【インタビュー】アンセル・エルゴートの止まらない“音楽愛”「頭の中にいつも音楽が流れている」
シネマカフェ2017年8月21日(月)17時0分
スリリングな犯罪劇、クレイジーなカーチェイス、応援したくなるラブストーリー、それらすべてにリンクする劇中音楽、メロディに合わせて動き、歩き、車を操るチャーミングなアンセル・エルゴート! とびっきり素敵な要素がたっぷり詰め込まれた『ベイビー・ドライバー』は、主人公の若き天才ドライバー、その名も“ベイビー”を演じたアンセルにとっても「たくさんのワクワクが詰まっている作品」だったという。
「脚本を読んだとき、本当にワクワクさせられたんだ。物語と音楽が密接につながっているのも完全にユニークだったしね。ベイビーは強盗団の運転手をし、耳の不自由な里親と暮らしている。そんな彼を演じるのは、運転をし、手話を使い、アクションをし、音楽に合わせた動きもマスターするということ。そのすべてが挑戦だったし、撮影前の1か月間はサマーキャンプ状態だったよ。運転のレッスン、手話のレッスン、パルクールを取り入れたアクションのレッスン、振り付けのレッスンを1日12時間受け続ける毎日だった」。
事故の後遺症で耳鳴りに悩まされるベイビーにとって、iPodから流れる音楽こそが治療薬。運転をするときも音楽は欠かせない。その設定を活かし、劇中のベイビーや彼の車はiPodの曲とシンクロした動きを見せるのだが、「僕も彼と同じように、運転中は基本的に音楽をかけている。撮影前の僕は、そこそこのドライバーだったけどね(笑)」とアンセルは明かす。
「ニューヨーク市内からロングアイランド付近までを問題なく運転できるレベルかな。ただ、マニュアル車を運転したことはなかったから、撮影のために学ぶ必要があった。おかげでドリフトもできるようになったよ。もちろん、音楽つきでね。毎日って忙しいものだから、1枚のアルバムを最初から最後まで聴く時間を持つのが意外と難しい。僕にとって車の中は、音楽を集中して聴けるパーフェクトな空間なんだ。聴きそびれていたアルバムを聴いたりしてね。いい曲が流れたら、ちょっと踊ったりもするかも(笑)」。
ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンの「ベルボトムズ」を聴きながらベイビーがミッションに臨む冒頭に始まり、劇中にはエドガー・ライト監督セレクトの様々なナンバーが。アンセルの「いい曲」は、それらとも「だいぶマッチしている」と言う。
「クイーンはもともと大ファンだったし、バリー・ホワイトもアルバムごと僕のiPodに入っている。それに、いままでに聴いた中で最も好きな曲の1つが、コモドアーズの『イージー』。だからエドガーが本編に取り入れてくれたのだけど。すごくいいなと思ったのは、幅広い選曲でありながら、全部の曲がタイムレスな魅力を持っているところ。さらに面白いのは、それぞれのアーティストの一番のヒット曲を使っているわけではないところだよね。クイーンだったら、『ボヘミアン・ラプソディ』じゃなくて『ブライトン・ロック』。B面セレクトな感じが好きだな」。
音楽について語り始めると、目の輝きが増すのも納得。アンセルはミュージシャンでもあり、2015年には“DJアンソロ”として日本の音楽フェスにも参加した。しかし、オペラ演出家の母を持ち、9歳からバレエを習っていたともいうアンセル。クラシックな家庭で育った彼がいまやDJとなり、『ベイビー・ドライバー』の楽曲たちを愛するのはなかなかの方向転換にも思える。
「父もクラシックやジャズが好きだしね。たしかにクラシックな家庭だったよ。子どもの頃は、レナード・バーンスタインやジョージ・ガーシュウィンのアルバムを父からプレゼントされた。『ラプソディ・イン・ブルー』を聴きながら眠るような子どもだったね(笑)。そうやって慣れ親しんだメロディは、いつまで経っても忘れないものだよ。ただ、いい音楽にジャンルは関係ないのもたしかで、音楽がほかのアートと違うのは、その人がその曲にいつ出会ったのかが大きく関わってくるところ。年齢によって好みも変わるだろうしね。だから、僕も若者としてまずはヒップホップに目覚め(笑)、次はEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)に没頭し、好みが広がっていった。でも、両親が僕に音楽を愛する気持ちを教えてくれたのは間違いないよ。頭の中にいつも音楽が流れているのは、両親のおかげだと思う」。
「頭の中にいつも音楽が流れている」とは、さすがは“ベイビー”。「ヒットしたから続編! とスタジオはビジネスに走りがちだけど、エドガーは作るべき作品じゃなければ作らない人だろうから」と前置きした上で、続編にも意欲を見せる。一方、『ベイビー・ドライバー』はいわば“車が踊るミュージカル”だったが、キャストが歌って踊る正統派のミュージカルにも興味があるそう。実際、アンセルは美声の持ち主でもある。
