80億年後の地球の運命? 白色矮星を周回する岩石惑星の姿 カリフォルニア大らの研究

財経新聞2024年11月21日(木)16時13分

白色矮星を周回する岩石惑星のイメージ。(画像: カリフォルニア大学バークレー校の発表資料より (c) Adam Makarenko)

 白色矮星とは、赤色巨星化した星がその後収縮し、静かな暗い星として落ち着く究極の運命の姿だ。太陽のように、宇宙ではごく一般的な主系列星と呼ばれる星たちは、ほぼ間違いなく、最終的には白色矮星となり、やがては完全に冷えて、光を放たなくなる。

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 つまり白色矮星を観測することは、未来の太陽の姿を予測するのに非常に役立つのだ。それと同様に白色矮星を周回する岩石惑星を観測できれば、未来の地球の姿をイメージするのに非常に役立つ。

 カリフォルニア大学バークレー校は9月26日、地球から約4000光年離れた白色矮星を周回する岩石惑星を捉え、その観測結果を発表した。この恒星系は、KMT-2020-BLG-0414と呼ばれ、ハワイのケック望遠鏡(口径10m)によって観測がなされた。

 今回の研究で最も注目すべきは、未来の地球が、太陽が赤色巨星化した際、太陽に飲み込まれてしまうのか、それともかろうじてそれを逃れて存続が可能なのかを考察している点だ。

 結論から言えば、KMT-2020-BLG-0414の地球型惑星は当初、軌道半径が地球と同じくらいだったが、主星の赤色巨星段階を切り抜けた可能性が高いという。その根拠は、太陽が巨星化するのに伴い質量減少が起こり、重力が弱まった結果、岩石惑星の公転半径が拡大し、主星への吸収を免れたと考えられるからだ。

 ただし太陽の赤色巨星化を楽観視することはできず、赤色巨星化が始まって以降、太陽の熱で地球の海は干上がり、地上は灼熱地獄と化すという。それが10億年後か60億年後か、今は予測不能だが、地球から他の星への避難は不可避だ。経過はどうあれ、地球が生き残ったとしても、今から80億年後には白色矮星と化した太陽を周回しているだろう。

 他の星への移住が成功して人類が生き永らえられるのか、それとも人類は滅びて文明の痕跡を残すことだけは成功するのか、いずれの結果になろうとも、現在の人類にとってはバラ色とは言い難い未来であることは間違いない。

 なお研究の成果は、Nature Astronomyに掲載されている。

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