると、脳幹がその予測通りの出来事が起きても対処できるよう、身心のシステムを準備する。
脳がこうして将来に備えるのには理由がある。次に何が起きそうかといった考えや先入観なしで各瞬間と向き合うよりも、予測しておくほうがはるかに効率的だからだ。
脳は最初に予測的なシナリオをつくるが、現実に合わせて常時シナリオを調整している。そしてシナリオと現実が合致すればするほど、わたしたちの気分は良くなり、エネルギーの消費量も少なくなる。
意識とはわたしたちが経験する現実だけではない。期待のフィルターをかけて調整された現実を経験することなのである。
最近の研究では、予測は現在の経験や過去の思い出に影響するだけでなく、未来をどうするかについても、さまざまな形で影響することがわかった。あたり前に聞こえるかもしれないが、深い意味がある。
※本稿は『Master of Change 変わりつづける人』の内容を一部抜粋・編集したものです。
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