怖くない妖怪たちが主人公の絵本「ようかいのもり」シリーズ。ユーモアあふれる物語はどのように生まれるのか?絵本制作の裏側を著書が語る

2024年9月20日(金)13時39分 PR TIMES STORY

怖くない妖怪が大活躍!『ようかいのもり』シリーズの魅力と人気の理由を徹底解説

「妖怪たちがかわいくて好き!」「細かいところまで面白くて何度も読んでほしいといわれます」と評判の絵本「ようかいのもり」シリーズは、2022年6月にスタートして現在3作。1作目が『ようかいのもり たぬきクリニック』2作目が『ようかいのもり まっくらまつり』3作目が『ようかいのもり にょろりびようしつ』です。どの作品も、ちょっと変わった妖怪の困りごとを、たぬき先生が思わぬ変身術で解決してくれる楽しいお話。たぬき先生のファンも着々と増えてきています。

本ストーリーでは、シリーズ誕生の秘話や著者・長谷川氏が作品に込めた思い、キャラクター設定の裏側を紹介します。

妖怪なのにこわくない!が「ようかいのもり」シリーズの魅力のひとつ

山本(担当編集者):妖怪が病院や美容室に行ったり、お祭りを楽しんだり。ちょっと変わった面白い設定ですが、お話はどのように生まれたのですか?

長谷川(著者):もともと、魔女やモンスター、妖怪など不気味な世界の生き物が好きで。1作目の「たぬきクリニック」は人間の子どもが不気味な健康診断に迷い込むお話を考えていたのですが、それなら妖怪と病院を組み合わせたお話にしてみようかなと思いつきました。

山本:健康診断を受ける雷の子たちも、首がからまった、ろくろっ首やお皿にひびが入って受診するカッパも、不気味というよりは、かわいさや面白さが際立つ気がします。

長谷川:はい、読者の方からも、「怖くない妖怪なので小さい子でも楽しめました!」「妖怪が好きだけど怖がりなので、この絵本がぴったりでした」といったご感想をいただきます。

それぞれの妖怪の特性を考えながら、現代を生きている設定で描いているうちに、お茶目な描写になっていました(笑) それから、ほっぺが赤くなっている子どもがかわいくて大好きなので、登場する妖怪はみんな、ほっぺを赤くしているのもかわいさのポイントかもしれません。

頁をめくった時に驚いてもらいたい。そのための細かな設定を考えるのが好き。

山本:怖くない妖怪というのが、この絵本の魅力のひとつですね! 主人公のたぬき先生も、愛嬌たっぷりですよね。

長谷川:たぬきを主人公にしたのは、一見、妖怪だと気づかれにくいからです。子どもたちに、お話の途中で「たぬき先生って、妖怪だったんだ!」「え、変身できるの?!」と驚いてもらいたいな、と思いました。当初、たぬき先生にモデルはいなかったのですが、完成後家族に見せたところ、私の父にそっくりだと言われました。確かにぽっちゃりして、のんびりした感じは父に良く似ています(笑)。

山本:なるほど〜。たぬき先生以外でも、最初、妖怪ということは気づかないけれど、頁をめくったら、首がびよーんとのびた、ろくろっ首だったり、お面をとったら目・鼻・口がない、のっぺらぼうだったりしますね!

長谷川:そうなんです。頁をめくった時に驚きがあったら、楽しいですよね。ろくろっ首は、巻物(人間界で言うところのファッション雑誌)を見ながらいろんな首スタイル(人間界でいうところのヘアスタイル)を試して、首がからまってしまいました。恥ずかしいから隠すためにストールを巻いていて。だから、普通のお姉さんに見えるかな、と。のっぺらぼうは、顔を隠すためにお面屋さんにしました。どれも1回読めばわかっちゃうんですけどね。

