レストランのヤミ営業で外貨稼ぎに勤しむ北朝鮮
ロシア保健省の発表によると、12日の時点での新型コロナウイルスの感染者数は累積で72万7167人。新規感染者の増加は1日1万人を超えていた5月に比べると幾分落ち着いた感があるものの、依然として6〜7000人に達している。
ロシア極東、北朝鮮と国境を接する沿海州当局の発表によると、今月13日の新規感染者は54人。うち、ウラジオストクは39人だ。首都・モスクワから3ヶ月ほど遅れて感染者が急増、先月15日の104人に達したが、それ以降は減少傾向にある。
そんな中で北朝鮮は、ウラジオストクに新たな北朝鮮レストランをオープンさせていたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。
現地の高麗人(朝鮮系ロシア人)は、北朝鮮が「豆満江」という名前のレストランを今年3月にオープンさせていたと伝えた。場所はバタレイナヤ通り4V番地。海沿いの遊歩道に面したロケーションで、以前はカフェだった。
ウラジオストク市は3月末までレストラン、ホテルに対する営業制限を行っていたが、このレストランは3月17日から1ヶ月間、オープニングイベントとして「冷麺展示会」を行っていた。ただ、この当時のウラジオストクでは、感染者はさほど多くなかった。
ところが4月に入ってから感染が拡大する予兆が現れた。ほとんどのレストランが休業したが、このレストランは休業するどころか、デリバリーに加え、夜にヤミ営業を行っていた。今月上旬の時点で非常に盛況で、10数人の女性従業員が忙しそうに客の対応に当たっていたと情報筋は伝えた。
地元の情報サイトVL.RUにも紹介されているが、盛業のわりには今のところコメントは付いていない。
別の情報筋は、この豆満江のみならず、市内にある「金剛山」「平壌館」など、市内に4店舗ある北朝鮮レストランもヤミ営業を行っていたと証言した。昼の営業は行わず、夜は予約客だけを受け入れる形だ。
この情報筋は、他のレストランがコロナのせいで営業を取りやめているのに、営業を続けるのは非常識だと批判しているが、VL.RUの記事によると、沿海州当局は6月中旬から野外に席がある飲食業の営業再開を認めていることから、必ずしも規則違反とは言えないようだ。
ちなみにここで働いている従業員は、国連安全保障理事会の制裁決議で禁じられた労働者ではなく、研修、留学などのビザを使ってロシアに滞在しているものと思われる。
一方の中国では、多くの北朝鮮レストランが廃業の危機に追い込まれている。
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