元トヨタのラピエールがチームを指揮へ。LMP2のクール・レーシングがWEC撤退、今季はELMSに集中
WEC世界耐久選手権の2019/20シーズンにLMP2クラスからシーズンエントリーしたクール・レーシングは、ニコラ・ラピエールとアレクサンドレ・コイニーが率いる新たな組織へと移行するとともに、2021年はELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに集中することとなった。
ELMSにおいては、2019/20シーズンのWECでステアリングを握ったラピエール、コイニー、そしてアントニン・ボルガが引き続きオレカ07・ギブソンのドライバーを務める。
また、ミシュラン・ル・マン・カップにおいては2台のリジェJS P320を走らせる予定。ELMSにおけるLMP3プログラムについては確約されていないが、検討中だという。
組織の変更によってラピエールとコイニーがクール・レーシングの指揮を執り、元マネージング・ダイレクターのパトリック&ハーミニー・バルビエは今後プロジェクトに関与しない。
ラピエールとコイニーのパートナーシップは『CLXモータースポーツ』としても知られており、Cはコイニー、Lはラピエールを表している。
クール・レーシングのプログラムを実行するために2019年に設立された会社である『レーシング・スピリット・オブ・ル・マン』が、実質的にCLXへと置き換わることとなる。
「これは、スポーツ面での魅力的なプロジェクトによる、素晴らしい冒険の始まりだ」と元トヨタLMP1ドライバーであり、LMP2クラスでル・マン24時間を4度制しているラピエールは語る。
「この冒険的な企てを、(フランス・)アヌシーの新たな工場からアレックス(コイニー)とともにシェアできることをうれしく思う」
「僕らの目標は、僕らが指揮する1年目のシーズンで、フィールドの前方において戦うことだ。たくさんの若手ドライバーとともに働きたいと思っているし、僕らの取り組みのなかで彼らが進歩することを助けることも目的としている」
「ELMSでの新たなLMP2プロ/アマ選手権を戦いたい。そしてもう一度LMP3のミシュラン・ル・マン・カップのタイトルも目指したいし、リジェ・ヨーロピアン・シリーズでも勝利を続けていきたい」
「いまは、ELMSに1台のLMP3車両を加えることも検討している。これらは僕らのプログラムの主要な柱であるけれど、将来の新しいアイデアにもオープンであり続けるよ。新たなシーズンが待ち切れないね」
ブロンズにレーティングされるコイニーは、次のように付け加える。
「僕らはいま、インディペンデント・チームとして、ニコ(ラピエール)の経験と自分のジェントルマン・ドライバーとしての情熱と知識を活用し、自ら選択した精神で仕事をすることができるようになった」
「僕らは信じられないような冒険の始まりに立っている。これが長く続くことを願っているよ」
クール・レーシングはグローバルなシリーズから手を引くものの、将来的なWEC参戦について引き続き関心を示しており、ラピエールはスパ24時間やデイトナ24時間といった他の主要なレースイベントへの参戦にも興味を示している。
チームがル・マン24時間レースへのエントリー申請を行なうかどうかは、まだ決定されていない。
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