北朝鮮の男女16人「堕落した腰振り」で吊し上げの刑
韓国軍合同参謀本部は14日、北朝鮮が同日午後2時55分ごろ、首都・平壌付近から中距離級と推定される弾道ミサイル1発を日本海側に発射したと発表した。ミサイルは約1千キロ飛行し、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したという。
これを受け、各メディアは「新年になって初」と報道している。確かにそうだが、もはや北朝鮮の行動には新年も旧年もなにもない。単に金正恩総書記の思う通りにやることをやるのであって、当面はそれが過激化することはあっても、大人しくなりそうな要素は見当たらない。
それは国内でも同様だ。デイリーNKの内部情報筋は新年早々から、公開闘争会議――つまりは公開裁判の情報を伝えてきた。
今回、吊し上げられたのは平壌市の「5万世帯住宅建設事業」に動員されている突撃隊(半強制の建設ボランティア)の青年男女16人で、容疑は例によって反動思想文化排撃法違反である。会議の進行役は彼らの「罪状」を次のように告発した。
「彼らが大勢の前で見せた堕落した腰振りダンス、祖国愛に満ちた忠誠の歌の代わりに披露した、意味不明な音楽と歌詞で汚染された歌、彼らどうしで話す言語はすべて南朝鮮(韓国)式のものだった」
要するに、突撃隊どうしの「娯楽会(レクリエーション)」で、韓国風の歌や踊りを披露したというものだ。
彼らはこうした「罪」のために数時間にわたって吊し上げられ、3カ月間の強制労働などの処分を受けたという。もっとも、突撃隊そのものが危険な工事現場での強制労働のようなものであり、日常と刑罰との間にどれほどの差があるのかは詳らかでない。
同様の罪で懲役刑などになる例が少なくないのを考えれば、むしろ幸運なケースと言えるだろう。彼らがおそらく平壌出身であることを考えれば、親戚などを通じ有力者につながるコネがあるのかもしれない。
だがいずれにせよ、北朝鮮当局はこうした行為に対する締め付けをいっそう強めるだろう。金正恩氏が、韓国は「主敵」であると改めて強調しているためだ。すでに、韓流がらみで死刑になった例は少なからず見られているが、今後はいっそう激しい弾圧の嵐が吹き荒れる可能性がある。
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