罪の意識ゼロの美少年、“悪魔の顔”が覗く『永遠に僕のもの』本編映像
シネマカフェ2019年8月19日(月)16時0分
2018年アルゼンチンでメガヒットを記録した、ペドロ・アルモドバルプロデュース作『永遠に僕のもの』。この度、本作で鮮烈な映画デビューを飾ったロレンソ・フェロ扮する、麗しすぎる主人公カルリートスが“悪魔の顔”を覗かせる本編映像を独占入手した。
ブロンドの巻き毛に透き通る瞳、艶やかに濡れた瞳、磁器のように滑らかな白い肌――。17歳の少年、カルリートスは新しい学校で出会った、荒々しい魅力を放つラモンと意気投合し、2人で様々な犯罪に手を染めていく。
今回入手したのは、相棒・ラモン(チノ・ダリン)の自宅へ招かれたカルリートスが、ラモンの父親・ホセ(ダニエル・ファネゴ)から拳銃の使い方を教わる一幕を切り取った本編シーン。
映像冒頭では、ホセがカルリートスの背後から身体を支え、耳元で拳銃の構え方を指南する様子が映し出される。学校帰りの制服姿のまま、ホセやラモンのアドバイスに従い、遂に意を決して、初めて拳銃の引き金を引くカルリートス。発砲した瞬間も、カルリートスは満面の笑みを浮かべながら「最高に気持ちいい」と興奮を隠さない。そんなカルリートスは以前盗みを働いた際、銃を向けられたときのことを「さすがに怖かった」とふり返りながらも、「盗みなんて簡単だ。いつもやってる。住民に会っても平気で挨拶する」と飄々と語るカルリートスの“悪魔的一面”が映し出されるところで、映像は締めくくられている。
カルリートスのモデルとなったのは、1971年にブエノスアイレスで殺人と強盗で逮捕され、その美しいビジュアルで時に“ブラックエンジェル”と呼ばれた実在の人物、カルロス・エディアルド・ロブレド・プッチ。複雑な魅力を合わせ持つロブレドからアイディアを得て、「怪物ロブレド」とはいくぶん異なる架空のキャラクター「カルリートス」を生み出したのが、メガホンを取ったルイス・オルテガ監督だ。
カルリートスは、自分が何をしているのか、自分でもよく理解していないキャラクター。ロブレドの本質を変更した理由について説明するために、監督は自身の少年時代をこうふり返る。「なぜか幼いころから、犯罪というものに惹かれていた。映画の様々なキャラクターと出会うにつれて、ますます犯罪に魅力を感じるようになった。とにかく始めは、自分の目で見たいと思っていたけれど、実際は身体がアドレナリンの放出を求めていたようだ。それは、犯罪と得られる感覚と同じものだろう。ティーンエイジャーになって、ストリートにたむろしていた頃に、暴力の現実を目の当たりにしたんだ。そのあまりの過激さは、狂っているという言葉では言い尽くせなかったね」。
そんな体験をしたオルテガ監督は、「暴力の本質を見てしまったからこそ、強盗から殺人鬼になった少年の物語を撮ろうと決めた時、悪を描くのではなく、美しいもの、観客への贈り物になるような作品にしようと考えた」と打ち明ける。
銃を手にしても、盗みを働くことに対しても罪悪感すらまったく感じさせないカルリートス。その“悪魔的一面”が切り取られているにも関わらず、どこか憎めない、カルリートスの美しさが凝縮された本映像からも、監督の言葉に納得できる世界観に仕上がっていることが伺える。
『永遠に僕のもの』は渋谷シネクイント、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開中。
ブロンドの巻き毛に透き通る瞳、艶やかに濡れた瞳、磁器のように滑らかな白い肌――。17歳の少年、カルリートスは新しい学校で出会った、荒々しい魅力を放つラモンと意気投合し、2人で様々な犯罪に手を染めていく。
今回入手したのは、相棒・ラモン(チノ・ダリン)の自宅へ招かれたカルリートスが、ラモンの父親・ホセ(ダニエル・ファネゴ)から拳銃の使い方を教わる一幕を切り取った本編シーン。
映像冒頭では、ホセがカルリートスの背後から身体を支え、耳元で拳銃の構え方を指南する様子が映し出される。学校帰りの制服姿のまま、ホセやラモンのアドバイスに従い、遂に意を決して、初めて拳銃の引き金を引くカルリートス。発砲した瞬間も、カルリートスは満面の笑みを浮かべながら「最高に気持ちいい」と興奮を隠さない。そんなカルリートスは以前盗みを働いた際、銃を向けられたときのことを「さすがに怖かった」とふり返りながらも、「盗みなんて簡単だ。いつもやってる。住民に会っても平気で挨拶する」と飄々と語るカルリートスの“悪魔的一面”が映し出されるところで、映像は締めくくられている。
カルリートスのモデルとなったのは、1971年にブエノスアイレスで殺人と強盗で逮捕され、その美しいビジュアルで時に“ブラックエンジェル”と呼ばれた実在の人物、カルロス・エディアルド・ロブレド・プッチ。複雑な魅力を合わせ持つロブレドからアイディアを得て、「怪物ロブレド」とはいくぶん異なる架空のキャラクター「カルリートス」を生み出したのが、メガホンを取ったルイス・オルテガ監督だ。
カルリートスは、自分が何をしているのか、自分でもよく理解していないキャラクター。ロブレドの本質を変更した理由について説明するために、監督は自身の少年時代をこうふり返る。「なぜか幼いころから、犯罪というものに惹かれていた。映画の様々なキャラクターと出会うにつれて、ますます犯罪に魅力を感じるようになった。とにかく始めは、自分の目で見たいと思っていたけれど、実際は身体がアドレナリンの放出を求めていたようだ。それは、犯罪と得られる感覚と同じものだろう。ティーンエイジャーになって、ストリートにたむろしていた頃に、暴力の現実を目の当たりにしたんだ。そのあまりの過激さは、狂っているという言葉では言い尽くせなかったね」。
そんな体験をしたオルテガ監督は、「暴力の本質を見てしまったからこそ、強盗から殺人鬼になった少年の物語を撮ろうと決めた時、悪を描くのではなく、美しいもの、観客への贈り物になるような作品にしようと考えた」と打ち明ける。
銃を手にしても、盗みを働くことに対しても罪悪感すらまったく感じさせないカルリートス。その“悪魔的一面”が切り取られているにも関わらず、どこか憎めない、カルリートスの美しさが凝縮された本映像からも、監督の言葉に納得できる世界観に仕上がっていることが伺える。
『永遠に僕のもの』は渋谷シネクイント、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開中。
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