「実は、ミュージカルはすごくやりたいと思っていることの1つなんだ。映画でも、舞台でもね。近いうちに、出演できる日が来たらいいな」。
「脚本を読んだとき、本当にワクワクさせられたんだ。物語と音楽が密接につながっているのも完全にユニークだったしね。ベイビーは強盗団の運転手をし、耳の不自由な里親と暮らしている。そんな彼を演じるのは、運転をし、手話を使い、アクションをし、音楽に合わせた動きもマスターするということ。そのすべてが挑戦だったし、撮影前の1か月間はサマーキャンプ状態だったよ。運転のレッスン、手話のレッスン、パルクールを取り入れたアクションのレッスン、振り付けのレッスンを1日12時間受け続ける毎日だった」。
事故の後遺症で耳鳴りに悩まされるベイビーにとって、iPodから流れる音楽こそが治療薬。運転をするときも音楽は欠かせない。その設定を活かし、劇中のベイビーや彼の車はiPodの曲とシンクロした動きを見せるのだが、「僕も彼と同じように、運転中は基本的に音楽をかけている。撮影前の僕は、そこそこのドライバーだったけどね(笑)」とアンセルは明かす。
「ニューヨーク市内からロングアイランド付近までを問題なく運転できるレベルかな。ただ、マニュアル車を運転したことはなかったから、撮影のために学ぶ必要があった。おかげでドリフトもできるようになったよ。もちろん、音楽つきでね。毎日って忙しいものだから、1枚のアルバムを最初から最後まで聴く時間を持つのが意外と難しい。僕にとって車の中は、音楽を集中して聴けるパーフェクトな空間なんだ。聴きそびれていたアルバムを聴いたりしてね。いい曲が流れたら、ちょっと踊ったりもするかも(笑)」。
ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンの「ベルボトムズ」を聴きながらベイビーがミッションに臨む冒頭に始まり、劇中にはエドガー・ライト監督セレクトの様々なナンバーが。アンセルの「いい曲」は、それらとも「だいぶマッチしている」と言う。
「クイーンはもともと大ファンだったし、バリー・ホワイトもアルバムごと僕のiPodに入っている。それに、いままでに聴いた中で最も好きな曲の1つが、コモドアーズの『イージー』。だからエドガーが本編に取り入れてくれたのだけど。すごくいいなと思ったのは、幅広い選曲でありながら、全部の曲がタイムレスな魅力を持っているところ。さらに面白いのは、それぞれのアーティストの一番のヒット曲を使っているわけではないところだよね。クイーンだったら、『ボヘミアン・ラプソディ』じゃなくて『ブライトン・ロック』。B面セレクトな感じが好きだな」。
音楽について語り始めると、目の輝きが増すのも納得。アンセルはミュージシャンでもあり、2015年には“DJアンソロ”として日本の音楽フェスにも参加した。しかし、オペラ演出家の母を持ち、9歳からバレエを習っていたともいうアンセル。クラシックな家庭で育った彼がいまやDJとなり、『ベイビー・ドライバー』の楽曲たちを愛するのはなかなかの方向転換にも思える。
「父もクラシックやジャズが好きだしね。たしかにクラシックな家庭だったよ。子どもの頃は、レナード・バーンスタインやジョージ・ガーシュウィンのアルバムを父からプレゼントされた。『ラプソディ・イン・ブルー』を聴きながら眠るような子どもだったね(笑)。そうやって慣れ親しんだメロディは、いつまで経っても忘れないものだよ。ただ、いい音楽にジャンルは関係ないのもたしかで、音楽がほかのアートと違うのは、その人がその曲にいつ出会ったのかが大きく関わってくるところ。年齢によって好みも変わるだろうしね。だから、僕も若者としてまずはヒップホップに目覚め(笑)、次はEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)に没頭し、好みが広がっていった。でも、両親が僕に音楽を愛する気持ちを教えてくれたのは間違いないよ。頭の中にいつも音楽が流れているのは、両親のおかげだと思う」。
「頭の中にいつも音楽が流れている」とは、さすがは“ベイビー”。「ヒットしたから続編! とスタジオはビジネスに走りがちだけど、エドガーは作るべき作品じゃなければ作らない人だろうから」と前置きした上で、続編にも意欲を見せる。一方、『ベイビー・ドライバー』はいわば“車が踊るミュージカル”だったが、キャストが歌って踊る正統派のミュージカルにも興味があるそう。実際、アンセルは美声の持ち主でもある。
「実は、ミュージカルはすごくやりたいと思っていることの1つなんだ。映画でも、舞台でもね。近いうちに、出演できる日が来たらいいな」。
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