英国ツーリングカー:シビックで3勝挙げたジョシュ・クック、2020年もホンダ車をドライブ
昨シーズンのBTCCイギリス・ツーリングカー選手権でFK8型ホンダ・シビック・タイプRをドライブして3勝を挙げ、キャリア通算5勝をマークしている28歳のジョシュ・クックが2020年もBTCレーシングに残留することを発表。自身初のドライバーズチャンピオンに挑むこととなった。またシリーズを運営するTOCAは、2022年以降のBTCC共通エンジン供給に向けた新サプライヤー入札を開始している。
2015年にBTCCデビューを飾りながら、毎シーズンのようにチーム移籍を繰り返してきたクックは、2018年にファクトリー支援を受け参戦したボクスホール・アストラBTCC(パワー・マックスド・レーシング)でシリーズ初優勝を飾ると、デビューイヤーのマシンで年間2勝を挙げる活躍を演じて見せた。
その実績を買われ、2019年からホンダ・シビック・タイプRの新型モデルへとスイッチしたBTCレーシングと開幕直前に契約をかわすと、そのオープニングラウンドとなったブランズハッチのレース1で見事に移籍後初勝利を飾っている。
その後も、2度のスラクストン戦でそれぞれ勝利を挙げ年間3勝、ドライバーズランキング総合4位でシーズンを締めくくった。
2020年はクックにとって初めてのチーム残留により、2年連続同一チームからの参戦となり、このBTCCキャリア初の境遇が「トラック上での競争力を維持する大いなる鍵になるだろう」と期待を語っている。
「この厳しいチャンピオンシップで強力な立場をキープするには、継続性がとても重要であることを学んだんだ」
「残念ながら、ここまで同じチームと同じマシンで2年目のシーズンを戦う機会は一度もなかった。でもそれこそが、パズルの重要なピースになると考えている」
「昨年もBTCレーシングとの契約締結が開幕直前にずれ込んだこともあり、充分なテスト機会もないまま(開幕戦)ブランズハッチを迎えた。それでも幸運なことに、レース1で勝利することができた。でも週末にならなくてはマシンの改善が進められない、という状況ではなく、ステップを踏んで物事を解決していく必要があるんだ」
「その点、2020年シーズンを前にして僕らは昨年蓄積したデータを解析し、オフに改良を加え、充分なテスト機会を経て今季の開幕を迎えることができる。この事実が、僕たちを確実に一歩前進させてくれることを願っている」
そのクックは、2019年ランキング4位の実績を得ながら、わずかな差でインディペンデント・タイトルをロリー・ブッチャー(ホンダ・シビック・タイプR/コブラスポーツAmD)に譲ったが、2020年は改めて年間総合チャンピオンに照準を絞るとも付け加えた。
「そう、欲しいのはインディペンデント・トロフィーではなくオーバーオールでのBTCCチャンピオンという称号だ。2015年にBTCCに参戦して以来、それが僕の目標であり唯一の望みなんだ」
「僕たちは充分なテストもなく、ファクトリー支援のチーム(BMWワークスのWSRウエスト・サリー・レーシング)をあと一歩まで追い詰めたんだ。より多くの準備期間がある今、その最後の一歩を踏み出せない理由は見当たらないよ」
2020年は3台体制への拡大を予定するBTCレーシングだが、その契約発表第1号となったクックに続き、チームは近日中にも2台目、3台目のドライバーをアナウンスするとしている。
またシリーズオーガナイザーであるTOCAは、チームに対して任意選択制で供給する共通エンジンの次なるサプライヤー選定に向け、1月末を期限に新たな競争入札を開始した。
現在、シリーズで“TOCA共通エンジン”と呼ばれる2リッター直列4気筒直噴ターボは、スウィンドン・レース・エンジニアリング(SRE)が供給を手掛けており、ファクトリー支援チーム以外のプライベーターを中心に、多くのマシンが搭載する名機となっている。
このSRE製エンジンは現行のNGTC規定採択以降、全年度で共通エンジンに指定されており、前回2015年に実施された競争入札でもSREが5年間の契約を獲得。さらに1年の延長契約を確保したことで、2021年シーズン終了時までの供給権を保持している。
今回の入札は、その次のタームとなる2022年から2026年までの5年間が対象となり、この新エンジンは同時にレギュレーション改定での実装が予定される“共通ハイブリッドシステム”への対応もにらんだ、柔軟な構成が求められることになる。
新契約者の決定は6月が予定され、2022年の供給開始までにTOCAと共同でコストパフォーマンスのレベルを確認する作業に加え、18カ月の充分なテスト期間が提供される。
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