金曜日に怒られても、月曜日にはケロッと出勤…鋼のメンタルを持つ人が「土日にやっているシンプルなこと」
2025年3月6日(木)16時15分 プレジデント社
※本稿は、心理コーチとよかわ『マウント取る人 消す魔法』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
写真=iStock.com/chachamal
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/chachamal
■強メンタルな人=傷ついても素早く回復できる人
そもそも、メンタルが強いとは、どういうことなのか?
ひとことでたとえるなら、「筋肉痛が治るのが早い人」です。激しく運動すると筋肉痛になりますよね? でも、しばらくすると治りますよね? メンタルだって一緒です。
ショックを受けたり凹んだりしても、しばらくすると回復します。メンタルが強いか弱いかは、そのスピードが早いか遅いかの違いなのです。
つまり、メンタルが強い人は、「傷つかない人」「凹まない人」ではないのです。「傷ついても、素早く回復できる人」なのです。
そのような、メンタルの回復力のことを「サイバーレジリエンス」といいます。サイバーとは「情報空間」のことで、フィジカル(身体的)に対する内面的な意味を持つ言葉と思ってください。レジリエンスとは、「回復力」や「復元力」の意味です。
ちょっと長いので、頭文字を取って、ここでは「サイバーレジリエンス」のことを「CR」と呼びましょう。そして、この「CR」の程度(レベル)のことを、「レベルズ・オブ・サイバーレジリエンス(LoCR)」といいます。LoCRが高ければ高いほどメンタルが強く、低ければ低いほど豆腐メンタルになるというわけです。
■メンタルが強い人は「楽しみな予定」が多い
「なにがLoCRの違いを決めるん? 生まれつきちゃうん?」と気になった人もいると思います。違いは、「楽しみにしていること」の有無です。
LoCRが高い人、つまりメンタルが強い人には「楽しみな予定」がたくさんあります。例を挙げると、仕事帰りのデートや、ご褒美のケーキ、推しのイベントへの参加などです。
内容はなんでも構いませんが、その人にとっては「目の前のつらいこと」「傷ついた原因」よりも、「楽しみな予定」のほうがよほど大事で注目に値すべきことなのです。つまり、その人の脳内では「楽しみな予定」にスポットライトが当たっているため、それ以外のことはたいして気にならないわけです。
「じゃあ、豆腐メンタルの人は楽しみな予定をどんどん入れればいいってこと?」と気づいた人もいますよね。そうなんです。端的にいえば、そういうことです。
ただし、言葉にするのは簡単ですが、実際問題、それが難しい人も少なくありません。
とよかわの生徒さんにも、まさにそのような女性がいました。ふたりいるお子さんはともに有名幼稚園へ通っており、パートナーのかたは経営者で、その人自身も上品で素敵なママさんです。しかし、本人にいわせれば「楽しいと思えることがない」のだそうです。
その理由は、子育てや家庭のことなど、まわりのことを優先し続けてきたために、自分のことをすっかり後回しにしてきたからです。その結果、自分がなにをやりたいのか、なんのために生きているのかがわからなくなっていたのです。
楽しみな予定を持つこと―つまり、未来志向で生きるには、「自分がなにをしたいのか」がわかっている必要があります。そのためには、自分の内面と向き合うことが欠かせません。
■体をケアすれば、心は簡単に強くなれる
「自分の内面と向き合える強メンタルがほしい。とよかわさん、どうしたらええの? はよ、魔法教えてーな」そんな声が聞こえてきそうですね。
大丈夫です、ええ魔法、しっかり教えます。ただ、その前にひとつだけ、大事な話をさせてください。というか、この話を聞いたら、魔法を使わなくても強メンタルを手に入れられる人もいるはずですよ。
実は、体をケアしたら豆腐メンタルは回復します。
体をケアするとは、そうですね、いま流行りのサウナで「整う」でもいいですし、軽い運動をして、ていねいに体を動かしてあげるのでもいいですね。もっと簡単でお金もあまりかからないやり方としては、「美味しいものを食べて、お笑い番組でも観て大笑いして、ゆっくりお風呂に入って、たっぷり寝ること」がおすすめです。
「え? そんなことでこの鬱々としたメンタルが回復したら、世話ないわ」と思った人もいますよね。でも、本当にちゃんと「美味しいものを食べて、お笑い番組でも観て大笑いして、ゆっくりお風呂に入って、たっぷり寝ること」の一式をやってみた人、います?