山本:そんな背景が! でも、子どもって、1回読んでわかっていても、何度でもその驚きを楽しんでくれますよね。しかも、このシリーズは、細かいところまで遊び心が満載! ろくろっくびが処方されているのが「ロングシップ」だったり、張り紙も読んでいる本も…読むたびに笑ってしまいます。

長谷川:細かいところを描くのが好きなんです。妖怪の特徴や強みを活かしながら、「おもしろい!」と思ってもらえるようなものを探って描いています。でも、妖怪たちを見ていると、自然とアイディアがでてくることがほとんどです。楽しくなっちゃって、行きすぎちゃうこともありますけど。

細かいといえば、たぬき先生の毛をふんわり、ふさふさに描きたいなと思い、細い筆で1本1本丁寧に描くことも心がけています。1冊の絵本で大体6〜8本くらい使います。

山本:確かに! たぬき先生の細かい毛並みは原画を拝見してびっくりしました。3作目「にょろりびようしつ」でシャンプーしたてのたぬき先生が変身したソファーなんて、かみなりの子たちが「やわらか〜い」って触ってしまうのが、よくわかります。

たぬき先生の変身アイディアはこうして生まれた!『ようかいのもり』制作の舞台裏

山本:たぬき先生といえば、妖怪たちが困っている時に、変身して助けるというのが、このシリーズのお決まりになっていますよね。たぬき先生が何に変身するのか、いつも楽しみにしているのですが、どうやってアイディアが浮かぶのでしょう。

長谷川:そうですね。2作目の「まっくらまつり」は、お祭りらしい何かに変身させたいなという、ぼんやりとしたアイディアでした。 ラフ(下案)を描きながら、屋台で食べすぎた、たぬき先生を見ていたら、小さい頃、お腹いっぱい食べた後に家族でお腹を叩いて「太鼓ごっこ」をした事を思い出しました(笑)。そうか、太鼓ならお祭りにもぴったりだし!と、たぬき先生を太鼓に変身させることにしました。

山本:太鼓に変身したたぬき先生は、眠り込んで道をふさいでしまっている「ぬりかべ」を大きな音で起こしたり、盆踊りのやぐらにも上がったり、大活躍でしたね!

たぬき先生、またまた登場!「ようかいのもり」シリーズ、次なる4作目のワクワクする見どころ

山本:1作目の「たぬきクリニック」は、たぬき先生の病院、2作目の「まっくらまつり」は、妖怪たちのお祭り、3作目の「にょろりびようしつ」は、ろくろっ首の美容室でした。

「ようかいのもり」には、まだまだ、ちょっと変わったお店や出来事がありますか?

長谷川:はい、まだまだ、たくさんあります! 「まっくらまつり」の最後の頁にお祭りに協賛しているお店の札を描いたのですが、山本さんから、これ全部絵本になりますね!と言われて、確かに〜とうれしくなりました。

山本:そうそう、「てんぐしょうかい」に「レストランペロリ」なんて、もう見ただけでどんなお話になるのかワクワクしちゃいました。「チームひとつめ」って、何をやるんだろう、とか(笑)そして、そのどれかが4作目になります!

長谷川:はい、3作全部に出てくるあの妖怪のお店が…! 内容はまだ内緒ですが、たぬき先生も大活躍します! 読者のみなさまからも「こんな妖怪出してほしい」「こんなお話つくってほしい」といったうれしいリクエストもいただいていますので、伝統を守りつつ、私達と同じ現代を生きている妖怪として、コミカルで親しみやすく描いていきたいと思っています。

山本:これから、どんな妖怪が登場するのか、たぬき先生は何に変身するのか…、まだまだお楽しみがいっぱいですね。今後ともよろしくお願いいたします。

書名:ようかいのもり たぬきクリニック 

   ようかいのもり まっくらまつり

   ようかいのもり にょろりびようしつ

著者:長谷川あかり

出版社:大日本図書

定価:1,540円(本体1400円+税)

商品詳細ページ:https://www.dainippon-tosho.co.jp/books/child

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