「脈がないな」とわかったビジネス飲み会でスマートに帰宅を促すトイレに立ったついでの"上級テクニック"

2024年12月8日(日)15時15分 プレジデント社

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Satoshi-K

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仕事の飲み会をスマートに切り上げるにはどうすればいいか。編集者の戸賀敬城さんは「飲み会の途中でビジネスにならないことがわかったときは、スマートに帰宅を促したいところ。気の利く人という印象をのこせるお勧めの方法が2つある」という――。

※本稿は、戸賀敬城『ビジネス会食の技術』(三笠書房)の一部を再編集したものです。


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■飲み会では下地となる線を描き終えれば十分


飲み会の席は、ビジネスの結果につなげるための大切なステップです。


会食の場を通じて、自分のプレゼンスを上げたり、コミュニケーションを深めたり、仕事につながる情報などを得たりするのが目的であって、その場で契約のサインをもらうのが目的ではありません。


「今日、契約をしていただきたいので、印鑑を持ってきてください」と言われるような飲み会は存在しません。楽しくお酒や料理を楽しむことなどできなくなります。


飲み会で「契約をとろう」「何かを決着させよう」と考えるのは間違い。そもそもお酒が入っている場で決定したことを信用するのはナンセンスです。相手に「覚えていない」「そんな約束したっけ?」と言われたら意味がありません。


絵にたとえるならば、飲み会では下地となる線を描き終えれば十分。そこに色を塗るのは、会議やプレゼンの場であるべきなのです。


■「飲み会から1週間以内」が勝負どころ


飲み会は結果につなげるためのステップではあるものの、飲み会から2カ月、3カ月経ってもなんの結果も出ないのでは困ります。契約してもらうことを目的にした飲み会であれば、飲み会後にできるだけ早くクロージングに持ち込むのが理想です。


飲み会で相手にいい印象を残すことができても、その記憶はそれほど長くはもちません。数週間もすれば、「そんな飲み会があったな」と記憶が風化していきます。


したがって、飲み会後は短期決着を目指すのが原則。こちらにとって好ましい記憶や流れがあるうちに契約に持ち込むのです。「飲み会から1週間以内」が勝負どころでしょう。


したがって、クロージングを意識して飲み会のスケジュールを設定することも重要。お客様の予算が決まる時期やプレゼン、コンペの日などから逆算して、あまり遠くない時期に飲み会をする、といった戦略を立てれば短期決着も可能になります。


■本当の〆はスイーツでもお茶漬けでもない


飲み会を仕事の結果につなげる人は、飲み会の「終わり方」が違います。


酒が入ると酔いも手伝って、後半になればなるほどグダグダになったりしますが、そのまま「楽しかったね」で終わらせてはいけません。


結果を出す人は、飲み会をお開きにする前に、必ず「次につながるアクションの確認」を行います。


写真=iStock.com/recep-bg
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「○○さん、それでは来週、もう1回アポイントを入れさせていただきますので、例の件、ご検討をお願いします」
「本日、話題に上がった件は、あらためて御社に伺って提案させていただきます」


こうして今後の仕事の流れを確認し、一度緩んだ場の空気を引き締めることによって、飲み会の目的を相手に再認識してもらえます。


結果を出す人にとって、本当の〆はスイーツでもお茶漬けでもありません。結果につながるアクションなのです。


■盛り上がらなくても2次会には誘う


飲み会のあと、盛り上がり具合や相手との関係性によっては、「2次会に行こう」と誘われることがあります。


特に、こちらが接待する立場であれば、終電がなくなるなどの事情がなければ相手からの誘いに応じるのが基本的な対応でしょう。お願いごとをするほうが「早く切り上げよう」とするのは、やはりおかしいですよね。


相手が2次会を切り出してこない場合でも、お酒が飲み足りないようであれば、こちらから「もし飲み足りないようでしたら、もう1軒いかがですか?」と2次会に誘う気遣いも必要です。飲み会の最後までグラスのお酒を残していないようであれば、飲み足りていない可能性があります。


残念ながら飲み会が盛り上がらず、2次会に行く雰囲気ではない場合でも「もう1軒行きますか?」と誘うのも、場合によっては「あり」です。断られるのが目に見えていても、「相手を主役として立てている」というメッセージは伝わります。


■脈がないときはデザートを早めに出せ!


ときには、飲み会の途中で「これは脈がないな」とわかってしまうときがあります。どんなに相手の背景を探って準備をしても、「そもそも出してくれる予算を持っていなかった」という場合です。


そんなときは、ズルズルと飲み会を引き延ばさずに、最後の料理まで食べたらお開きにするのがスマートです。



戸賀敬城『ビジネス会食の技術』(三笠書房)

ビジネスにならないことがわかっているのに、相手がなかなか帰りたがらずに、お酒を調子よく飲み続けるようなケースもあります。


そんなときは、トイレに行くついでに電車の時刻を調べて「○○さん、ご自宅は××でしたよね。ちょうどいい快速が23:20発なので、そろそろ出られたほうがよくないですか?」と帰宅を促せば嫌味にならず、むしろ気の利く人という印象のままお別れすることができます。


上級者のワザとしては、お店の人に頼んで、デザートを早めに持ってきてもらうという方法もあります。デザートまで出てくれば、自然と「そろそろ終わりかな」というムードになります。


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戸賀 敬城(とが・ひろくに)
編集者、オフィス戸賀代表
1967年東京生まれ。オンラインメディア「J PRIME」編集長、「B.R.ONLINE」顧問を務めるほか、様々なブランドのアンバサダーやコンサルタントとして活動する。2007年から10年ほど男性ファッション誌『MEN'S CLUB』編集長を務め、雑誌不況のなか売り上げをV字回復。定期購読者も約8000人と、他の雑誌ではあり得ない強固な会員組織を作り上げた。ビジネス/プライベートの様子を日々発信しているブログ「トガブロ。」も人気。華やかなライフスタイルとキャラクターが注目を集め、月間平均100万PVを誇る。1年365日中、max364日は仕事の会食で予定が埋まっており、山手線の駅ひとつにつき1店は、会食に使う店リストを持つ。
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(編集者、オフィス戸賀代表 戸賀 敬城)

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