長澤まさみ、16年を経て得た役者としての凄みと説得力
シネマカフェ2021年5月6日(木)12時0分
山下智久や新垣結衣、小池徹平、中尾明慶、紗栄子…錚々たる顔ぶれをスター街道にのせた、阿部寛主演のドラマ「ドラゴン桜」が16年ぶりに帰ってきた。新たな「ドラゴン桜」で、阿部さん演じる桜木建二が指導したかつての東大クラスの1人であり、今回は桜木と師弟を越えたコンビを組む水野直美を演じているのが長澤まさみだ。
前作を知るファンも、今回始めて触れる人も長澤さんと阿部さんの豪華共演となれば注目必至。「私にとって『ドラゴン桜』は青春が詰まった作品」と話す長澤さんは、今年3月に行われた第44回日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞に輝くなど、この16年の間に俳優として目覚ましい躍進を遂げてきた。
東大を目指す高校生だった“水野”が桜木のバディに
今作は、週刊漫画誌「モーニング」(講談社)にて2018年から連載中の三田紀房による「ドラゴン桜2」が原作。2005年7月期に放送された前作ドラマから15年後を描くが、いまの時代の日曜劇場でやるべきエッセンスを入れた、ドラマオリジナルの展開が予定されている。
脚本は「グランメゾン東京」のParaviオリジナルドラマ「グラグラメゾン東京~平古祥平の揺れる思い~」ほか、「漫画みたいにいかない。」「住住」「素敵な選TAXI」などを手がけてきた放送作家オークラと、阿部さんの主演映画『祈りの幕が下りる時』などの李正美が担当し、新たな風を吹かせようとしている。
前作では、倒産寸前の私立龍山高校で起死回生の再建策として創設された、東大受験のための特別進学クラスの生徒だった水野。小料理屋を営む母親(美保純)は酒と男性関係にだらしがなく、彼女は軽蔑していた。自身は客からのセクハラにも遭い、進路や人生についてもどこか投げやりで希望を持てないでいた。
やがて桜木との出会いで東大を目指すことになるも、母親が倒れたことで受験を断念。今作ではその後、一浪して東大に合格し、弁護士資格を取得して桜木が設立した法律事務所で働いている。「東大を出たら人生が180度変わる」という桜木の教えを実践したわけだ。
龍山高校の一件以降、学校再建のエキスパートとして順風満帆な弁護士人生を歩んでいた桜木だったが、2年前のある出来事がきっかけで行方不明に。それを水野は探し出し、今回の舞台となる偏差値32の龍海学園に立ち上げた東大専科へと引っ張ってくる。その中から5人を東大に合格させなければならない。
「直美ちゃんが立派な大人になって」と感慨深くなる視聴者も少なくないが、桜木と水野は令和の時代の高校生にどう立ち向かっていくのか。「半沢直樹」テイストが若干加味された中、これからが見逃せない。
第1話から世界トレンド1位!令和の生徒たちにも注目
「本当に長く愛されている作品で『好きだった!』と今でも言われることが多く、前作から16年も経っていたという実感が私自身あまりありませんでした」とコメントしていた長澤さん。
前作に出演した2005年は、『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞など多くの映画賞を受賞し、一躍脚光を浴びた直後のこと。それ以降も一線で活躍してきた長澤さんは、『海街diary』でカンヌの地も踏み、台湾や中国の作品にも出演、第22回上海国際映画祭に登場した際には現地のSNSでトレンド入りしたという。
『キングダム』(19)で2度目の日本アカデミー賞最優秀助演女優賞に輝き、続く今年は『MOTHER マザー』『コンフィデンスマンJP -プリンセス編-』(ともに20)の2作品で同・優秀主演女優賞にノミネート、毒親といえる母親役を熱演した前者で初の最優秀主演女優賞を獲得する。後者でも、主人公ダー子役でコメディエンヌとしての魅力を振りまき、悲しい出来事が重なったものの映画第3弾『英雄編』が来年公開予定。『プリンセス編』には「この年で『ドラゴン桜』をやるとは思わなかった…」とこぼす、匂わせ(?)セリフもあった。
