女性兵士に「妊娠中絶」を強制する北朝鮮軍の末期症状
かつてはよく聞かれた「寿退社」という言葉。主に女性が結婚を機に退職するという意味だが、会社によっては、働き続けようとしても退職を強いる雰囲気があったとされる。
この言葉は死語になったかもしれないが、女性が退社を迫られるタイミングが結婚から妊娠、出産に変わっただけであることを示すデータもある。国立社会保障・人口問題研究所の2021年の調査によると、出産後に退職する女性の割合は、出生年が2015年から2019年の場合、30.5%に達する。改善傾向にはあるものの、依然として育児環境が整っていないことが主な原因だろう。
世界的に見ても男女平等法を早くに導入し、女性を家事労働から解放する施策を数々行ってきた北朝鮮だが、依然として「寿退社」は存在する。朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の女性兵士は、それを逆に利用する形で軍を辞めようとするが、うまくいかないようだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
咸鏡南道(ハムギョンナムド)の情報筋によると、新浦(シンポ)周辺の海域の防衛を担当する海岸砲部隊で、ある女性兵士が妊娠したことが明らかになった。
彼女は今年19歳で、17歳で入隊したが、軍での暮らしに適応できずにいた。極めて劣悪な食糧事情により、栄養失調で自宅に帰される者もいる中で、彼女は2年余りを耐え忍んだ。
しかし、ついに限界に達したのか、何とかして軍から抜け出す方法を考えていた。その方法が妊娠だったというわけだ。
軍務中は妊娠はもちろん、恋愛ですら禁止されており、発覚すれば不名誉除隊を強いられる。自宅に帰された後は、朝鮮労働党員になれないのはもちろん、近所の人々から「何かやらかしたに違いない」と噂され、理由が妊娠だとバレた日には、白い目で見られる。
性暴力も婚前交渉による妊娠も、女性の落ち度とする考え方が依然として存在するからだ。そして最悪の場合は、炭鉱など誰も行きたがらないような3Kの職場に送り込まれる。
彼女はそれを知りながらも、敢えて妊娠する道を選んだ。
「彼女は妊娠した事実が他の兵士に知れ渡り、恥をかかされることになっても、故郷に帰ろうとした」(情報筋)
しかし、事は彼女の思っていたようには進まなかった。
「強制的に妊娠中絶手術を受けさせられ、部隊の兵士たちの前に立たされて、軍人として、女性として行いが間違っていたと批判を浴びた上に、他の部隊に異動させられた」(情報筋)
北朝鮮では、中絶手術は禁じられている。著しい少子化の対策としてだが、その少子化のせいで兵力の確保が危機的状況となるなか、女性兵士については例外扱いにされるようだ。一度兵士になったら「絶対に逃がさない」ということだろう。
かつてなら、妊娠すれば生活除隊させられたが、最近は内部方針が変わり、中絶手術を受けさせられ、勤務を続けさせられるケースが多いというのが、この部隊の関係者の話だ。
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