デフレ収束?中国の消費者物価指数が半年ぶりに上昇―独メディア
9日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国の2月の消費者物価指数(CPI)が昨年8月以降で初めて対前年比プラスとなったことを報じた。
2024年3月9日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国の2月の消費者物価指数(CPI)が昨年8月以降で初めて対前年比プラスとなったことを報じた。
記事は、中国国家統計局が9日に発表した2月のCPIが前年同期比0.7%増となり、昨年8月以来久しぶりにプラスに転じたと紹介。同局の関係者がその要因について、春節(旧正月)の食品需要増加、悪天候による生鮮食料品の価格上昇、春節の移動や文化・娯楽消費ニーズの高まり、国際的な原油価格の上昇などを挙げたことを伝えた。
一方で、中国では毎年春節期間にCPIが対前年比でプラスになる傾向があり、今年の上げ幅は去年に比べると低いと指摘。業界関係者からは「春節の要素を考えれば、現時点で中国のデフレが終わったと見るのは時期尚早。内需は依然としてかなり疲弊しており、不動産販売も安定傾向が見られない」との見方も出ていると紹介した。
また、同日に発表された2月の生産者物価指数(PPI)が春節の影響もあって同2.7%減となり、1月よりも下げ幅が拡大したことが明らかになったこと、1週間前に発表された2月の購買担当者景気指数(PMI)は49.1で、景況を判断する基準値とされる50を5カ月連続で下回ったことを併せて伝えている。
その上で、李強(リー・チアン)首相が先日の全国人民代表大会(全人代)会議で今年の経済成長率目標を5%とする一方で、経済状況を鑑みると決して簡単な数字ではないとの見解を示したと紹介。「現在の中国経済においてデフレが最重要問題の一つになっている。価格下落は消費者の購買意欲を増進する一方で、さらなる値下げを期待する様子見の空気も生み、値下げが止まらない負の循環を招く。需要の不足は企業の収益性低下や生産削減、人員削減につながる」とした。
記事は、多くの投資家が中国政府に対し、疲弊した経済に活気を与える強力な措置を講じるよう呼び掛けているものの、全人代会議で今年の財政赤字目標が昨年同様対国内総生産(GDP)比3%とされたことから「中国政府が大規模な経済刺激策を打ち出す可能性は低い」との見方を示した。(翻訳・編集/川尻)
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