【ネタバレあり】「マンダロリアン」S3・6話:超豪華カメオ出演がマンダロリアンの再会を盛り上げる
シネマカフェ2023年4月7日(金)16時0分
「マンダロリアン」シーズン3・6話「チャプター22:傭兵」では、初登場した惑星である外縁部唯一の民主主義国プラジール15にて、ボ=カターン・クライズと彼女の元を去り、傭兵となったマンダロリアンたちとの胸アツの再会が描かれた。
なんとその惑星の指導者は、『ジュマンジ』シリーズのジャック・ブラック演じるボンバルディエ卿とグラミー賞受賞ラッパー・Lizzo(リゾ)扮する公爵夫人という驚きのカップル! さらに、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ドク役でお馴染みのクリストファー・ロイドまでも登場! 『ジュラシック・ワールド』でも知られる俳優ブライス・ダラス・ハワードがメガホンを取った充実回となった。
ポップな惑星プラジール15のキング&クイーンは?
前回のネヴァロでは触れられていなかったが、銀河中に散らばったマンダロリアンを1つにする橋渡し役になるべく旅に出たボ=カターンに、やはりディン・ジャリン&グローグーも同行していた。
マンダロリアンの教義によれば、それを持つ者が統治者となるダークセイバー。ボ=カターンが手にしていないと知ったアックス・ウォーブスやコスカ・リーヴスら“ナイト・アウル”は彼女の元を去り、傭兵となっていたことが第1話「チャプター17:背教者」で語られていた。彼らは帝国のスター・デストロイヤーで相手を脅かしながら(?)様々な星に雇われていたようだ。
マンダロリアンは高潔だ。第2話「チャプター18:マンダロアの鉱山」にて、ディン・ジャリンはダークセイバーで窮地を救ってくれたボ=カターンへの「恩義を絶対に忘れない」と語っていたが、今回、かつての仲間たちの前でダークセイバーを彼女に贈り、その恩を素晴らしい形で返すことになった。
その舞台となった惑星プラジール15では、帝国時代やクローン戦争時代のバトルドロイドなどが誤作動を引き起こし、時には市民を襲撃することから、マンダロリアンの傭兵たちを雇ったという。彼らを追ってきたボ=カターンとディン・ジャリンはそこでバディのようになって、真相の解明に挑んでいく。米メディア「cinelinx.com」が今回を「CSI:Mando」と名づけたことにも納得する。
帝国没落後、プラジール15初めての民主的選挙で選ばれた指導者がボンバルディエ卿と公爵夫人だ。元帝国の施設計画担当官だったボンバルディエ卿は、“恩赦計画”(アムネスティ・プログラム)でプラジール15に派遣されると、夫人と恋に落ちてしまったという。
その2人を演じるのがジャック・ブラックとリゾという思ってもみなかったサプライズで、SNSが沸いた。しかも、「初対面では懐かない」というディン“パパ”をよそに、リゾこと公爵夫人のもとに(食べ物に釣られて?)ジャンプするグローグーや、頭のてっぺんをナデナデされてご満悦のグローグー、ボ=カターンとディン“パパ”の活躍のおかげで“古代独立摂政騎士団”の一員としてナイトの称号を受けることになったグローグーという名場面も生まれた。これはもう、最高のひと言に尽きる。
ブライス・ダラス・ハワードのSW愛に溢れた演出
今回の監督は、ジョージ・ルーカスと深い親交のあるロン・ハワードを父に持つ、生粋の「スター・ウォーズ」ファンであるブライス・ダラス・ハワード。これまでにも、シーズン1では「スター・ウォーズ」に影響を与えた黒澤明監督の『七人の侍』にオマージュを捧げた「チャプター4:楽園」、シーズン2では水の惑星トラスクでディン・ジャリンがボ=カターンらと初めて出会い、共闘した「チャプター11:後継者」、さらに「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の“マンダロリアン回”「チャプター5:マンダロリアンの帰還」という重要エピソードを手がけてきた。
