ドイツ大手自動車メーカー、EUの中国車に対する課税に反対「逆効果になる」―中国メディア
10日、環球時報は、欧州が中国産電気自動車(EV)の反ダンピング調査を進めていることについて、ドイツの自動車メーカーからは「逆効果だ」との声が出ていると報じた。
2024年5月10日、中国メディアの環球時報は、欧州が中国産電気自動車(EV)の反ダンピング調査を進めていることについて、ドイツの自動車メーカーからは「逆効果だ」との声が出ていると報じた。
記事は、ドイツ紙ディ・ヴェルトが9日に報じた内容として、BMWグループのオリバー・ティプセ最高経営責任者(CEO)が先日、EUの中国産EVに対する相殺関税の賦課を視野に入れた反ダンピング調査を進めていることについて、ドイツの自動車産業により大きなダメージをもたらすとして「このような関税を課すことに対する警告を引き続き発する」とコメントしたと伝えた。
そして、中国のEVメーカーが自国内で大きな生産過剰を起こし、欧州で過剰分の消化を狙っているというEUの懸念についてティプセ氏が「現在、中国メーカーのドイツや欧州市場シェアは1%未満だ」と指摘するとともに、「われわれは、EUの言うようなひどい状況にならないという自信を持っており、業界が保護を受ける必要があるとは認識していない」述べたことを紹介。むしろEUによる関税は、グローバル展開を強みとする地元自動車メーカーにとって中国市場の喪失という大打撃を受けることになるとの見方を示したとしている。
記事によると、ティプセ氏はさらに「欧州と中国の依存関係は最終製品にとどまらず、部品や原料にも及んでいる。中国の部品を使用しない自動車などEUには存在しない」と指摘したほか、中国からの資源が手に入らなければEUが掲げる炭素排出削減計画も頓挫することになるとも述べたという。
記事はさらに、フォルクスワーゲンのブランド責任者も先日英紙フィナンシャル・タイムズ主催のイベントの中で、同社がEV分野の公平な競争を支持することを表明すると同時に、中国産EVの関税を引き上げないよう警告したと紹介。制裁関税を受けた中国が講じるであろう報復措置が同社にとって非常に大きなリスクであるとの認識を示したと伝えるとともに、メルセデス・ベンツのオラ・ケレニウスCEOも3月に中国産EVに対する関税引き下げを主張していたと報じた。(翻訳・編集/川尻)
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