前作で新進の若手俳優というポジションだった長澤さんは、名実ともに日本を代表する俳優のひとりとなった。そして今作の龍海学園“東大専科”の生徒役にも次世代を背負うことになるはずの、高橋海人(King&Prince)、平手友梨奈、加藤清史郎、南沙良、鈴鹿央士、志田彩良、細田佳央太が抜擢。さらに、2年前に桜木が表舞台を去った原因となる元生徒役に佐野勇斗、水野の1年後輩で龍山高校から東大を出た起業家に林遣都と豪華な顔ぶれが揃う。
令和の時代の生徒たちは、かつてのコギャルやヤンキーとは全く異なる。物心ついたときからネットやスマホが存在するデジタルネイティブ世代であり、社会全体に停滞ムードが漂って久しいこともあって、「無関心で無気力」と桜木から言われてしまう(もちろん例外も存在するが)。長澤さん演じる水野も、前作第1話で桜木に言われて響いた「バカとブスこそ東大へ行け」という言葉を龍海学園の生徒たちにぶつけてみるが、彼らに届いている様子はない。そもそも、この発言自体、現在のコンプライアンスに照らせば問題発言に当たるだろう。
第3話ではいよいよ“東大専科”の授業開始…
東大合格者を見送るシンボルとして、桜木(阿部寛)が校庭に桜の木を植えた。龍海学園の龍をとって「ドラゴン桜」だ。そんな中、東大専科には天野(加藤清史郎)、菜緒(南沙良)、楓(平手友梨奈)に続いて、偏差値が学年最下位の瀬戸(高橋海人)も加わった。水野(長澤まさみ)は早速ミニテストを行うが、中学レベルの問題にも苦戦する専科メンバーに、桜木はSNSを活用した勉強法を打ち出す。
一方、理事長の久美子(江口のりこ)は専科に生徒が集まり始めたことに焦っていた。もしも東大合格者が5人出たら辞任しなければならない。早めに専科をつぶそうと、対抗する難関大コースを新設し、理系トップの秀才・藤井(鈴鹿央士)を引き入れる。東大専科を見下す藤井に、桜木は「お前に東大は無理だ」と断言。反発した藤井は東大の過去問を使った「東大専科」対「難関大コース」での勝負をもちかけ、負けた方のクラスは即廃止! 存続を賭けた勝負は3週間後。果たしてその行方は…?
日曜劇場「ドラゴン桜」は毎週日曜日21時~TBS系にて放送中。
前作を知るファンも、今回始めて触れる人も長澤さんと阿部さんの豪華共演となれば注目必至。「私にとって『ドラゴン桜』は青春が詰まった作品」と話す長澤さんは、今年3月に行われた第44回日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞に輝くなど、この16年の間に俳優として目覚ましい躍進を遂げてきた。
東大を目指す高校生だった“水野”が桜木のバディに
今作は、週刊漫画誌「モーニング」(講談社)にて2018年から連載中の三田紀房による「ドラゴン桜2」が原作。2005年7月期に放送された前作ドラマから15年後を描くが、いまの時代の日曜劇場でやるべきエッセンスを入れた、ドラマオリジナルの展開が予定されている。
脚本は「グランメゾン東京」のParaviオリジナルドラマ「グラグラメゾン東京~平古祥平の揺れる思い~」ほか、「漫画みたいにいかない。」「住住」「素敵な選TAXI」などを手がけてきた放送作家オークラと、阿部さんの主演映画『祈りの幕が下りる時』などの李正美が担当し、新たな風を吹かせようとしている。
前作では、倒産寸前の私立龍山高校で起死回生の再建策として創設された、東大受験のための特別進学クラスの生徒だった水野。小料理屋を営む母親(美保純)は酒と男性関係にだらしがなく、彼女は軽蔑していた。自身は客からのセクハラにも遭い、進路や人生についてもどこか投げやりで希望を持てないでいた。
やがて桜木との出会いで東大を目指すことになるも、母親が倒れたことで受験を断念。今作ではその後、一浪して東大に合格し、弁護士資格を取得して桜木が設立した法律事務所で働いている。「東大を出たら人生が180度変わる」という桜木の教えを実践したわけだ。
