「第四次産業革命は全ての産業構造を変える」AIネイティブな次世代を見据えたオプティムが取り組む「産業×IT」戦略
2021年10月12日(火)6時0分 キャリコネニュース
株式会社オプティムは、迫り来る第四次産業革命の中心的な企業になることをスローガンに掲げ、様々な業界や産業とテクノロジーを融合させる「〇〇×IT」戦略のもと事業を展開する。
AIネイティブな時代の到来を間近に控え、日本の産業が抱える課題とは。オプティムはどう課題に立ち向かっていくのか。取締役ビジネス統括本部長の休坂健志さんに伺った。(文:千葉郁美)
第四次産業革命が始まっている
18世紀半ばから19世紀にかけてイギリスの蒸気機関の開発から始まった産業革命。第二次、第三次と時代とともに様々な産業の変革を超え、昨今はIoT(ビッグデータ)と人工知能(AI)による価値創出や課題解決が主流となり、人の役割や産業構造が変わる「第四次産業革命」が徐々に進行していると考えられている。
「第四次産業革命は、あらゆる産業のあり方を一変させます。社会が変化し、顧客が変化し、ITが進化する。この3つの変化が合わさったときに、大きな変革が起こると考えています」(休坂さん)
第四次産業革命は現在進行形だ。しかしAIやIoTの活用といった潮流を追えずにいる産業は多い。そうした産業や業界に向けてオプティムは、各産業とIT(AI・IoTなど)を組み合わせる「〇〇×IT」戦略を2015年に立ち上げ、今日まで様々な業界を支援してきた。
「農業×IT」生産者が儲けを出すにはビジネス構造の見直しが重要
「〇〇×IT」の戦略を立ち上げた2015年にはま_ず農業×ITからスタートした。開始時のコンセプトは「楽しく、かっこよく、稼げる農業を実現する」。農業が抱える課題には後継者や担い手の問題が大きい。「稼げない産業」「泥臭くて格好悪い」といったイメージを払拭し、「農業は稼げる」ものになれば、若者も働く、夢のある産業に変わっていく。
「本質的に"稼げる"ということが産業として成長するために重要だと思います。稼げる農業を実現するにはどうするべきかを考えました」(休坂さん)
稼げる農業の実現に向けて、オプティムは減農薬のお米の栽培から、加工、販売(EC)までを一気通貫で提供できる仕組みを開発。ドローンやAI /IoTを導入して、農業・食品産業全体の効率化と付加価値向上を目指した。
一見して「農業にIT技術を導入する」という技術提供が完了し、オプティムの仕事は終わったように見受けられる。一般的なモデルであればメーカーが生産者に対し、ITツールやドローンを販売することで対価を得るものだが、オプティムが意図する「〇〇×IT」の本質はそこではない。
「実は、技術は無償で提供しているのでドローンもAIも全部無料で使っていただいています。オプティムは生産されたお米の販売で収益を得ているんです」(休坂さん)
オプティムはスマート農業ソリューションを無償で提供し、生産された農作物を市場卸価格で買い取る。付加価値販売によって出た利益から経費を除いた付加価値分を生産者へレベニューシェアをするという新たなモデルを打ち立てた。単に先端技術を取り入れてIT 化・デジタル化するだけではなく、ビジネス構造にも変革をもたらすこと、それこそがオプティムの目指す農業のDXだ。
「特に農業の世界では、売り方や仕組みを見直すという考えが希薄であるという状況でした。お米には安い、美味い以外にも様々なニーズがあるし、マーケットがまだまだあるにもかかわらず一歩踏み出すことが少ない、そういった業界構造がありました。そうした構造の変革に踏み込み、リスクと利益のシェアをしながらビジネスに参入したことは、非常に重要な取り組みだったと感じています」(休坂さん)
あらゆる産業にITを。労働人口不足の課題を技術やテクノロジーで解消したい
「〇〇×IT」の取り組みを始めた当初からオプティムが感じていることは「日本は課題先進国である」ということだ。そして、その根本的課題は「労働人口の減少」に行き着く。
「様々な産業にIT導入を支援してきましたが、話を聞いているとどの産業にも特有の課題とともに「人が足りない」という課題は共通しています。日本が抱えるそもそもの課題は労働人口の減少です。その課題に対して、AIをはじめとしたテクノロジーで解決を目指せるのではないかと。それが、AI /IoTの取り組みを強化するきっかけになりました。
これからもオプティムは、あらゆる産業と技術を組み合わせて、あらゆる産業を第四次産業革命型産業へと再発明していきたい。社会課題に対して価値を提供していきたいと考えています」(休坂さん)
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