今回、マンダロリアンの傭兵たちの仕事として、駆け落ちしたクオレンの船長とモン・カラマリの王子の一件が描かれたが、「ロミオとジュリエット」のごとく対立してきた両種族は「チャプター11:後継者」にも登場しており、ブライス監督はきっと彼らのことが大好きなのだ(フロッグ・レディも)。ちなみにモン・カラマリの王子の声はトム・ホランドの弟、ハリー・ホランドが務めている。
そんなブライス監督に全幅の信頼を置いているファンは多いだろう。特に今回は、自分をありのまま受け入れるボディ・ニュートラルの体現者であるリゾを迎え、『スクール・オブ・ロック』で様々な生徒を受け入れたジャック・ブラックに、プラジール15がマンダロリアンの武装・武闘文化をも理解し尊重する“多元的社会”であることを軽やかに語らせた。そのポップで陽気で、最初は若干ちぐはぐに見えた惑星は確かに民主的で、平和的だった(ちぐはぐなのはドロイドが制御しているからだろうか)。
その一方、クリストファー・ロイドが演じたのは、プラジール15の保安部代表ながら“分離主義者”のドゥークー伯爵(久しぶりに聞いた)を信奉するヘルゲイト長官だ。共和国から独立しようとした分離主義者は、クローン戦争を引き起こし銀河帝国を成立させるためにパルパティーン皇帝によって作られたフェイクの造反者たちであるのに、古参の役人がずっとそれを信じ続けていたなんて…。現実世界でもどこかであり得そうな設定だ。
さらに、ドロイドたちの再生も興味深かった。帝国についた人間は“恩赦計画”(アムネスティ・プログラム)によって更生され、ドロイドは市民奉仕用に再プログラムされるが、理屈ありきのドロイドたちは再生したからには人間や知覚種族のために働き続けたい、何かの役に立ち続けたい、とどこまでも真摯である。そんな点にも目を向けさせてくれる、ブライス監督にはやはり信頼しかない。
「マンダロリアン」シーズン3は毎週水曜日にディズニープラスにて独占配信中。
なんとその惑星の指導者は、『ジュマンジ』シリーズのジャック・ブラック演じるボンバルディエ卿とグラミー賞受賞ラッパー・Lizzo(リゾ)扮する公爵夫人という驚きのカップル! さらに、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ドク役でお馴染みのクリストファー・ロイドまでも登場! 『ジュラシック・ワールド』でも知られる俳優ブライス・ダラス・ハワードがメガホンを取った充実回となった。
ポップな惑星プラジール15のキング&クイーンは?
前回のネヴァロでは触れられていなかったが、銀河中に散らばったマンダロリアンを1つにする橋渡し役になるべく旅に出たボ=カターンに、やはりディン・ジャリン&グローグーも同行していた。
マンダロリアンの教義によれば、それを持つ者が統治者となるダークセイバー。ボ=カターンが手にしていないと知ったアックス・ウォーブスやコスカ・リーヴスら“ナイト・アウル”は彼女の元を去り、傭兵となっていたことが第1話「チャプター17:背教者」で語られていた。彼らは帝国のスター・デストロイヤーで相手を脅かしながら(?)様々な星に雇われていたようだ。
マンダロリアンは高潔だ。第2話「チャプター18:マンダロアの鉱山」にて、ディン・ジャリンはダークセイバーで窮地を救ってくれたボ=カターンへの「恩義を絶対に忘れない」と語っていたが、今回、かつての仲間たちの前でダークセイバーを彼女に贈り、その恩を素晴らしい形で返すことになった。
その舞台となった惑星プラジール15では、帝国時代やクローン戦争時代のバトルドロイドなどが誤作動を引き起こし、時には市民を襲撃することから、マンダロリアンの傭兵たちを雇ったという。彼らを追ってきたボ=カターンとディン・ジャリンはそこでバディのようになって、真相の解明に挑んでいく。米メディア「cinelinx.com」が今回を「CSI:Mando」と名づけたことにも納得する。
