クリストファー・ノーラン監督、『ゴジラ-1.0』山崎貴監督の『オッペンハイマー』アンサー映画を「ぜひ実現して」
シネマカフェ2024年3月15日(金)19時0分
クリストファー・ノーラン監督最新作『オッペンハイマー』で、自身初となるアカデミー賞作品賞(エマ・トーマス、チャールズ・ローヴェンと共に受賞)&監督賞に輝いたノーラン監督と、日本初となる視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督による対談が実現。その特別対談の映像が解禁となった。
本作は、第二次世界大戦下、世界の運命を握った天才科学者J・ロバート・オッペンハイマーの栄光と没落の生涯を実話に基づいて描く作品。2023年7月の全米公開を皮切りに、世界興収10億ドルに迫る世界的大ヒットを記録。実在の人物を描いた伝記映画としては歴代1位となっている。
特別対談映像は、山崎監督の「知的好奇心を刺激されました」という感想から始まり、「パンドラの箱を開けてしまった人間が、どのような社会的な立ち位置でいたのか。時系列を組み替えながら描いていて、ハードなテーマのエンターテインメントになっている」とコメント。
「凄く面白い、素晴らしい作品。オッペンハイマーが残酷な幻影をみるという、栄光と悲惨さが同じ画面に収められている作り方が凄い」という山崎監督の評価に、ノーラン監督は「私が物語の中で興味があるのは頭脳明晰な人たちが世界を理解し驚くべき創造性を飛躍させテクノロジーを用いてどのようなことを可能にするのか、そしてその裏に潜む恐ろしい暗示です。そのコントラストを映画に映し出し観客のみなさんに直で感じてもらいたい」と応じ、「開発を進めていく先に待ち受けている恐ろしさの片鱗が既に見えているわけです。しかし時代の状況ゆえに行動するしかなかった。その緊張感を観客のみなさんに体験してほしいと思いました」と見どころを明かす。天才物理学者がそのとき何を感じていたのか、その瞬間を観客と共有する“没入体験”を目指したと語っている。
「悪い人間、素晴らしい人間を決めつけていない、その両方が渾然一体となっている」描写に驚嘆したとする山崎監督に、「それは物語を伝える上で大切にしたことでオッペンハイマー役のキリアン・マーフィーともよく話し合いました」とノーラン監督。
「観客にはオッペンハイマーを裁くのではなく理解してほしかったのです。みなさんにこの人物の両面を体験してもらい、彼がした選択について自分だったらどうするか考えてみてほしかった。自分とは考えや立場が全く違う人の、考えや思いがわかるというところが映画の魅力です」と、観客ひとり1人の判断に委ねることを最優先したと語った。
さらに『オッペンハイマー』に触発された山崎監督が「日本が返答の映画を作らねばならない」と宣言すると、ノーラン監督は「アンサー映画を作るのであれば山崎監督以上にふさわしい監督は思い浮かびません。ぜひ実現していただけたらと思います。これからも山崎監督の作品を楽しみにしています」と笑顔で応じる場面も。
さらに、映像へのこだわりについてノーラン監督は、「観客の感覚に訴えかける映画を常に作りたいと思っています。今まで多くの映画をIMAX®用の70ミリフィルムで撮影してきました。驚くほど鮮明で色の再現度が高いからです。大きなスクリーンに投影するとスクリーンの枠が消え映画に没入することができます。劇場の様々なサウンドシステム、音響や音楽との融合によって観客を物語に引き込むことができるのです。こういった没入感をこれからも映画制作で大事にしていきたいです」とコメント。それを受けて山崎監督は「すごい伝わってきました。IMAX®ならではの作品だと思います」と締めくくっていた。
また併せて、本作を鑑賞した著名人からコメントも到着。『バットマン ビギンズ』『インセプション』でノーラン監督作品に出演した渡辺謙は、「今も、この世界を終わらせてしまうかもしれない爆弾を作った男が、細やかに、エキセントリックに描かれていた。彼の幻覚の中にある、被曝の実態を世界はどう見てくれたのか。日本の観客にとっても観ておくべき作品」とコメント。
『福田村事件』の森達也監督は「間違いなくノーランの最高傑作だ」と話し、元広島市長の平岡敬は「彼が感じた世界の破滅への危惧は、いま現実となってわたしたちの世界を覆っている」、広島出身で「この世界の片隅に」の漫画家、こうの史代は『「核兵器は狂気の天才のしわざ」なんて逃げ道は、この映画にはありませんでした」、長崎県被爆者手帳の会友の会 会長の朝長万左男は、「これは核なき世界が遠のきつつある現在の世界の根本問題にもつながる。ここにノーラン監督の政治家の責任を追求する秘めたメッセージが感じられる」とコメントを寄せている。
