ペット用の防災グッズを実際に準備して分かった「リストに入れるべきもの、外すべきもの」
ロケットニュース242024年3月29日(金)9時0分
このところ関東地方での地震が多い。人間の防災グッズはなんとなく把握できてるし、いざという時は物資の支援も期待できるだろう。しかし猫はどうだ……。猫に限らずペットの優先順位はどうしても下がってしまうだろう。
万が一の時、大事な家族の命は飼い主が守らねばならない。倒壊しかけの家で、猫をキャリーバッグに入れて、食料を詰めて……なんてことをしてる時間はない。そこで、愛猫のために防災グッズを準備することにした。
・キャリーバッグ
本当に最悪の場合、食料は人間のもので代用できないことも無いが、避難する間ずっと猫を小脇に抱えて走ることは不可能だ。移動時や一時的な居住スペースとして絶対にないと困る。実際に準備してみた中で、1番必要性を感じたのが「キャリーバッグ」だった。
プラ製品や凝ったデザインのキャリーもあるが、前後や上蓋がガバっと開き、いざという時に折り畳める柔らかい素材が使いやすい。キャリー内にタオルやブランケットなどを忍ばせておくと、荷物がコンパクトになって良いだろう。
・食料
食料はカリカリ(ドライフード)が500gもあれば、1週間は余裕で過ごせるだろう。左のキャラットミックスは小分け袋で450gなので、これ1つにおやつだけでも十分な量だ。ただ、環境の変化で食欲が落ちる可能性も考慮し、20g前後に小分けされている別味のカリカリも常備しておきたい。賞味期限は半年〜1年前後だ。
あとは、賞味期限が2〜3年と長めのウェットフードも持っておこう。ウェットというくらいだ、カリカリと違って水分補給にもなる。缶詰タイプもあるが、かさ張らないパウチタイプもオススメ。
また、チュールなどの縦長デザインの液状おやつも水分+栄養補給としてオススメ。チュールが嫌いな猫などおらぬ。ストレス環境でも食べてくれる可能性が高いだろう。
それに、この手のタイプは直接食べられるからお皿が要らないのが魅力だ。
あとマストで必要なのはお水だ。緊急時に贅沢は言ってられないが、猫は腎臓機能が弱く、人間の飲むミネラルウォーターだと尿路結石などのリスクがあるのでお水選びには注意が必要。
サントリーによると、猫の飲み水に適しているのは中性の軟水とのこと。よって、硬度の高い水は避けよう。
コンビニで売ってるものだと、「いろはす」や「天然水南アルプス」などは数値クリアだ。2リットルもあればしばらくは安心できる。
・トイレ
車で移動するにしても、避難場所に泊まるにしても、深刻なのがトイレ問題だ。なんせ猫のトイレは臭い。居住スペースを清潔に保つためにも、トイレだけは抜かりなく準備したい。
世の中には、折りたたみ簡易トイレなんて物も存在するが、専用のシートが必要だったりとちょっと面倒臭い。こういう時は、軽くて丈夫、比較的入手しやすく廃棄も楽な「段ボールトイレ」を推奨する。
必要な材料はこちら。
・猫が入れるサイズの段ボール
・ゴミ袋
・ペットシーツ
・トイレ砂
作り方はいたって簡単。
①段ボールにゴミ袋を被せる。
②中にペットシーツを敷く。
③上から砂をかける。
④猫氏のチェック。(簡易トイレ完成)
砂が手元にない場合は古紙をちぎっても良い。トイレ後は匂わない袋を使って処理すればOK。わざわざペット用の袋を買わずとも、ジップロックで十分対応可能だ。
・その他
あると便利だと思われるのは、食料や水分補給の際に使えるシリコン製の折り畳める小皿。今回用意したのは2個で650円のもの。何度も使えて、カラビナでバッグに吊り下げられて場所を取らない。
それから、ハーネス+リードだ。Amazonや楽天で1000〜2000円前後で売っている。
基本的に室内飼いの猫にお散歩は必要ないし、環境の変化に弱い猫自ら探索したがることは少ない。が、大きな物音にびっくりして飛び出すとか、逃げ出してしまう可能性は大いにある。
よほど大人しい猫でもない限り、掃除のために一瞬どこかに居てもらう……というのも3歳児並に難しい。だから持っていて損はない。
あとは、いつ来るかも分からぬ災害。暑い時期、寒い時期には温度調節ができるアイテムがほしいところ。濡らすとひんやりするタオルだったり、カイロや、冷却材は幾つか忍ばせておくと良いだろう。充電の必要もなく、使用期限が3〜5年近くもつ。場合によっては食料保存にも役立つはずだ。
少し余分に詰め込んでも、キャリー以外の備品は、最終的にこの程度の荷物量で済んだ。(1匹分、1週間〜10日想定)
また、せっかくの防災グッズも「逃げる導線」に設置しておかねば意味がない。猫を抱えて玄関へダッシュするとしたら、片手で掴んで逃げれる場所にキャリーと備品を置いておきたい。我が家では玄関脇を定位置に決定した。
今回準備していて思ったのは、1度使ったらそれっきり、だとか、充電しないとダメだとか、必要な時にパッと使えないものはリストから外すべきだということ。物資の少ない緊急時だからこそ、再利用できるものや代用可能なものを視野に入れて準備すると良さそう。
トイレなんかは段ボールにゴミ袋を1枚挟むだけで寿命が伸びるし、充電が必要な電子カイロやハンディ扇風機より、アナログの方が備え向きだったり。実際に準備してみると見えてくるものがあった。一家に1セット、家族を守る備えを。
参考リンク:Amazon「畳めるシリコン皿」、Amazon「犬猫ハーネス」、楽天、サントリー
執筆:こいずみゆか
Photo:RocketNews24.
