【インタビュー】鈴木おさむが明かす「酒癖50」制作秘話「ドス黒く輝くものを作りたい」
シネマカフェ2021年8月19日(木)17時30分
ABEMA新作オリジナルドラマ「酒癖50」が7月15日(木)より放送開始となった。小出恵介主演、全6話構成で酒によってあぶり出される人間の本当の弱さや醜さをリアルに描く。本作の脚本を担当したのは、これまでもABEMAとタッグを組み話題作を世に放ち続けている鈴木おさむ。直接、本作に込めた想いを聞いた。
「他がやってないもの、ドス黒く輝くものを作りたい」
――なぜ今回「お酒によってあぶり出される人間の本当の弱さや醜さ」をテーマに作品を作ろうと思われたのでしょうか?
最初のABEAMとの会議で、「酒癖が悪い人ってどの会社にもいるよね」って話から「そんな人たちが観た時にとんでもなく後悔したり、ハッとしたりするような教習ビデオみたいなものが作れないかな」という話から始まりました。
――なかなかエッジの効いたテーマで、“さすがABEMA”という内容に仕上がっていますもんね。
ABEMAの方からの“他がやってないものを作りたい、ABEMAの中でドス黒く輝くものを作りたい”という気概を感じて、僕も振り切って作ろうと決めました。
――今回、初めて小林勇貴監督と組まれてみていかがでしたか?
『全員死刑』とか観ているとクレイジーだったり、寡黙で面倒くさい人なのかなと思ったんですけど(笑)、会ってみるとめちゃくちゃ社交的な人で。僕が1話ごとにプロットを出すと、物語の「背骨」になる部分を掲げてくれるので、対話しながら作っていくのが楽しかったです。
小出恵介はじめ各話キャスティングの理由とは
――鈴木おさむ作品と言えば、キャスティングも見どころの一つかと思いますが、今回特にどんな点を意識されてキャスティングに当られたのでしょうか?
元々、主人公の酒野役を小出恵介さんにというのはABEMAの制作サイドから出てきたアイディアで、彼が演るからこその説得力が作品に宿ると思いました。ビートたけしさんが昔、昭和の実在する殺人者シリーズを演じていて、すごい怖さや説得力があったんですね。今回の『酒癖50』は小出くんが演ることに意味があると思いました。
各回のキャストでは、お芝居が上手い人に演じてもらってドラマの質を高めていくことを意識しました。浅香航大さんは『見えない目撃者』のお芝居が半端なくて大好きなので、1話では彼に主演を演ってもらいたいと思っていました。
――第3話では般若さんも出演されていてビックリしました。
上司役で怖いイメージがありながらも、最後の展開を踏まえて一番ギャップがある人って誰だろうと考えた時に般若さんが思い浮かびました。僕も「フリースタイルダンジョン」からのお付き合いだったので、色々と無理を聞いて下さり愛を持って演じて下さったなぁと感謝しています。
――キャスティングが一番難しかったのはどの回ですか?
第4話は特に女性が観た時に胸糞が悪い内容になっているので、かなり気をつけて作りました。しずるの村上くんは芸人なので、胸糞の悪さよりもバカバカしさが出て、キャラクターにフィクション感が出るかなと思って決めました。結末も相まってざまあみろ感も出て、彼に演じてもらったことで生々しさは軽減されたと思います。
――第5話からは小池徹平さんもゲスト出演されるようですね。
小池徹平さんの役の名前が「武山」なんですけど、小出くんと小池くんが「ごくせん」(第2シリーズ)で共演していてその時の小池くんの役が「タケ」(武田啓太)と呼ばれていたので。それで「タケ」がつく名前にしました。
作品がすごくバッドテイストなので相当キャスティングにも苦労したんですが、小池くんが心意気で引き受けてくれました。きっと小出くんの背中を押したいという気持ちもあったんだろうなと思います。
“物語のうねり部分”を見せて物語に仕上げる
――全6話いうことですが、鈴木さんとして一番思い入れが強いのは第何話でしょうか。
全部思い入れは強いですね。第1話が方向性を示すという意味では手探りで作っていったので思い入れは強いです。第5・6話は、小出くんの人生と重なるところがあるからこそ、彼自身もすごい力を発揮してくれるんじゃないかと思いますし、見応えはあると思います。
今回、第1話~第4話まで毎話バッドエンドが続いて、第5・6話で主人公の過去などドラマの主軸となるような物語のうねり部分を見せて作品全体の物語に仕上げるという構成上も新しい実験を試みることができました。
――鈴木さんは飲酒を交えたコミュニケーション=“飲みニケーション”でないと成立しない関係性ってあると思いますか?
人が気を抜いてリラックスしている関係性だからこそ生まれるものはあると思います。ただ、それは相手もお酒が好きでそれを望んでいる場合には、ですね。酒の力を利用して口説こうとしたり、付け込んだりするのはいけないよねっていうのが今回の作品のテーマですね。ゴルフや麻雀、旅行なんかの趣味で、自分の素が出るものであれば、何も飲み二ケーションに限った話でもないかなと思います。
――最後に本作をどんな方に観て欲しいか、見どころと一緒に教えて下さい。
仕事していてちょっと悩んでいたりムカつくことって誰にでもあるじゃないですか。入り口は酒なんですけど、酒を外したところでも会社でよくある辛いことや理不尽なことをここまで露わに表現した作品ってあんまりないんじゃないのかなと思うんです。そこがリアルで、皆さんに観てもらえるとスカッとすると思います。
「他がやってないもの、ドス黒く輝くものを作りたい」
――なぜ今回「お酒によってあぶり出される人間の本当の弱さや醜さ」をテーマに作品を作ろうと思われたのでしょうか?
