行動経済学の実験に裏打ちされた「選択肢」のつくり方

2024年9月8日(日)6時0分 ダイヤモンドオンライン

行動経済学の実験に裏打ちされた「選択肢」のつくり方

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同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。今回は本書より一部を抜粋・編集しながら、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。

Photo: Adobe Stock

【貧す人】と【稼ぐ人】の決定的な一語の違い

 今回紹介するのは、「選択肢の法則」である。

【貧す人】顧客が選びやすいように、選択肢を増やそう【稼ぐ人】顧客が選びやすいように、選択肢を減らそう

 従来の経済学では、自由に選べる選択肢は多ければ多いほど、人々の満足度は高いという暗黙の前提がある。

 だが、次の「行動経済学」の実験はそれを否定するものだ。

行動経済学が教えてくれること

 スーパーマーケットで、6種類のジャムと24種類のジャムをテーブルに並べて、1ドルの割引券を渡し、買物客に試食してもらった。

 6種類のジャムの陳列と24種類のジャムの陳列は、1時間ごとに入れ替えた。

 陳列テーブルのある通路を通りかかった242人のうち、 40%の客が6種類のジャムの陳列を訪れたのに対し、 60%の客が24種類のジャムの陳列を訪れた。

 つまり、最初はジャムの種類が多いほうが魅力的なのである。

 しかし、6種類のジャムの陳列テーブルを訪れた客のうち実際に購入したのは30%であったが、24種類のジャムの陳列テーブルを訪れた客のうち実際に購入したのはたった3%にすぎなかった。

 消費者は、多様な選択肢が用意されているほうに魅力を感じるが、結局、選択肢が多すぎると、なかなか決定できないということだ。(中略・著者要約:他にもチョコレートを用いた実験を行ったが、同様の結果となった)

 イェンガー(著者注:シーナ・イェンガー。コロンビア大学ビジネススクール教授)は、自分が把握するのが可能な範囲内で選択をすることが選択者にとっては望ましく、過剰な選択肢があるとむしろ選ぶのを間違えたのではないかという一種の後悔や失敗の感覚に襲われるのではないかと指摘している。(【出典】友野典男著『行動経済学』光文社)。

 私の経験からも、顧客の選択肢が4つを超えてしまうと、反応は激減する。

 選択が難しくなると、選択自体を諦めてしまう。実に恐ろしいことだ。

【貧す人】は、選択肢を増やして、顧客を混乱させるが、【稼ぐ人】は、選択肢を絞り込み、2~3の選択肢を提示し、顧客が選びやすくしているのだ。

(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の一部を抜粋・編集したものです)

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