北朝鮮警察を右往左往させる「女性密売人」の逃避行
7月20日、北朝鮮の咸鏡南道(ハムギョンナムド)咸興(ハムン)で、覚醒剤の密売人をしていた40代女性が逮捕されたが、教化所(刑務所)に向かう途中で逃亡する事件が起きた。
現地のデイリーNK内部情報筋によると、この女性は、もともと工業製品の商売で家族を養ってきたが、数年前から高級幹部相手に、覚醒剤を売るようになった。北朝鮮は2014年、麻薬との戦争を宣告し、製造業者、密売人に対する取り締まりを強め、死刑を含む重罰で対応してきたが、客が客だけあって取り締まりを逃れ続けた。
ところが、最近になって逮捕され、裁判で教化刑(懲役)13年の判決を受けた。列車に乗せられ、平安南道(ピョンアンナムド)の价川(ケチョン)教化所に護送中だったが、そこから逃走したという。
咸興市保安署(警察署)と咸鏡南道保安局(県警本部)は、大騒ぎとなり、女性の家がある市内の東興山(トンフンサン)区域には、保安員(警察官)が24時間体制で配備され、女性が家族と接触しないか監視している。
保安局は8月から公開捜査に踏み切り、女性が国境を超えて中国に逃げ込む可能性を視野に入れて、両江道(リャンガンド)保安局と協力して、行方を追っているが、身柄を確保したとの情報はない。「既に国境を超えたのではないか」との噂も立っているという。
護送に当たっていた保安員も一緒に姿を消したが、女性が逃走した経緯や、保安員との関係は明らかになっておらず、「トイレに行くと行って逃げた」「最初から保安員とグルだった」などと、様々な噂が立っているという。
この女性は、真面目という評判があったため、周囲の人は彼女が覚醒剤の密売人をやっていた上に、護送途中で逃亡したことを知り、驚きを隠せずにいるという。
咸興は北朝鮮第2の都市である上に、咸興化学工業大学、興南製薬工場があり、覚醒剤の製造、販売が一種の「地場産業」と化している。
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