建設中断の北朝鮮と中国を結ぶ橋、今年9月に工事再開
2014年に完成したものの、開通できずに放置されてきた新鴨緑江大橋。北朝鮮と中国を結ぶ新たな大動脈としての役割が期待されてきたが、北朝鮮は自国側の連絡道、税関施設なども中国に建設するよう要求。話がまとまらずに野ざらしにされてきた。
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、中国丹東の貿易会社の幹部の話として、「金正恩党委員長が平安北道(ピョンアンブクト)に橋の開通のための仕上げ工事を蹉跌なく行えという指示を直接下したという話を、道党(朝鮮労働党平安北道委員会)の幹部から聞いた」と報じている。
予算調達から施工まで丸投げされた道党は困惑しきっていると伝えられていたが、デイリーNKの内部情報筋は、ついに工事が再開されたと伝えてきた。その時期ははっきりしないものの、今年9月末ごろだとのことだ。
デイリーNK取材班が、米国の衛星写真サイト「EOS LandViewer」で公開された現場付近の衛星写真を分析したところ、工事が再開されたのは今年9月18日ごろと推測するに至った。前述のRFAの報道は今年8月28日のものだが、その直後から工事が再開されたという計算になる。
9月18日と23日の衛星写真を比較すると、後者には新義州の中心市街地から南西に6キロほど離れたところにある、新鴨緑江大橋の東詰の地点で、田圃の緑が線状に剥がされているのが確認できる。つまり、橋と市内を結ぶ道路の造成工事が始まったということだ。10月31日には、橋の東詰から南新義州駅(新義州駅から5キロ)から南西に1.4キロ離れた国道1号線との合流地点までつながっていることが確認できる。
なお、Google Earthの2014年3月2日と、4月19日の衛星写真を比較すると、国道1号線から約1.3キロに渡って、道路の拡張工事が行われた痕跡が確認できる。また、そこから端に向かって2キロ弱の道路は以前から存在したため、今回道路の造成工事が行われたのは1.5キロほどと思われる。
なお、道路舗装や税関の建物の工事などは、今後行われるものと思われる。工事費を誰が負担したのかについては確認されていない。
Copyright(C)DailyNKJapan 2014
「中国」をもっと詳しく
「中国」のニュース
-
中国軍が台湾周辺で軍事演習 「台湾独立を図る行為に対する懲らしめ」と中国メディア 新政権へ圧力かける狙いか5月23日11時47分
-
「寧徳製」の自動車2230台が船でメキシコへ輸出—中国5月23日11時30分
-
中国超長期国債の取引停止、価格急落受け深セン証取5月23日11時25分
-
中国PDD、第1四半期売上高が予想上回る Temuなどが寄与5月23日11時20分
-
「中国半導体事業 2024年業界速報」を発表5月23日11時16分
-
中国・恒大集団のEV子会社、410億円の奨励金・補助金の返還求められる—中国メディア5月23日11時0分
-
1-4月の社会消費財小売総額は前年比4.1%増、ネット小売11.5%増—中国5月23日10時30分
-
中国、台湾囲み2日間軍事演習 頼政権へ圧力「独立の動き懲罰」5月23日10時14分
-
英国防相、中国がロシアにウクライナ戦向け殺傷兵器供与と非難5月23日9時50分
-
米ボーイング、中国向け航空機納入に遅れ 当局の調査で=関係筋5月23日9時42分