ラニーニャ現象発生 日本への影響は?
11日(月)、気象庁はエルニーニョ監視速報を発表。ラニーニャ現象が発生しているとみられ、今後春まで続く可能性が高くなっています。
11月の実況と見通し
【11月の実況】
11月のエルニーニョ監視海域の海面水温は基準値より低い値で基準値との差は−1.1◦Cでした。これは2011年11月以来、6年ぶりの振幅です。また、ラニーニャ現象発生の判断に使用している5 か月移動平均値の9 月の値は−0.5◦Cでした。太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高く、中部から東部にかけて平年より低くなりました。海洋表層の水温は西部で平年より高く、中部から東部にかけて平年より低くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、中部の大気下層の東風(貿易風)は平年より強くなりました。このような海洋と大気の状態はラニーニャ現象時の特徴を示しており、ラニーニャ現象が発生しているとみられます。
※ラニーニャ現象とは
太平洋赤道域の中部(日付変更線付近)から南米のペルー沖にかけての広い海域で、海面水温が平年に比べて低くなり、その状態が1年程度続く現象です。
【今後の見通し】
今後、春にかけてラニーニャ現象が続く可能性が高く(60%)なっています。エルニーニョ予測モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温が冬は基準値より低い値で推移し、冬の終わりから春にかけて次第に基準値に近づき、春は基準値より低いか基準値に近い値で推移すると予測しています。
日本の天候への影響は?
ラニーニャ現象が発生すると、日本の冬の気温は平年より低くなることがあり、特に東日本から西日本に寒気が流れ込みやすい傾向があります。気象庁から発表された3か月予報によると、3か月平均では全国的にほぼ平年並みの予想になっていますが、北陸や関東から九州にかけては、平年より低い確率が40%、平年並みの確率が30%、平年より高い確率が30%と、平年より低い確率がわずかに高くなっています。
これは、ラニーニャ現象が発生していてフィリピン付近を中心に積乱雲の発生が多いため、上空の偏西風が中国の東部付近で北に蛇行し、その分日本付近で偏西風が南へ蛇行して東日本や西日本付近に寒気が流れ込みやすいためです。東日本や西日本では、この冬は寒気の影響を受けやすいかもしれません。
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