大会史上最長のPK戦で恩返し…緊張を楽しんだ守護神がヒーローに
サッカーキング2019年1月3日(木)2時55分
大会史上最長となる19人目で決着のついたPK戦でヒーローとなった2年生守護神の猪越優惟 [写真]=小林浩一
取材・文=森田将義(提供:ストライカーデラックス編集部)
今回が6回目の出場となる帝京長岡だが、大会を去るのはいつもPK戦ばかりだった。80分での負けを許したのは2012年度だけで、それ以外の4回は全てPK戦で涙を飲んできた。前後半で決着がつかなかった今回も、谷口哲朗監督が「長かった。心臓が止まるかと思った」と振り返ったように嫌な記憶が蘇らなかったといえば、嘘になる。
プレッシャーのかかった状況でもリラックスし、きっちりゴールネットを揺らす選手が続く中で、誰よりもPK戦を楽しんでいたのが、2年生守護神の猪越優惟だ。PK戦に突入することが決まった瞬間、「よっしゃー! これでヒーローになれる」と喜んでいたという。「止めたら、ヒーローになれる。やっと俺がヒーローになれる瞬間が来た」。そんな意気込みの通り、相手の1人目のキックを見事にストップすると、以降もキックを止めることはできなかったが、ことごとくコースを的中。「読みが当たっていたから、どんどんポジティブな気持ちになっていった。後は触るだけという気持ちになれたから、最後に止めることができたと思う」(猪越)。
迎えた13本目は、先行だったチームメートのキックが失敗し、猪越が止めなければ負けというシチュエーション。相手が蹴るまで時間がかかり、待つ側のGKとしては難しい状況だったが、「3年生と少しでも長くプレーしたいので、止めるしかないと思った」と気持ちでセーブ。19人目のキックもコースを的中させると、ようやく歓喜の瞬間を迎えた。
中学までは宮城県の街クラブでプレー。高校ではJのアカデミーや、県外の強豪でのプレーを希望し、セレクションを受けたが、合格には至らず。進路がない状況だったタイミングで、声を掛けてくれたのが帝京長岡のスタッフだった。練習参加した際に、チームの雰囲気がよかったこと、プレースタイルが面白かったことが決め手となり、入学を決意した。行き場がなかった所を拾ってもらった恩を感じていたため、勝利の喜びもひとしお。猪越は「帝京長岡には、救ってもらった恩がある。そういう面でも今日やっと恩返しできたよかった」と満面の笑みを見せた。
今回が6回目の出場となる帝京長岡だが、大会を去るのはいつもPK戦ばかりだった。80分での負けを許したのは2012年度だけで、それ以外の4回は全てPK戦で涙を飲んできた。前後半で決着がつかなかった今回も、谷口哲朗監督が「長かった。心臓が止まるかと思った」と振り返ったように嫌な記憶が蘇らなかったといえば、嘘になる。
プレッシャーのかかった状況でもリラックスし、きっちりゴールネットを揺らす選手が続く中で、誰よりもPK戦を楽しんでいたのが、2年生守護神の猪越優惟だ。PK戦に突入することが決まった瞬間、「よっしゃー! これでヒーローになれる」と喜んでいたという。「止めたら、ヒーローになれる。やっと俺がヒーローになれる瞬間が来た」。そんな意気込みの通り、相手の1人目のキックを見事にストップすると、以降もキックを止めることはできなかったが、ことごとくコースを的中。「読みが当たっていたから、どんどんポジティブな気持ちになっていった。後は触るだけという気持ちになれたから、最後に止めることができたと思う」(猪越)。
迎えた13本目は、先行だったチームメートのキックが失敗し、猪越が止めなければ負けというシチュエーション。相手が蹴るまで時間がかかり、待つ側のGKとしては難しい状況だったが、「3年生と少しでも長くプレーしたいので、止めるしかないと思った」と気持ちでセーブ。19人目のキックもコースを的中させると、ようやく歓喜の瞬間を迎えた。
中学までは宮城県の街クラブでプレー。高校ではJのアカデミーや、県外の強豪でのプレーを希望し、セレクションを受けたが、合格には至らず。進路がない状況だったタイミングで、声を掛けてくれたのが帝京長岡のスタッフだった。練習参加した際に、チームの雰囲気がよかったこと、プレースタイルが面白かったことが決め手となり、入学を決意した。行き場がなかった所を拾ってもらった恩を感じていたため、勝利の喜びもひとしお。猪越は「帝京長岡には、救ってもらった恩がある。そういう面でも今日やっと恩返しできたよかった」と満面の笑みを見せた。
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