龍山高校の一件以降、学校再建のエキスパートとして順風満帆な弁護士人生を歩んでいた桜木だったが、2年前のある出来事がきっかけで行方不明に。それを水野は探し出し、今回の舞台となる偏差値32の龍海学園に立ち上げた東大専科へと引っ張ってくる。その中から5人を東大に合格させなければならない。
「直美ちゃんが立派な大人になって」と感慨深くなる視聴者も少なくないが、桜木と水野は令和の時代の高校生にどう立ち向かっていくのか。「半沢直樹」テイストが若干加味された中、これからが見逃せない。
第1話から世界トレンド1位!令和の生徒たちにも注目
「本当に長く愛されている作品で『好きだった!』と今でも言われることが多く、前作から16年も経っていたという実感が私自身あまりありませんでした」とコメントしていた長澤さん。
前作に出演した2005年は、『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞など多くの映画賞を受賞し、一躍脚光を浴びた直後のこと。それ以降も一線で活躍してきた長澤さんは、『海街diary』でカンヌの地も踏み、台湾や中国の作品にも出演、第22回上海国際映画祭に登場した際には現地のSNSでトレンド入りしたという。
『キングダム』(19)で2度目の日本アカデミー賞最優秀助演女優賞に輝き、続く今年は『MOTHER マザー』『コンフィデンスマンJP -プリンセス編-』(ともに20)の2作品で同・優秀主演女優賞にノミネート、毒親といえる母親役を熱演した前者で初の最優秀主演女優賞を獲得する。後者でも、主人公ダー子役でコメディエンヌとしての魅力を振りまき、悲しい出来事が重なったものの映画第3弾『英雄編』が来年公開予定。『プリンセス編』には「この年で『ドラゴン桜』をやるとは思わなかった…」とこぼす、匂わせ(?)セリフもあった。
前作で新進の若手俳優というポジションだった長澤さんは、名実ともに日本を代表する俳優のひとりとなった。そして今作の龍海学園“東大専科”の生徒役にも次世代を背負うことになるはずの、高橋海人(King&Prince)、平手友梨奈、加藤清史郎、南沙良、鈴鹿央士、志田彩良、細田佳央太が抜擢。さらに、2年前に桜木が表舞台を去った原因となる元生徒役に佐野勇斗、水野の1年後輩で龍山高校から東大を出た起業家に林遣都と豪華な顔ぶれが揃う。
令和の時代の生徒たちは、かつてのコギャルやヤンキーとは全く異なる。物心ついたときからネットやスマホが存在するデジタルネイティブ世代であり、社会全体に停滞ムードが漂って久しいこともあって、「無関心で無気力」と桜木から言われてしまう(もちろん例外も存在するが)。長澤さん演じる水野も、前作第1話で桜木に言われて響いた「バカとブスこそ東大へ行け」という言葉を龍海学園の生徒たちにぶつけてみるが、彼らに届いている様子はない。そもそも、この発言自体、現在のコンプライアンスに照らせば問題発言に当たるだろう。
第3話ではいよいよ“東大専科”の授業開始…
東大合格者を見送るシンボルとして、桜木(阿部寛)が校庭に桜の木を植えた。龍海学園の龍をとって「ドラゴン桜」だ。そんな中、東大専科には天野(加藤清史郎)、菜緒(南沙良)、楓(平手友梨奈)に続いて、偏差値が学年最下位の瀬戸(高橋海人)も加わった。水野(長澤まさみ)は早速ミニテストを行うが、中学レベルの問題にも苦戦する専科メンバーに、桜木はSNSを活用した勉強法を打ち出す。
一方、理事長の久美子(江口のりこ)は専科に生徒が集まり始めたことに焦っていた。もしも東大合格者が5人出たら辞任しなければならない。早めに専科をつぶそうと、対抗する難関大コースを新設し、理系トップの秀才・藤井(鈴鹿央士)を引き入れる。東大専科を見下す藤井に、桜木は「お前に東大は無理だ」と断言。反発した藤井は東大の過去問を使った「東大専科」対「難関大コース」での勝負をもちかけ、負けた方のクラスは即廃止! 存続を賭けた勝負は3週間後。果たしてその行方は…?
日曜劇場「ドラゴン桜」は毎週日曜日21時~TBS系にて放送中。
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