ちゃんとこの一式をやっても、「この世の終わり」みたいな絶望メンタルだったり、「どないしょ、どないしょ」と、やわやわプルプルの豆腐メンタルだったりしたら、心療内科などで医学の面からケアしてもらったほうがいいと思います。
しかし、豆腐メンタルに悩んでいるほとんどの人は、この一式をちゃんとやっていません。とよかわは、断言します。
■心と体は同じである
「いやいや、とよかわさん、なんでそんなにその一式にこだわるのん?」と怪訝(けげん)に思った人もいますよね? ええですか、また、大事なことをいいますよ。
実は、「メンタル」と、「フィジカル(身体的)」は、同じものです。心と体は、おんなじものなんですよ。同じなので、体をケアしたら心をケアすることになります。
そもそも、メンタルとかマインドというのは、精神や心のことですよね? じゃあ、精神や心ってなんなのかというと、「脳」の情報処理なんですよ。
脳って、体の一部ですよね。つまり、体なんです。フィジカルなんです。出世魚みたいなもんです。ブリも成長前はハマチと呼ばれますが、結局は同じ魚ですからね。
「メンタル」や「マインド」を、人間の体から切り離して別枠で捉えている人も多いのですが、あくまでその一部です。体が疲れていたり弱っていたりしたら、メンタルやマインドが弱るのは当然です。だって、同じものなんですからね。
そして、同じケアをするにしても、メンタルやマインドより体のほうがアプローチしやすいのは間違いありません。メンタルやマインドは具体的なかたちがありませんが、体は物理的な対応が可能だからです。
なので、メンタルが弱っていたら、メンタルよりも体にアプローチすればいいのです。その一例が、サウナや運動や「美味しいものを食べて、お笑い番組でも観て大笑いして、ゆっくりお風呂に入って、たっぷり寝ること」なのです。
■体のケア以外でメンタルを強くするには?
体をケアすることの重要性を理解してもらったところで、メンタルをさらにたくましくする魔法を紹介しておきましょう。
「強メンタルを手に入れる魔法」、それは、「新しいひとりごとをつくって感情を味わう」ことです。なにか困ったことがあってメンタルがボロボロになったら、そのひとりごとを頭のなかに思い浮かべれば、それだけでメンタルは急回復します。
ここでいう「ひとりごと」とは、頭のなかで意識的に考えている声のことです。「あの人、えらく怒ってはったなぁ。どないしたらええんやろ」などのことですね。
まず、大前提として、メンタルがよわよわなときに、ポジティブシンキングをしてますますつらくなるのは、間違った「ひとりごと」をいっているからです。
「凹んでるときに前向きに考えるなんてそもそも無理」「前向きに考えても効果がなかった」と思っている人も多いはずですが、それは本当にその通りで、そもそも、「言葉」と「感情」が矛盾していたら意味がありません。
例えば、結婚を考えていた恋人にこっぴどくふられたときや、取引先と約束していた納期に間に合わなくなったときなどに「ハッピー! なんて幸せなんやろ〜★」と思い浮かべてみたところで、絶望的な気分も状況も変わりませんよね? むしろ、余計にむなしくなりそうです。
一方、今回の魔法は、「ひとりごと」(=言葉)と、それによって味わう感情を一致させることで、自然とメンタルを回復させてしまう魔法なのです。
■メンタルが回復する「ひとりごと」の作り方
さっそく具体的なやり方を紹介しますね。メンタルがボロボロで「どうしていいかわからない」状態になったら、とりあえず、どこかでひとりの時間を確保してください。
写真=iStock.com/maruco
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喫茶店などが理想的ですが、気候がいい季節なら公園でもいいですね。場合によっては、電車のなかやトイレの個室でも構いません。
そこでひとりになって、あなたが憧れている誰かのことを思い浮かべてください。その誰かは、芸能人でもアーティストでも実業家でもドラマの登場人物でもアニメや漫画のキャラクターでもなんでもオッケー。好きで憧れている対象であれば、実在するかどうかは問いません。
そして、その憧れの誰かが、いまのあなたのシチュエーションに置かれたらどうするか? なんというか? を想像してみてください。
そして、その憧れの誰かの言葉を、「ひとりごと」として頭のなかでつぶやいてみてください。これで、メンタルは回復します。
「それだけで? 噓やろ?」と思う人もいますよね。
いいえ、本当です。
なぜこれだけでメンタルが回復するのか不思議ですよね? ポイントは3つあります。
■なぜ「ひとりごと」でメンタルが回復するのか?