最初のABEAMとの会議で、「酒癖が悪い人ってどの会社にもいるよね」って話から「そんな人たちが観た時にとんでもなく後悔したり、ハッとしたりするような教習ビデオみたいなものが作れないかな」という話から始まりました。
――なかなかエッジの効いたテーマで、“さすがABEMA”という内容に仕上がっていますもんね。
ABEMAの方からの“他がやってないものを作りたい、ABEMAの中でドス黒く輝くものを作りたい”という気概を感じて、僕も振り切って作ろうと決めました。
――今回、初めて小林勇貴監督と組まれてみていかがでしたか?
『全員死刑』とか観ているとクレイジーだったり、寡黙で面倒くさい人なのかなと思ったんですけど(笑)、会ってみるとめちゃくちゃ社交的な人で。僕が1話ごとにプロットを出すと、物語の「背骨」になる部分を掲げてくれるので、対話しながら作っていくのが楽しかったです。
小出恵介はじめ各話キャスティングの理由とは
――鈴木おさむ作品と言えば、キャスティングも見どころの一つかと思いますが、今回特にどんな点を意識されてキャスティングに当られたのでしょうか?
元々、主人公の酒野役を小出恵介さんにというのはABEMAの制作サイドから出てきたアイディアで、彼が演るからこその説得力が作品に宿ると思いました。ビートたけしさんが昔、昭和の実在する殺人者シリーズを演じていて、すごい怖さや説得力があったんですね。今回の『酒癖50』は小出くんが演ることに意味があると思いました。
各回のキャストでは、お芝居が上手い人に演じてもらってドラマの質を高めていくことを意識しました。浅香航大さんは『見えない目撃者』のお芝居が半端なくて大好きなので、1話では彼に主演を演ってもらいたいと思っていました。
――第3話では般若さんも出演されていてビックリしました。
上司役で怖いイメージがありながらも、最後の展開を踏まえて一番ギャップがある人って誰だろうと考えた時に般若さんが思い浮かびました。僕も「フリースタイルダンジョン」からのお付き合いだったので、色々と無理を聞いて下さり愛を持って演じて下さったなぁと感謝しています。
――キャスティングが一番難しかったのはどの回ですか?
第4話は特に女性が観た時に胸糞が悪い内容になっているので、かなり気をつけて作りました。しずるの村上くんは芸人なので、胸糞の悪さよりもバカバカしさが出て、キャラクターにフィクション感が出るかなと思って決めました。結末も相まってざまあみろ感も出て、彼に演じてもらったことで生々しさは軽減されたと思います。
――第5話からは小池徹平さんもゲスト出演されるようですね。
小池徹平さんの役の名前が「武山」なんですけど、小出くんと小池くんが「ごくせん」(第2シリーズ)で共演していてその時の小池くんの役が「タケ」(武田啓太)と呼ばれていたので。それで「タケ」がつく名前にしました。
作品がすごくバッドテイストなので相当キャスティングにも苦労したんですが、小池くんが心意気で引き受けてくれました。きっと小出くんの背中を押したいという気持ちもあったんだろうなと思います。
“物語のうねり部分”を見せて物語に仕上げる
――全6話いうことですが、鈴木さんとして一番思い入れが強いのは第何話でしょうか。
全部思い入れは強いですね。第1話が方向性を示すという意味では手探りで作っていったので思い入れは強いです。第5・6話は、小出くんの人生と重なるところがあるからこそ、彼自身もすごい力を発揮してくれるんじゃないかと思いますし、見応えはあると思います。
今回、第1話~第4話まで毎話バッドエンドが続いて、第5・6話で主人公の過去などドラマの主軸となるような物語のうねり部分を見せて作品全体の物語に仕上げるという構成上も新しい実験を試みることができました。
――鈴木さんは飲酒を交えたコミュニケーション=“飲みニケーション”でないと成立しない関係性ってあると思いますか?
人が気を抜いてリラックスしている関係性だからこそ生まれるものはあると思います。ただ、それは相手もお酒が好きでそれを望んでいる場合には、ですね。酒の力を利用して口説こうとしたり、付け込んだりするのはいけないよねっていうのが今回の作品のテーマですね。ゴルフや麻雀、旅行なんかの趣味で、自分の素が出るものであれば、何も飲み二ケーションに限った話でもないかなと思います。
――最後に本作をどんな方に観て欲しいか、見どころと一緒に教えて下さい。
仕事していてちょっと悩んでいたりムカつくことって誰にでもあるじゃないですか。入り口は酒なんですけど、酒を外したところでも会社でよくある辛いことや理不尽なことをここまで露わに表現した作品ってあんまりないんじゃないのかなと思うんです。そこがリアルで、皆さんに観てもらえるとスカッとすると思います。
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