「負けるわけにはいかなかった」…大商学園が十文字を破り前回決勝のリベンジ成功
サッカーキング2018年1月1日(月)12時7分
大商学園が接戦をものにした [写真]=吉田孝光
第26回全日本高等学校女子サッカー選手権大会は31日、兵庫県内で2回戦の8試合が行われた。
前回大会決勝の対戦カード、十文字高校(関東4/東京)と大商学園高校(関西2/大阪)の対決が2回戦で実現した。試合は大商学園が1-0で勝利したため、前回大会優勝の十文字はベスト16で姿を消すこととなった。
大商学園は、双子のDF林かおるとMF林みのりが揃って先発出場。1回戦の秀岳館高校(九州4/熊本)戦で0-2からの逆転勝利を収めた十文字は、1回戦で2得点のFW小林一歩がボランチに入りゲームキャプテンを務める。チームキャプテンのMF蔵田あかりは、ケガのためベンチスタートとなった。
前回大会の決勝は1-0で十文字が制して初優勝したが、この日は大商学園が終始優位に進める。基本的な止める・蹴るというスキルに加え、相手に競り勝つことでボールを奪う大商学園は、前線のFW西山皐月の突破力を生かしながら攻める。34分、林みのりのパスに抜け出した西山がシュートを放ったが、これは十文字のGK横山野ノ香がセーブした。
大商学園は後半も試合を動かし、ついに51分に先制する。1分前に途中出場したばかりのMF藤原安佑が、左サイドからミドルシュートを放つと、これがゴール上に決まって大商学園がリード。1年前の決勝に出場したOBも駆けつけた大商学園応援団からは、大きな歓声が上がった。
先制を許した十文字は、その直後に蔵田とDF野口由姫を一気に投入。キャプテンマークを受け取った蔵田は左サイドハーフに入り、細かいドリブル突破で攻撃を組み立てるが、大商学園もセンターバックの林かおるを中心に体を張ってゴールを死守。最前線の西山も守備に奔走して、後半の1点を守り切った大商学園が、1年越しのリベンジに成功した。
「今日は大商学園の卒業生が来ていて、先輩たちの前で負けるわけにはいかなかった」と、声を弾ませた林かおるは「インターハイ1回戦で負けてから、ただうまいだけじゃなく勝つチームを目指してきた」と続け、2大会連続の決勝進出に前進したことを喜んだ。
十文字の石山隆之監督は「まだまだ力不足だった」と認めつつ「前回大会優勝後には、もっとボールを動かせるチームに、と感じたが、もっともっと追求しないといけない」と渋い表情。「1回戦から、こちらの戦いを研究され尽くされていた」と、ディフェンディングチャンピオンが再び勝つ難しさを痛感した様子だった。
2回戦での敗退に、蔵田は「もっとみんなとサッカーをやりたかった気持ちが出てきた。流れを変えたかったが、それができなかったことは自分の責任」と、涙を浮かべながらコメント。自身は大学でサッカーを続ける予定だが「後輩はこの悔しさを忘れないでほしい」と、再びの全国制覇を後輩に託した。
文=馬見新拓郎
前回大会決勝の対戦カード、十文字高校(関東4/東京)と大商学園高校(関西2/大阪)の対決が2回戦で実現した。試合は大商学園が1-0で勝利したため、前回大会優勝の十文字はベスト16で姿を消すこととなった。
大商学園は、双子のDF林かおるとMF林みのりが揃って先発出場。1回戦の秀岳館高校(九州4/熊本)戦で0-2からの逆転勝利を収めた十文字は、1回戦で2得点のFW小林一歩がボランチに入りゲームキャプテンを務める。チームキャプテンのMF蔵田あかりは、ケガのためベンチスタートとなった。
前回大会の決勝は1-0で十文字が制して初優勝したが、この日は大商学園が終始優位に進める。基本的な止める・蹴るというスキルに加え、相手に競り勝つことでボールを奪う大商学園は、前線のFW西山皐月の突破力を生かしながら攻める。34分、林みのりのパスに抜け出した西山がシュートを放ったが、これは十文字のGK横山野ノ香がセーブした。
大商学園は後半も試合を動かし、ついに51分に先制する。1分前に途中出場したばかりのMF藤原安佑が、左サイドからミドルシュートを放つと、これがゴール上に決まって大商学園がリード。1年前の決勝に出場したOBも駆けつけた大商学園応援団からは、大きな歓声が上がった。
先制を許した十文字は、その直後に蔵田とDF野口由姫を一気に投入。キャプテンマークを受け取った蔵田は左サイドハーフに入り、細かいドリブル突破で攻撃を組み立てるが、大商学園もセンターバックの林かおるを中心に体を張ってゴールを死守。最前線の西山も守備に奔走して、後半の1点を守り切った大商学園が、1年越しのリベンジに成功した。
「今日は大商学園の卒業生が来ていて、先輩たちの前で負けるわけにはいかなかった」と、声を弾ませた林かおるは「インターハイ1回戦で負けてから、ただうまいだけじゃなく勝つチームを目指してきた」と続け、2大会連続の決勝進出に前進したことを喜んだ。
十文字の石山隆之監督は「まだまだ力不足だった」と認めつつ「前回大会優勝後には、もっとボールを動かせるチームに、と感じたが、もっともっと追求しないといけない」と渋い表情。「1回戦から、こちらの戦いを研究され尽くされていた」と、ディフェンディングチャンピオンが再び勝つ難しさを痛感した様子だった。
2回戦での敗退に、蔵田は「もっとみんなとサッカーをやりたかった気持ちが出てきた。流れを変えたかったが、それができなかったことは自分の責任」と、涙を浮かべながらコメント。自身は大学でサッカーを続ける予定だが「後輩はこの悔しさを忘れないでほしい」と、再びの全国制覇を後輩に託した。
文=馬見新拓郎
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