『オッペンハイマー』は3月29日(金)より全国にて公開。IMAX劇場全国50スクリーン、Dolby Cinema全国10スクリーン、35mmフィルム版109シネマズプレミアム新宿にて同時公開。
本作は、第二次世界大戦下、世界の運命を握った天才科学者J・ロバート・オッペンハイマーの栄光と没落の生涯を実話に基づいて描く作品。2023年7月の全米公開を皮切りに、世界興収10億ドルに迫る世界的大ヒットを記録。実在の人物を描いた伝記映画としては歴代1位となっている。
特別対談映像は、山崎監督の「知的好奇心を刺激されました」という感想から始まり、「パンドラの箱を開けてしまった人間が、どのような社会的な立ち位置でいたのか。時系列を組み替えながら描いていて、ハードなテーマのエンターテインメントになっている」とコメント。
「凄く面白い、素晴らしい作品。オッペンハイマーが残酷な幻影をみるという、栄光と悲惨さが同じ画面に収められている作り方が凄い」という山崎監督の評価に、ノーラン監督は「私が物語の中で興味があるのは頭脳明晰な人たちが世界を理解し驚くべき創造性を飛躍させテクノロジーを用いてどのようなことを可能にするのか、そしてその裏に潜む恐ろしい暗示です。そのコントラストを映画に映し出し観客のみなさんに直で感じてもらいたい」と応じ、「開発を進めていく先に待ち受けている恐ろしさの片鱗が既に見えているわけです。しかし時代の状況ゆえに行動するしかなかった。その緊張感を観客のみなさんに体験してほしいと思いました」と見どころを明かす。天才物理学者がそのとき何を感じていたのか、その瞬間を観客と共有する“没入体験”を目指したと語っている。
「悪い人間、素晴らしい人間を決めつけていない、その両方が渾然一体となっている」描写に驚嘆したとする山崎監督に、「それは物語を伝える上で大切にしたことでオッペンハイマー役のキリアン・マーフィーともよく話し合いました」とノーラン監督。
「観客にはオッペンハイマーを裁くのではなく理解してほしかったのです。みなさんにこの人物の両面を体験してもらい、彼がした選択について自分だったらどうするか考えてみてほしかった。自分とは考えや立場が全く違う人の、考えや思いがわかるというところが映画の魅力です」と、観客ひとり1人の判断に委ねることを最優先したと語った。
さらに『オッペンハイマー』に触発された山崎監督が「日本が返答の映画を作らねばならない」と宣言すると、ノーラン監督は「アンサー映画を作るのであれば山崎監督以上にふさわしい監督は思い浮かびません。ぜひ実現していただけたらと思います。これからも山崎監督の作品を楽しみにしています」と笑顔で応じる場面も。
さらに、映像へのこだわりについてノーラン監督は、「観客の感覚に訴えかける映画を常に作りたいと思っています。今まで多くの映画をIMAX®用の70ミリフィルムで撮影してきました。驚くほど鮮明で色の再現度が高いからです。大きなスクリーンに投影するとスクリーンの枠が消え映画に没入することができます。劇場の様々なサウンドシステム、音響や音楽との融合によって観客を物語に引き込むことができるのです。こういった没入感をこれからも映画制作で大事にしていきたいです」とコメント。それを受けて山崎監督は「すごい伝わってきました。IMAX®ならではの作品だと思います」と締めくくっていた。
また併せて、本作を鑑賞した著名人からコメントも到着。『バットマン ビギンズ』『インセプション』でノーラン監督作品に出演した渡辺謙は、「今も、この世界を終わらせてしまうかもしれない爆弾を作った男が、細やかに、エキセントリックに描かれていた。彼の幻覚の中にある、被曝の実態を世界はどう見てくれたのか。日本の観客にとっても観ておくべき作品」とコメント。
『福田村事件』の森達也監督は「間違いなくノーランの最高傑作だ」と話し、元広島市長の平岡敬は「彼が感じた世界の破滅への危惧は、いま現実となってわたしたちの世界を覆っている」、広島出身で「この世界の片隅に」の漫画家、こうの史代は『「核兵器は狂気の天才のしわざ」なんて逃げ道は、この映画にはありませんでした」、長崎県被爆者手帳の会友の会 会長の朝長万左男は、「これは核なき世界が遠のきつつある現在の世界の根本問題にもつながる。ここにノーラン監督の政治家の責任を追求する秘めたメッセージが感じられる」とコメントを寄せている。
『オッペンハイマー』は3月29日(金)より全国にて公開。IMAX劇場全国50スクリーン、Dolby Cinema全国10スクリーン、35mmフィルム版109シネマズプレミアム新宿にて同時公開。
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