帝国没落後、プラジール15初めての民主的選挙で選ばれた指導者がボンバルディエ卿と公爵夫人だ。元帝国の施設計画担当官だったボンバルディエ卿は、“恩赦計画”(アムネスティ・プログラム)でプラジール15に派遣されると、夫人と恋に落ちてしまったという。
その2人を演じるのがジャック・ブラックとリゾという思ってもみなかったサプライズで、SNSが沸いた。しかも、「初対面では懐かない」というディン“パパ”をよそに、リゾこと公爵夫人のもとに(食べ物に釣られて?)ジャンプするグローグーや、頭のてっぺんをナデナデされてご満悦のグローグー、ボ=カターンとディン“パパ”の活躍のおかげで“古代独立摂政騎士団”の一員としてナイトの称号を受けることになったグローグーという名場面も生まれた。これはもう、最高のひと言に尽きる。
ブライス・ダラス・ハワードのSW愛に溢れた演出
今回の監督は、ジョージ・ルーカスと深い親交のあるロン・ハワードを父に持つ、生粋の「スター・ウォーズ」ファンであるブライス・ダラス・ハワード。これまでにも、シーズン1では「スター・ウォーズ」に影響を与えた黒澤明監督の『七人の侍』にオマージュを捧げた「チャプター4:楽園」、シーズン2では水の惑星トラスクでディン・ジャリンがボ=カターンらと初めて出会い、共闘した「チャプター11:後継者」、さらに「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の“マンダロリアン回”「チャプター5:マンダロリアンの帰還」という重要エピソードを手がけてきた。
今回、マンダロリアンの傭兵たちの仕事として、駆け落ちしたクオレンの船長とモン・カラマリの王子の一件が描かれたが、「ロミオとジュリエット」のごとく対立してきた両種族は「チャプター11:後継者」にも登場しており、ブライス監督はきっと彼らのことが大好きなのだ(フロッグ・レディも)。ちなみにモン・カラマリの王子の声はトム・ホランドの弟、ハリー・ホランドが務めている。
そんなブライス監督に全幅の信頼を置いているファンは多いだろう。特に今回は、自分をありのまま受け入れるボディ・ニュートラルの体現者であるリゾを迎え、『スクール・オブ・ロック』で様々な生徒を受け入れたジャック・ブラックに、プラジール15がマンダロリアンの武装・武闘文化をも理解し尊重する“多元的社会”であることを軽やかに語らせた。そのポップで陽気で、最初は若干ちぐはぐに見えた惑星は確かに民主的で、平和的だった(ちぐはぐなのはドロイドが制御しているからだろうか)。
その一方、クリストファー・ロイドが演じたのは、プラジール15の保安部代表ながら“分離主義者”のドゥークー伯爵(久しぶりに聞いた)を信奉するヘルゲイト長官だ。共和国から独立しようとした分離主義者は、クローン戦争を引き起こし銀河帝国を成立させるためにパルパティーン皇帝によって作られたフェイクの造反者たちであるのに、古参の役人がずっとそれを信じ続けていたなんて…。現実世界でもどこかであり得そうな設定だ。
さらに、ドロイドたちの再生も興味深かった。帝国についた人間は“恩赦計画”(アムネスティ・プログラム)によって更生され、ドロイドは市民奉仕用に再プログラムされるが、理屈ありきのドロイドたちは再生したからには人間や知覚種族のために働き続けたい、何かの役に立ち続けたい、とどこまでも真摯である。そんな点にも目を向けさせてくれる、ブライス監督にはやはり信頼しかない。
「マンダロリアン」シーズン3は毎週水曜日にディズニープラスにて独占配信中。
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