ひとつは、自分ではない誰かの言葉を想像することで「客観的」になれるからです。客観的になれると、トカゲ状態(※)だった脳が人間モードに戻ってこられることは、何度もお伝えしましたね。
また、ポイントのふたつ目は、思い浮かべた「ひとりごと」が、あなたにとって必ず前向きで魅力的なものであることです。憧れている誰かの言葉として想像したものは、間違いなく魅力的な言葉です。そうでなければ、あなたが憧れる理由がありませんよね。
しかも、それを思い浮かべているあいだ、あなたの頭のなかでは憧れの誰かのイメージが膨らんでいます。そして、そのイメージに伴う、いい気分がじわじわと心に湧いてきます。これが、ポイントの3つ目です。
つまり、あなたは「ポジティブなひとりごと」を、「ポジティブな感情で味わう」ことになるわけです。これが、メンタルが回復する理由です。
ちなみに、とよかわは、ロックバンドの Mr・Childrenのボーカルである桜井(さくらい)和寿(かずとし)さんや、モデル・タレントのアンミカさんが好きで、よく頭のなかに召喚しています。
[※トカゲ脳=爬虫類脳。トカゲ脳は相手にイライラしたり腹が立ったりして、人間としての冷静な脳ではなくなっている状態のこと。人間モードに戻るためにはメタ認知や抽象化が必要。本書(『マウント取る人 消す魔法』)の第2章参照]
■冷静になれないときのパワーワード
「でも、ひとりごとの魔法で多少気分は持ち直すとしても、実際の状況はなにも変わっとらんよね?」とつっこみたくなる人もいるかもしれません。その通りです。
しかし、すでに客観的になれて気分も落ち着いているわけですから、冷静に対応策を考えられる状態にあるわけです。落ち着いて考えられれば、いまやるべきことは自然と思いつきます。
それでも「いやいや、冷静に考えられる自信、あらへんわ」と思う人には、とっておきのパワーワードを伝授しましょう。
それは、「よい、悪いじゃなくって」という言葉です。
「よい、悪いではなく」と前置きをつけて、いまの状況を冷静に観察してみるのです。状況を把握できれば気持ちも落ち着き、次の一手を考える心の余裕が生まれます。
「よい、悪いじゃなくって」の枕詞は、ジャッジ抜きのフラットな視点で状況を捉え直すための言葉なのです。
■豆腐メンタルを卒業するには「未来」に目をむける
そもそも、メンタルがボロボロで取りつく島がなくなってしまうのは、脳がトカゲモードだからです。不安に駆られ、感情が暴走しているわけです。
結婚するつもりだった恋人にふられたとき、「どうしよ、もう親にも結婚するっていうてもうたわ」「ていうか、もう二度と誰のことをも好きになれんかったらどうしよ」「このまま一生独身で孤独死?」などと不安な気持ちが暴走するから、つらいのです。
心理コーチとよかわ『マウント取る人 消す魔法』(KADOKAWA)
取引先と約束していた納期に間に合わなくなったとき、「取引先にブチ切れられて取引停止されるかも」「上司に怒られるの怖いわ〜。減給されるかも〜」「クビになったらどないしよ」と、あらゆる不幸を想像してしまうからどんどん冷静さを失っていくのです。いってみれば、いわゆるパニック状態です。
ところが、憧れの誰かの言葉を想像したり、「よい、悪いじゃなくって」とジャッジ抜きで考えたりすると、「結婚するつもりやったけど、また振り出しに戻ったちゅうわけやな」「100パーセント、納期に間に合わんだけやな」などと、いまの状況を冷静に俯瞰することができます。
「じゃあ、また合コンに行くか。それか、誰かに紹介してもらったほうがいいかもな」「とりあえず、上司に相談しよ」と、次の一手に意識が向きます。いわば、未来に目が向くのです。
豆腐メンタルから抜け出すには、未来に目を向け、「やるべきこと」にフォーカスすればいいのです。
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心理コーチとよかわ(しんりこーち・とよかわ)
心理コーチ
手取り5万円の高卒フリーターから未経験でIT業界に入り、デジタルマーケティング業界、海外での新規事業開発などを経験する。シリコンバレーで認知科学と出会い、帰国後に起業。上場企業のDX人材育成に従事したことをきっかけにコーチング業界の道へと進む。コーチングの世界的権威に認められその伝統を受け継ぎ、コーチングにおける各種世界ライセンスを保持する。2022年に開設したYouTubeチャンネル「心理コーチとよかわ」では、主に人間関係の悩みを解決するコンテンツを配信し人気を集めている。
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(心理コーチ 心理コーチとよかわ)
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