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万が一の時、大事な家族の命は飼い主が守らねばならない。倒壊しかけの家で、猫をキャリーバッグに入れて、食料を詰めて……なんてことをしてる時間はない。そこで、愛猫のために防災グッズを準備することにした。
・キャリーバッグ
本当に最悪の場合、食料は人間のもので代用できないことも無いが、避難する間ずっと猫を小脇に抱えて走ることは不可能だ。移動時や一時的な居住スペースとして絶対にないと困る。実際に準備してみた中で、1番必要性を感じたのが「キャリーバッグ」だった。
プラ製品や凝ったデザインのキャリーもあるが、前後や上蓋がガバっと開き、いざという時に折り畳める柔らかい素材が使いやすい。キャリー内にタオルやブランケットなどを忍ばせておくと、荷物がコンパクトになって良いだろう。
・食料
食料はカリカリ(ドライフード)が500gもあれば、1週間は余裕で過ごせるだろう。左のキャラットミックスは小分け袋で450gなので、これ1つにおやつだけでも十分な量だ。ただ、環境の変化で食欲が落ちる可能性も考慮し、20g前後に小分けされている別味のカリカリも常備しておきたい。賞味期限は半年〜1年前後だ。
あとは、賞味期限が2〜3年と長めのウェットフードも持っておこう。ウェットというくらいだ、カリカリと違って水分補給にもなる。缶詰タイプもあるが、かさ張らないパウチタイプもオススメ。
また、チュールなどの縦長デザインの液状おやつも水分+栄養補給としてオススメ。チュールが嫌いな猫などおらぬ。ストレス環境でも食べてくれる可能性が高いだろう。
それに、この手のタイプは直接食べられるからお皿が要らないのが魅力だ。
あとマストで必要なのはお水だ。緊急時に贅沢は言ってられないが、猫は腎臓機能が弱く、人間の飲むミネラルウォーターだと尿路結石などのリスクがあるのでお水選びには注意が必要。
サントリーによると、猫の飲み水に適しているのは中性の軟水とのこと。よって、硬度の高い水は避けよう。
コンビニで売ってるものだと、「いろはす」や「天然水南アルプス」などは数値クリアだ。2リットルもあればしばらくは安心できる。
・トイレ
車で移動するにしても、避難場所に泊まるにしても、深刻なのがトイレ問題だ。なんせ猫のトイレは臭い。居住スペースを清潔に保つためにも、トイレだけは抜かりなく準備したい。
世の中には、折りたたみ簡易トイレなんて物も存在するが、専用のシートが必要だったりとちょっと面倒臭い。こういう時は、軽くて丈夫、比較的入手しやすく廃棄も楽な「段ボールトイレ」を推奨する。
必要な材料はこちら。
・猫が入れるサイズの段ボール
・ゴミ袋
・ペットシーツ
・トイレ砂
作り方はいたって簡単。
①段ボールにゴミ袋を被せる。
②中にペットシーツを敷く。
③上から砂をかける。
④猫氏のチェック。(簡易トイレ完成)
砂が手元にない場合は古紙をちぎっても良い。トイレ後は匂わない袋を使って処理すればOK。わざわざペット用の袋を買わずとも、ジップロックで十分対応可能だ。
・その他
あると便利だと思われるのは、食料や水分補給の際に使えるシリコン製の折り畳める小皿。今回用意したのは2個で650円のもの。何度も使えて、カラビナでバッグに吊り下げられて場所を取らない。
それから、ハーネス+リードだ。Amazonや楽天で1000〜2000円前後で売っている。
基本的に室内飼いの猫にお散歩は必要ないし、環境の変化に弱い猫自ら探索したがることは少ない。が、大きな物音にびっくりして飛び出すとか、逃げ出してしまう可能性は大いにある。
よほど大人しい猫でもない限り、掃除のために一瞬どこかに居てもらう……というのも3歳児並に難しい。だから持っていて損はない。
あとは、いつ来るかも分からぬ災害。暑い時期、寒い時期には温度調節ができるアイテムがほしいところ。濡らすとひんやりするタオルだったり、カイロや、冷却材は幾つか忍ばせておくと良いだろう。充電の必要もなく、使用期限が3〜5年近くもつ。場合によっては食料保存にも役立つはずだ。
少し余分に詰め込んでも、キャリー以外の備品は、最終的にこの程度の荷物量で済んだ。(1匹分、1週間〜10日想定)
また、せっかくの防災グッズも「逃げる導線」に設置しておかねば意味がない。猫を抱えて玄関へダッシュするとしたら、片手で掴んで逃げれる場所にキャリーと備品を置いておきたい。我が家では玄関脇を定位置に決定した。
今回準備していて思ったのは、1度使ったらそれっきり、だとか、充電しないとダメだとか、必要な時にパッと使えないものはリストから外すべきだということ。物資の少ない緊急時だからこそ、再利用できるものや代用可能なものを視野に入れて準備すると良さそう。
トイレなんかは段ボールにゴミ袋を1枚挟むだけで寿命が伸びるし、充電が必要な電子カイロやハンディ扇風機より、アナログの方が備え向きだったり。実際に準備してみると見えてくるものがあった。一家に1セット、家族を守る備えを。
参考リンク:Amazon「畳めるシリコン皿」、Amazon「犬猫ハーネス」、楽天、サントリー
執筆:こいずみゆか
Photo:RocketNews24.
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