2022年のSTCCは20台が集結予定。ブリンクMSは第2世代アウディRS3 LMSにスイッチ
TCR規定の採用以降、2022年で6年目のシーズンを迎えるTCRスカンジナビアこと、STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権は、昨季の全13台17名のフルシーズンエントリーを上回り、新年度に向け20台の参戦台数が集ったことを発表。完全なエントリーリストはまだ明らかにされていないものの、そのうち10台が「新型モデルや新規チームになる」ことをアナウンスした。
2021年はドライバーズランキングでワン・ツーを決めたPWRレーシングが、クプラ・ディーラー・チームとしてシリーズタイトルを奪還。2022年に向けて連覇に挑むほか、オリバー・セーデルシュトレーム(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/レストラップ・レーシング)を擁してジュニア王者を獲得した一昨年のチャンピオンチームや、新規プライベーターのFHレーシングらも、すでに来季参戦を表明している。
「この20台という年間エントリー数は強さのメッセージであり、シリーズは前年度と比較してグリッドサイズの大幅な拡大に向かっている」と語るのは、シリーズのCEO兼マネージングディレクターを務めるミュッケ・ベルンだ。
「ドライバー、チーム、そして新規モデルの参入で、我々はエキサイティングな冬と春を迎えている。完全に新しいチームと既存のチームの両方があり、今後数カ月の間にラインアップが発表される予定だが、そのうちのひとつはノルウェーからのものだ」と続けたベルンCEO。
「しかし、チームの個々のラウンチ計画を尊重しなければならないため、残念ながら現在はそれ以上のことを明らかにすることはできないんだ」
王者PWRの創業者兼共同オーナーであり、かつては自身もドライバーとして、STCCのみならずWTCR世界ツーリングカー・カップにも参戦したダニエル・ハグロフは、2022年シーズンに「少なくとも2台のクルマ」でタイトル防衛に挑むことを確認した。
「そう、それが最低限のラインで、我々は現在3台目のクルマを走らせる可能性を評価している。それと同時にチームと一緒に戦うドライバーについても検討していて、より多くの情報は近日中にも発表できると思うよ」
ロバート・ダールグレンが自身3度目の王座を獲得し、ミカエラ-アーリン・コチュリンスキーが彼女自身のキャリアハイとなるランキング2位を得た2021年だが、チームは来年のラインナップをまだ最終確定させていない状況だ。
一方、2021年開幕を目前に前年度王者ロブ・ハフの緊急離脱に揺れたレストラップ・レーシングは、このオフにもスウェーデンの首都ストックホルムにある新しい施設に拠点を移し、PWRと同様「最低2台のマシン」を投入する計画を立てている。
「2022年の目標は、STCCタイトルをチームが所属する場所に戻すことだ。このプランの重要なパートこそ、ストックホルムの新しいファクトリー設備になる」と、チームの共同代表であるフレデリック・レストラップ。
その2021年は前出のセーデルシュトレームを新エースに据え、ミカエル・カールソンとロビン・クヌットソンを起用し、フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRの3台体制を敷いてきた。
■最低2台。3台目のオプションも残すブリンク・モータースポーツは、ジュニア選手権2位のヒューゴ・ネルマンを起用
「2022年シーズンには最低2台のクルマを走らせる予定だ。昨季はドライバーとチームのタイトルを守るという主な目標は達成できなかったが、競争の激しいシリーズで良い年を過ごした。2022年の焦点はすべての要素をまとめることで、タイトル奪還に挑戦するため必要なものがあることは間違いない。近日中にもラインアップを発表する予定だよ」とレストラップ代表。
そして2019年に念願のチームタイトルを手にした強豪ブリンク・モータースポーツも最低「2台を投入する」ことを確認し、その車両が第2世代『アウディRS3 LMS』にスイッチされることも明かしている。
「我々には確保すべきタイトルがひとつ残っている。それがSTCCドライバーズチャンピオンの称号だ。2019年にはチームのタイトルを獲得し、2022年に向けてはチームとドライバー、双方の王座のため戦う条件を確保するべく、この年末年始も非常に懸命に取り組んできたんだ」と明かした代表のテッド・ブリンク。
「新シーズンに向けては、これまで我々とレースをしたことがない新たなドライバーと契約を結んだ。さらに別のドライバーとも話し合っており、2022年も3台体制に拡張する可能性はオプションとして残されているよ」
その新ドライバーとして白羽の矢が立てられたのは22歳のヒューゴ・ネルマンで、昨季はランキング3位に終わったチーム共同所有者兼エースドライバーのトビアス・ブリンクとともに、新型アウディのステアリングを握ることが決まった。
「2022年が本当に楽しみだよ。ドライバーとしては誰だって、勝つための条件を整えたいとつねに思っているはずだ。僕はいま、ブリンク・モータースポーツでそれを手に入れたと感じているんだ」と意気込みを語ったネルマン。
2018年当時にクリストファーソン・モータースポーツ(KMS)でヨハン・クリストファーソンの僚友としてSTCCデビューを果たし、その後はポルシェ・カレラカップで2年間を過ごしたネルマンは、昨季はカヤード・レーシングからシリーズに復帰し総合6位、ジュニア選手権2位でフィニッシュしている。
「STCCのトップを目指して戦うのは決して簡単なことではないけれど、アウディの新しいレースカーとチーム、そして僕の2年間のSTCCフルシーズン経験から、今こそまさにそれが達成できると思っている」
「アウディ」をもっと詳しく
「アウディ」のニュース
-
アウディ、東京・紀尾井町にヨーロッパ圏外初の「都市型急速充電施設」を4・26オープン 30分無料体験キャンペーンも実施4月25日13時27分
-
レッドブルF1とサインツの交渉を認めたマルコ。一方で「アウディからのオファーには肩を並べることもできない」と語る4月24日7時0分
-
GTワールドチャレンジ・アジアがセパンで開幕。8台参加の日本勢はDステーションが総合6位入賞4月23日22時37分
-
アウディ、最高出力333PSに強化された新型『S3』を本国発表。最高峰“RS”譲りの新機構も導入4月16日17時51分
-
2026年のF1参戦に向けドライバー決定を急ぐアウディ。影響は他チームに伝播するか4月11日7時5分
-
アウディジャパン、2024年もスーパー耐久、GTWCに参戦する3チーム3台をサポート4月10日16時22分
-
初号機カラーがS耐にカムバック。エヴァレーシング、Audi Team SHOW APEXとのタッグでST-TCRに参戦4月5日11時0分
-
スーパー耐久ST-Zクラスに臨むTECHNO FIRSTは今季も強力ラインアップでクラス制覇に挑む4月3日19時51分
-
Hitotsuyama Racingがスーパー耐久参戦体制を発表。メルセデスAMG GT4にスイッチ3月28日20時24分
-
ジョンビーン VAS 701 001 フォルクスワーゲン(アウディ/ポルシェ)推薦ホイールアライナー アムテックスの取り扱いを開始 【整備機器・鈑金塗装工具の補助金活用もサポート】3月28日10時46分